Q&A認知症だと思うのですがどこに受診したらいいですか
Q 76 家族が認知症だと思うのですが何科を受診したらいいですか?
A:まず「物忘れ外来」が近くにあるか探して見ましょう。現在、認知症の診断・治療は神経内科、老年科、精神科、脳神経外科が対応しています。
【神経内科】
●診療内容
脳から手足に至る全身の神経と筋肉の内科診療
●特徴と傾向
アルツハイマー病や能血管障害の診療を日常的に行なっているほか、他の認知症の原因疾患についても診察しています。多くの病院にあるため、受診しやすい診療かです。
【老年科・老年病科】
●診療内容
高齢者の特徴を踏まえた、脳及び高血圧症や糖尿病などの内科診療。
●特徴と傾向
認知症は高齢者に多いため、認知症に詳しい老年科医が多数そろっています。余り社会に知られていなく、設置が大学病院に偏っています。
【精神科】
●診療内容
認知症だけでなく、うつ、幻覚妄想など精神面の全面を診療
●特徴と傾向
認知症の人々の心理面に理解があり、介護の方法の助言もします。また、介護家族の精神面についても、精通しています。精神科病院のほか、かかりやすい精神科診療所が増えています。
【脳神経外科】
●診療内容
脳腫瘍、脳血管障害、外傷などによる脳の病気を外科的に診療
●特徴と傾向
認知症の原因疾患である正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など゙の診療を行なうことから認知症を診る医師もいます。
以上の診療科のほか、最近では「物忘れ外来」や「メモリー外来」という記憶障害を症状にした人を対象に診療する専門外来ができてきました。ここでは認知症ではないことの判断も含めて、認知症の診療と治療を行ないます。施設によって神経内科や老年科など゙に属した、専門外来となっているところや、独立した専門外来として認知症の治療に詳しい医師たちが連携して診療しているところなどがあります。認知症の病院選択としてここをお勧めします。
また、2008年度から始まった国の認知症対策事業の一環として、認知症疾患医療センターというものができつつあります。認知症の中核医療施設として、ある従来の老人性認知症センターよりも機能をさらに明確にして、認知症の相談を受けたり、開業医らと連携して認知症の早期発見と治療を行なっています。今後さらに整備が進んでいくはずですが、住んでいる地域にこうした施設がある場合は、こちらを利用してもいいでしょう。
三宅貴夫 老年科医 認知症の本より(岩波書店)
公益法人認知症の人と家族の会顧問
社団法人京都保健会盛林診療所所長
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