レビー小体型認知症の最新治療 パート1

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2010年02月07日 10:04

第3の認知症として今世界中で注目されています。

レビー小体型認知症の最新治療                      
                        (横浜ほうゆう病院院長 小坂憲司先生の取材記事より)



「できることなら、なりたくない」と誰もが考える病気の代表格、認知症。しかし、高齢化の進む日本では、認知症の人がますます増加傾向にあることは周知の事実です。現在では、「65歳以上の10人に1人、85歳以上の4人に1人が認知症になる」と推計されています。


従来、認知症といえば、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症(脳梗塞などの脳血管性障害によって起こる)が主なものとして知られていました。しかし、近年、これらとは異なるタイプの【第三者の認知症】として世界的に知られるようになって来たのが、レビー小体型認知症です。実は日本人の認知症の約2割がこのタイプなのだそうです。




レビー小体型認知症を発見し、研究してきた第1人者である横浜ほうゆう病院の院長である小坂憲司先生にお話を伺いました。



40~50歳で発病するケースもある

レビー小体型認知症は、どんな病気なのでしょうか?

異常蛋白質からなる「レビー小体」という特殊な物質が脳の大脳皮質に広がり神経細胞の働きを阻害して起こる病気です。1976年、私はこの病気の最初の症例を外国誌に発表しました。以降、私が行なってきた一連の研究報告によって国際的に知られるようになり、1996年には、「レビー小体型認知症」と名づけられ、診断基準も発表されました。



現在では、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症と合わせて3大認知症と呼ばれています。欧米の研究では、アルツハイマー型認知症についで、2番目に多いという報告があります。日本では、高齢者の認知症の約2割を占めると考えられ、患者数は約50万人とし推計されています。レビー小体型認知症は65歳以上の高齢者に多くみられますが、パーキンソン症状があるケーでは、40~50歳代でのケースも少なくありません。




他の認知症との違いなど、どのような特徴があるのですか?



ご存知のように認知症の代表的な症状は、もの忘れがひどくなる、日時や場所、・人などがわからなくなる、物事を認識し判断する力が低下する、といったものです。アルツハイマー型認知症ではこうした症状が最初から起こってくることが多いのですが、レビー小体型認知症では、初期にはそれとは異なる症状が目立つことが多いのです。



特徴的なのが、現実には存在しない幻が見える「幻視」という症状です。例えば、「ねずみが壁をはい回っている」とか「知らない人が家の中にいる」「子供がベッドの上で遊んでいる」などの幻が、本人にはありありと見えます。見える対象は、小動物や人物であることが多いのです。幻視が起こる原因は、後頭葉(脳の後ろ側)の視覚野(視覚をつかさどる部位)に障害をきたすためと考えられたています。



また、睡眠中に突然、奇声を発したり「このやろう!」などと怒りだしたり、暴れたりするといった異常な行動をとることがあります。レム睡眠(体は休息しているが、脳は活動している状態にある睡眠のこと)の最中に現れるため、これをれ【レム睡眠行動異常】とも言います。



さらに、パーキンソン病と同様の身体的症状が起こることも、大きな特徴です。パーキンソン病は、脳の奥にある脳幹を中心にレビー小体ができるために起こる病気で、筋肉がこわばる、手足が震える、動作が緩慢になるなどの症状が現れます。レビー小体型認知症の場合も、このような症状がよく見受けられます。また、パーキンソン病の患者さんに認知症が併発することも少なくありません。



いずれも脳にレビー小体が存在することから、パーキンソン病とレビー小体型認知症とは、本質的には同じ病気だと考えられています。そのほか、抑うつ症状(気分の落ち込み)なども見られます。









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