世界アルツハイマーデー記念講演会
認知症の人と家族の会 静岡県支部 主催
在宅ケアマネージャーから見る認知症高齢者の課題
淑徳大学准教授 結城康
講演内容の一部より
大学准教授になる前の6年包括支援センター職員時代にケアーマネージャーとして勤務、ケアマネージャー時代の事例を通して皆さんで考えて見ましょう。
最初の事例は88歳実母、10年前まで一人暮らしをしていたが心臓発作にて手術施行をきっかけに同居。徐々に物忘れが目立ち始める。認知症の見極めが単なる物忘れで片付けるのか実母の介護にあたって悩む様子を紹介。プラスチック製の湯たんぽを火にかけたことから認知症を疑い精神科を受診した。MRIの結果アルツハイマー型認知症と診断されたが心臓病があるためアリセプトを服用できないケアーで支援している。
①.家族間と第3者で認知症の疑いをどのへんで見極めることができるのか
②.第3者が絡んで近所づきあい、火の不始末をきっかけに、心臓病を理由に専門医精神科へ受診
③.専門医へ連れて行くまで、信頼関係、人間関係が大切、精神科へのハードルは高い
④.介護保険の申請に本人が同意してくれるか
認知症の実母を介護していて、最も悩んだのは「認知症」なのか「単なる物忘れなのか」
認知症の疑いをもつ、「時間」「空間」「場所」といった認識が曖昧になる。
空間→自分の家にいると落ち着くが家族で旅行すると不安定になる。突拍子もない行動をとる。
場所→散歩に行くと帰って来れなくなる。
80~90近くなると尿漏れがあり、下着を隠してしまう。
本人のプライドを大事にしながら専門医への受診を促すことは大変であった。
よって認知症の早期発見、早期治療は簡単ではないと感じたそうである。
事例2ではゴミ屋敷の認知症問題
天涯孤独の一人暮らしの男性80代。人との関わりが嫌い、意地っ張り、全て外食で購入したものは片付けられない、週2回入浴目的でデーサービスを使うようになったが、お金がもったいないとサービスを増やすことを拒む。
クモ膜下出血で亡くなったのだが、100万の束が5つと預金通帳に5000万あった。マンション住まいであったのでお金が低所得者ではないと思っていたが、こんなのお金がある人とは思わなかった。
もし、一人でも信頼できる人間がいればこの高齢者はもっと、いい老後が送れたはずなのに!
つまりいくらお金があっても、使いかたを支援してくれる人がいなければ、いくら貯めたものでも活用できない!結局この大金は相続者がいないので、「国」へ収めることになりました。
テレビでおなじみの結城先生10/6(火)NHKテレビ
生活ほっとモーニング8:35~9:25 中尾ミエさんと生出演されま~す
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