しないで!殺さないで!生きよう!メッセージ集
認知症の人と家族の会
いま、介護でいちばんつらいあなたへ、思いとどまった介護者からの渾身のメッセージ集の中からお届けします。
委ねる
「人間は生きていることに値打ちがある」
という言葉が励みに
(静岡県・女性・65歳)
新聞の紙面で、介護を苦にしての自殺とか相手を殺してしまったという記事を読むと、私も信名気持ちになったことが何度もあったと思います。最初はうつ病と診断されてからできないことが日を追って増えてくる苦しみ、そんな夫を病院へ送り迎えしながら「おとうさん、車ごとここから落ちて死んでしまおうか?」と冗談めかして言った時。
認知症が進行して夜も眠らなくなり騒いで困り果てた時、私は夫の口を布団で押さえつけていました。「殺してやる」。夫は「殺してくれ」と言いました。そんな日々を過ごし、施設入所しました。数日は、何と悪いことをしてしまったと、入所したことに罪悪感をもちました。でも、それからは毎日施設へ通い、できる限り夫の世話をするようにしました。
このような病気になってしまった人をあんなに憎んで悲しんでいたのに入所してからは自分も人が変わったように、やさしい気持ちで相手に接することができるようになりました。ある作家の「人間は生きていることに値打ちがある」という言葉が励みになり、生きていてくれてありがとうと言えるようになりました。
最初の診断からもう10年が過ぎようとしています。家族の支え、介護職員のやさしさ、看護師の支え、「家族の会」の会員さんのお便り、何よりもそこに行けば会える人がいるから今の自分があると思います。どうぞ介護に疲れたら無理をせず、他人の目を気にしないで、自分も大切にして欲しいと思います。
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