死なないで!殺さないで!生きようメッセージ集より

2人3脚

2010年06月24日 10:25

認知症の人と家族の会






いま、介護でいちばんつらいあなたへ、思いとどまった介護者からの渾身のメッセージ集の中からお届けします。



委ねる


介護者にとっては抑えきれない感情
                          (東京都・男性・67歳)


若年性認知症の妻を介護して8年を超えましたが、1年くらい前に、在宅介護の限界に達して、施設に入所させました。現在は週に4日ほど、私が施設に通って妻の介護を手伝っています。




苦労をかけっぱなしだった妻の介護には決意を持って望んだのですが、残念ながらカットなってつらく当たるとか、一緒に死んでしまいたいとか、忽然と死んでほしいなどと考えたことが何度もありました。本人が抵抗したり、本人が寝入ってホット一息ついて先行きのことを考えたりした場合に、よくそうなりました。





誰が悪いわけでもないし、病気なのだから仕方がないと理屈ではわかっていても、介護者にとって抑えきれない感情だと思います。在宅介護者が一人の場合、デイサービスやヘルパー派遣などで、できるだけカバーしてもらっても、所詮は主介護者に心身の負担が重くのしかかります。




寝かせるタイミングを外すと眠らなくなってせん妄などで暴れるし、上手く寝かせつけることができても、排泄の失禁を防ぐことができても、排泄の失禁を防ぐために二時・四時・六時に起こしてトイレに連れて行くので、介護者が熟睡できることはありませんでした。一刻も目が話せないので、デイサービスに行っている間か寝入ってからしか外出や家事、自分の食事や入浴すら出来ません。睡眠不足と精神疲労でよれよれになって平常心、自制心を失いました。




振り返ると、自分一人で抱え込んで頑張ることが最悪の要因であり、親身に話を聞いてくれる人がいることが精神的に救われる最良のキーでした。




そして究極の救いは施設への入所でした。要介護5・精神障害1級という状態で、施設介護に変えるときは悩みましたが、現在では、思い切ってよかったと思っています。本人も、一年たった今ではすっかり慣れて、機嫌よく生活しています。私も夜はしっかり眠れるし、常に優しく笑顔で接することができます。施設入所により共倒れの危機は回避されました。




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