新型インフルエンザ対策研修会
昨日の午後清水テレサにて静岡県厚生部主催による新型インフルエンザ対策研修会が行われました。対象はで社会福祉施設職員(各施設1~2名程度)500名の参加がありました。県内7日ヶ所で行われる大規模の研修会です。第一部は講師静岡県立静岡がんセンター感染症科部長・大曲貴夫先生、第二部は新潟県高齢者総合ケアセンターこぶし園看護・介護部長吉井靖子先生の講演が行われた。
なぜ新型インフルエンザ対策が必要か(大曲先生の講演から)
インフルエンザの影響として2つの軸が考えられます。
1つは広がりやすさ、2つめは重症化しやすいかどうかです。感染率は通常のインフルエンザより高いか低いか
・ROで表しますと
今回のインフルエンザRO1.2-1.8(1より上か下かで判断します)大きければ広がりやすい
麻疹9-16、水痘7-11、百日咳10-18、季節性のインフルエンザ1.3
・病原性は高いかどうか・死亡率
メキシコ0.4%、スペイン風邪1-2%、アジア風邪0.5%、季節性インフルエンザ0.1%
現段階では新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同等化やや高めです。
・罹患率と死亡率を掛け合わせると
罹患率 死亡率 超死亡
季節性 5-10% 0.01~0.1 6.4千ー1.3万人
新型インフルエンザ 5% 0.4% 2.6万人
(2009年) (20人に1人)
新型インフルエンザ 10% 0.4% 5.2万人(4~5倍)
とすると
・施設に大きな負担がかかる可能性
人員不足:多くの職員が同時に休む可能性、職員が大量に罹患。一定期間休まざるを得ない。
また、学級閉鎖→多くの職員が休まざるを得ない。
・インフルエンザの特徴
突発の高熱(95%)、筋肉痛、全身倦怠感(31%)、咽頭痛(39%)、咳(59%)鼻汁(33%)、頭痛、胸部違和感、眼痛
・年代別感染者割合
5~9歳(20.6%) 10~14(19.6%) 16~19(16.7%)
・人に感染する期間は?
発症後3~5日 感染力が一番強い
咳や鼻水から感染 7日前後は感染力はあります。
・診断 迅速高原検査 陰性でも否定できない
・肺のレントゲン 正常な肺は透きとおって黒く写るが真っ白く写る 呼吸苦肺炎
・インフルエンザの合併症 細菌性肺炎、うっ血性肺炎、Reye症候群
インフルエンザ脳症、心筋炎、慢性肺疾患
・重症になる恐れのある人
乳幼児、高齢者、妊婦、糖尿病、透析をしている方
・インフルエンザの治療 休養と対症療法 抗ウィルス薬 リレンザ(吸引薬)、タミフル(48時間以内に服用)
症状を短縮させたり軽減させる可能性 治療期間は5日間
避ける薬 アスピリン(脳症になりやすい)、サリチルサン、NSAIbs
・インフルエンザワクチンの効果
65歳以下 発症予防70~90%下げられる。
発症予防 30~40%、入院の予防 50~60、死亡の予防 80%
・ワクチン接種、肺炎球菌ワクチン→肺炎球菌感染症、インフルエンザの重篤な合併症を低下させます
・インフルエンザは何故うつるのか
接触感染(ドアノブ、電車のつり革)ウィルスの付着したものに触れた後目や鼻、口などに触れることで粘膜、結膜から感染
顔に手を持っていかない!
飛沫感染 2m以内の範囲 感染している人の咳やくしゃみからの飛沫で感染する
手洗い
科学的に効果を証明された有効な方法です。
バカにしてはいけません。すごく効果があります。
アルコール速乾性手指消毒薬→手の全面にすりこむこと。殺菌効果が出るまでの時間→15秒以上
手が目で見て汚れているとき→石鹸と流水で洗う 洗い残しの多いヶ所親指、指先、爪、手首→30秒以上丁寧に!
石鹸とアルコール消毒でかぶれる人がいます。皮脂がとれ手荒れの原因となる。手荒れは院内感染起こしやすいので注意
・マスクは顎の下まで覆いましょう。くしゃみや咳が出たらハンカチやちっしゅなどで口をふさぐのがエチケット。なければ腕で口をふさぎましょう。その後は手が汚染しているのですぐに手を洗いましょう。人がだれもいないのにマスクをしても意味がないです。人からもらいやすいところだけでよい。
・うがいは水だけで十分です。
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