人間らしい役割を果たせる社会に

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2010年03月11日 12:58

ワークライフバランスの時代
介護・育児と仕事の両立

                   (ヒューマン・コミュニケーション研究所長渡辺嘉子)

一生懸命に生きた人生には、幸せなフィナーレがふさわしいものです。日本は世界に誇る長寿国で、90歳までに生きるのは、ごく普通のことになってきました。戦争をしない、命を大切にする、健康を大切にする・・・と、国民が誓った結果といえるでしょう。こうした日本の長命化は、素晴らしいことですが、その一方で、介護の問題が大きくなってきます。



私自身も体験したことですが、父母や祖父母が突然、脳梗塞になったり骨折をしたりすると、さあ大変です。その上、入院や介護が必要になると子供や孫たちには、精神的にも体力的にも大きな負担になります。まず、病院や医師、介護施設などの選定がら始まり、付き添い、衣類の洗濯、医療や介護にかかわる書類作成と届出、医療費などの支払い、お見舞いのお礼や、快気祝いなど、めまぐるしい忙しさが襲いかかってくるのです。



介護のために会社を辞めたり、正社員からアルバイトや派遣などに変更せざるを得なくなったりして、生活が一変してしまう人もいます。人は仕事以外にも、子、親、夫、妻、地域社会のや役割など、色々な責任を担っています。親族の生や死、介護にかかわることは、人間として避けることの出来ない役割であり、また、愛情の発露でもあるのです。



こうした人間らしい役割を果たしながら、誰もが安心して働ける社会環境をつるためのも、仕事と生活を調和させようとする、一人ひとりの努力が必要なのです。個にとしても、育児・介護休業法を改正し、働きながら介護や育児を出来るように法整備を進め、本年6月30日から施行されます。



一人の介護をしている場合は、年5日、二人以上は年10日の介護休暇が新設され、父親の育児休業取得の推進とともに、就学前の子供の看護休暇制度も拡充されます。ただし、一部の規定については、雇用者100人以上の企業団体の場合、2012年6月30日施行予定です。(詳しくは厚生労働省のホームページを参照)




介護や看護の体験は、つらいことばかりではありません。家族や友人の温かい心の絆を確認できる、素晴らしい機会でもあります。皆で力を合わせ、明るく取り組んでいきましょう。












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