ゴミゼロ社会は実現可能か

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2009年11月29日 08:11

ゴミゼロ社会は実現可能か
                                 (鳥取環境大学教授田中勝さんより)

富士市のごみを考える会理事長小野由美子さんからの影響をもありゴミについて興味を持ちました。


リサイクル産業の成功

日本は現在循環型社会の形成を目指し、積極的に3R(リデュース(発生抑制)・リュース・リサイクル)を推進しています。日本のごみ問題は、排出されたごみを片付けて処分するという伝統的なゴミ処理から、生産者と消費者の両者が責任を担い、皆でごみを出さない努力を重ねる循環型社会の構築をめざしているのです。



その柱となるのが「拡大生産者責任」などの制度でこれは製品を作る人がはじめからリサイクルしやすいように設計しその処分にまで責任を持つ考え方です。




一方で循環型社会とは、発生したごみを循環資源活用できる“ごみゼロ社会”でもあります。日本ではリサイクルの集団回収が活発に行なわれ年間300万トン以上の新聞や雑誌類を回収。容器包装リサイクル法で定められたガラス瓶や金属缶、ペットボトルの回収にも、多くの自治体が取り組んでいます。




こうした努力によって廃棄物の排気量は低く抑えられ、1990年の都市ごみの排出量は、5000万トンを超えましたが、その後は安定して推移してきました。消費者もごみを出さないようにリサイクルを進めたり、エコバッグを持ったりするなど、、ゴミを減らす取り組みが浸透しています。




特に日本における「ブックオフ」や「ハードオフ」等の、古本や中古品リサイクル産業の成功はアジア諸国で注目を集め、いまや日本は「循環型社会の先進国」になっています。



ほどほどの実践

日本人は元来、「もったいない」という言葉に代表されるように「物を大切にする」精神がありました。ところが大量消費社会の中で、この精神もいつしか忘れ去られ、ごみの大量発生を引き起こしてきたのです。



他方、環境先進国と言われるドイツや北欧諸国では、物や資源を大切にし、環境を守る文化が人々の生活に根付いています。質素な生活を好み、物質に頼らない欧州の人々は「物の豊かさ」ではなく「心の豊かさ」に重視してきました。現代の私たちに必要なのも、この「心の豊かさ」を生活の尺度としていくことです。
特に循環型社会を一層進める上で、今までの価値観を改めていく必要があるでしょう。



20世紀は「もっともっと」という言葉と共に、資源の大量消費を促す時代でした。しかし、これからの時代のキーワードは「ほどほど」です。日本では今、「第二次循環型社会形成推進基本計画」に基づき、さまざまな、廃棄物処理政策が実施されています。リサイクル率や埋め立て率の数値目標も設定されていますが、その数値に目を奪われ、結果だけを求めすぎると本来の目的を見失ってしまいます。



例えばリサイクル率を上げようとするあまり、行政がわずかなごみ回収のために多くの車を走らせれば結果的に大量のガソリンを消費し、環境負荷を高めてしまいます。大事なことは物事の利点と欠点を考えた上で良い加減を選択し、資源の保全につながらない無駄エネルギーは使わないことです。その「ほどほど」のバランスをとることが求められています。



                                 ~とても良い勉強になりました。~






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