S様の看取りに立ち会えて・有難う!安らかに―合唱―

2人3脚

2011年11月01日 07:00

S様の看取りに立ち会えて




S様が2人3脚の小規模多機能型居宅介護をご利用なった日が昨年の11月でした。子宮がんの末期ということで、柔軟に利用できる小規模多機能を選択されました。それから1年近く2人3脚で楽しく過ごされました。今年の夏には食事も摂れなくなったにも関わらず、ランチの準備は一生懸命手伝ってくれましたね。スライサーでカットして残った野菜を包丁とまな板を調理のかたに「貸してください、もったいないので私が残りを切ります」と申し出てくれ、率先して手伝ってくれましたね。





6月22日には富士宮市のエヘガザルがポニーを2頭連れてきてくれ、富士市立東小学校の生徒1・2年生と2人3脚の利用者様と一緒に遊びました。「私もポニーに乗りたい」と言って、芝生を一周しましたね。本当に嬉しそうでした。食欲も落ち体力も落ちていたのですが、乗せてあげて良かったと思いました。あの笑顔を見た途端、私の不安は飛んでいました。いい思い出として残ったことでしょう。





作品作りも積極的にチャレンジしていました。八王子に住む私の母がちぎり絵を教えに1週間、富士で過ごしたときも、嬉しそうに一生懸命、紫陽花や福寿草を作っていました。S様は私の母と同じくらいの年代で、母の手さばきに関心ばかりしていました。完成した時の喜びは、図りしれないものが笑顔から感じ取れました。また、陶芸教室にも参加しましたね。湯飲みを作るために一生懸命粘土をこね、作り上げました。1ヶ月以上焼きあがるのに時間がかかりましたが、深緑色の素敵な湯飲みが完成した時は大変な喜び様でした。






8月に入ると食べれない日がつづくようになり、口当たりの良い物をメニューに選びました。2人3脚で収穫した15キロの紀州梅が上手に漬け上がり、梅干だけは美味しそうに召し上がっていました。皆で苦労して1粒1粒丁寧に漬け込んだ梅干です。できるだけ2人3脚に通ってくる方々と一緒に居られる時間を大切に、過ごしていただこうと思い、点滴をしながらデイルームで過ごしていただきました。しかし、率先して生活リハビリに取り組んでくれたのには驚きました。障害や病気があっても役割を持つことで“共に生きる”“笑顔で生きる”“役割を達成する喜びは活力源”をS様を通して学ぶことができました。病気になっても懸命に生活している姿がまぶたから離れません。






10月に入ってからは離床する機会が少なくなりました。しかし、家族が2人3脚で交代で看病してくださり、愛情を一杯受けて、10月27日天国に旅立たれました。地域密着型だからこそできることだと思いました。医療連携を図っている高木内科循環器科の高木茂人医師には、本当に親身になって家族の意向を組み取り往診してくれました。感謝申し上げます。5人のお子さんが交代で4時間ごとにチームワークで計画を組み、亡くなられる1週間は付きっきりで看病してくれました。亡くなられる当日の朝、先生に電話をしました。「血圧がもう測れなくなり呼吸状態も悪いことを告げると、昼食時往診するとのことでした。痛みも出ていましたので、先生のところに痛み止めの座薬をもらいに行き、真っ先にS様の枕元に着くと危篤状態に変わっていました。すぐに先生に電話し駆けつけていただき、11時06分家族に見守られ天国に旅立たれました。 ごゆっくりお休みください。             ―合唱―
我々が理想とするターミナルケアができたと思いました。















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