介護協力に必要なのは具体的援助

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2010年01月25日 08:00

介護協力の質
必要なのは具体的援助

                                (介護カウンセラー 羽成幸子氏より)

身内や知り合いが入院すると、相手の都合も考えずにお見舞いに行く人がいます。入院したということを知ったからには、知らんぷりもしていられないとの気持ちからかも知れません。中には面会時間とはいえ、集団でガヤガヤと病室に入ってくる人たちもいます。


お見舞いに行くという行為は、ある意味では義理を果たすということでもあるでしょう。見舞いを受ける側も、時には体がつらいのを我慢して、見舞い客に対応することだってあります。周囲に心配させたくないと、入院していることを隠す人もいますが、これには義理の見舞いを避けたい気持ちがあるかも知れません。



このようなことは介護の場合にも当てはまります。介護されている親の顔を見るために実家に出向く人はその出向いた回数が親孝行の指紋になる場合があります。「あの人は一度も親の顔を見に来ない」と出向かない人が非難されることもあるかもしれません。





反対に、たとえ親の顔が見に行く回数が多くても、行くたびにお客様扱いを受けているようでは、親元で介護する人の負担は増すばかりです。行く回数ではなく、何をしてくるかを考えましょう。






例えば、便通が滞りがちな親の場合なら、実家のお嫁さんの代わりに浣腸をして便通を整えてくる。入浴介助を引き受けてくる。月に2回手足の爪を切ってくるなど・・・。




こうした行動をとれば実家のお嫁さんは美容院へ行ったり、買い物に行ったりと、別な用事を済ませることができるわけです。介護で問われているのは、「何をしたか」です。遠くて介護に通えなかったら、ヘルパー代の協力でもよいでしょう。



私は、義母が寝たきりになった時、義母と相談して、夫の兄弟全員に手紙を書きました。「このたび、あなたのお母様が寝たきりになりました。つきましては一日300円のおしめ代を協力してください」こうして義母の通帳に振り込んでもらったのです。




こうして介護に必要なのは義理や体裁ではなく、具体的な援助です。できることを、具体的に、それも責任をもって担ってもらいましょう。助けてもらう側も好意あるサポートと割り切り、感謝して気持ちよく受けることです。これこそ、質の高い介護協力だと思います。












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