死なないで!殺さないで!生きよう!メッセージ集
認知症の人と家族の会
いま、介護でいちばんつらいあなたへ、思いとどまった介護者からの渾身のメッセージ集の中からお届けします。
委ねる
「もう介護できない」と
声に出す勇気が必要
(宮崎県・女性・61歳)
彼岸花が咲く季節になると思い出します。同居の義母がアルツハイマー病と診断され、今から何が起こるのだろう、どうなるのだろう、と不安で一杯だったことを。アルツハイマー病だけでなく脳梗塞になったり、転倒して大腿部骨折で入院したときは、あの優しい義母が「めし、めし、早く早く」と机をたたいて催促する姿を見て、家に連れて返って私にみられるだろうかと不安でしたが、主人には口に出していえず、今思うとあの時、私の心と身体はもう限界だったような気がします。
家で一週間(デイサービス4日)、ショートステイ一週間と交替でみても、私の心はちっとも晴れなくなりました。鬼のような顔で「飯たけ」と大声を出したときは即、義母の足を踏みつけてしまいました。このままだと首を絞めるかもしれないと思えました。
常々娘が「自分の身を犠牲にしてまでみなくてもいい」と言っていました。母親の介護姿、父親のイライラする声、もう家族の心もバラバラになっていました。もし娘の後押しがなければ、入院させることは出来なかったと思います。入院させたらさせたで、自分が、入院させてしまった罪悪感と、目的をなくしてしまったのと主人の行動に不信感をもつようになり、精神的にパンクしてしまいました。
とことん介護してしまったのが、一番の原因だと思います。「もう介護できない」と声に出していうべきです。そして介護者に、「もう十分みてくれた。今度は自分を楽にしてくれ」と言ってっくれる人がいないと共倒れで、介護してもらう人も、介護者も不幸です。決断する勇気、自分の思いを口に出す勇気が必要だと思います。
一度折れてしまった心はなかなかもとに戻りません。ちょっとしたことで思い出し、もう絶対介護はできないと、今でも思っています。
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