死なないで!殺さないで!生きよう!メッセージ集より

2人3脚

2010年01月02日 23:02

認知症の人と家族の会






いま、介護でいちばんつらいあなたへ、思いとどまった介護者からの渾身のメッセージ集の中からお届けします。



超えるー乗り越えるほど自分が強くなるー



正しいことを言われても
何の役にも立ちませんよね

                                     (大阪府・女性47歳)


大切な家族が認知症になったら、当事者も家族もたくさんのことを喪失します。当事者は身体の機能や記憶、それまでの役割などを失います。介護者は認知症になる前に大好きだった人が病気により、別の人になってしまったような、確かに生きているのに死んでしまったような感じがして、病気になる前の当事者を失います。当事者の役割も失います。




そしてそれに伴い役割が変化したり、介護により環境が変化したりして、慣れ親しんできた環境を失います。自由になる時間も失います。当事者との意思疎通が悪くなったり、家族のメンバーとの考え方の相違などで家族の絆も失うことがあります。介護のために退職をせざるを得なくなり、仕事を失うこともあります。当事者と一緒に楽しみにしていた将来の計画や夢も失ってしまいます。





松本一生先生(「認知症の人と家族の会」理事ー編者注)は『認知症介護サポートマニュアル』(2007)で、介護者は日々繰り返される「対象喪失」向き合いながら介護しているとし、介護者の心のプロセスを、驚愕→否認→怒り→抑うつ→適応→再起と説明しておられます。




当事者の病気をなかったことにしたり、回りに人や、当事者、そして自分自身にぶちまけたり、落ち込んだりするのは普通のことなのです。でも、病気によるBPSD(徘徊、暴力、暴言や妄想など、認知症に伴う行動障害と精神症状ー編者注)のために傷つきとても辛いですよね。





こんな時、私もそうだったように、正しいことを言われても励まされても、体験談を聞かされても、何の役にも立ちませんよね。認知症の人だけでなく、介護者の心のことをもっとよく知ってもらいたいですよね。そっと辛い胸のうちを話せる安全な場所と信頼し合える仲間がほしいですよね。レスバイト(レスバイトは休息や息きの意。これまでデーサービスやショートステイなどの利用料をさすー編者注)もいいけれど、ただ話を聞いてもらいたいですよね。






どうかどうか、話を聞いてくれる仲間をみつけてください。そして少しずつ輪を広げていきましょう。私も、私のまわりから輪を広げて生きたいと思います。理解と援助の輪を広げましょう。




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