長谷川和夫先生の医学的知識パート2
長谷川和夫先生の医学的知識
(静岡県
認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート2
アルツハイマー病の進行を止めるアリセプト。進行を止めるのがアルツハイマー病の本質です。自然現象、子供の発育、年をとるのを止める薬。アルツハイマー病は老いと背中合わせです。老化の進行を抑制する、薬の効果を限定する薬。自然現象を止める薬はアリセプト。何の変化もなく非常にせつないため、試しに中止してみると、ガクッと進行する。今のところ唯一適応する薬で副作用が少なく胃腸障害位で重篤な副作用はありません。
若年認知症は64歳以下、40代50代の人たちがアルツハイマー病、脳血管性認知症、ピック病等にかかると大変、経済的に大変です。就労の道が問題となります。①.家族の奥様はパートに行くことができません。②.若年性認知症専門のデイサービス、グループホームがありません。物忘れがひどいだけで高齢者の人たちと一緒にデイサービスで過ごせない。③.もし私が認知症になったらNHKに報道するか、誰が長谷川式認知症を僕にするか(笑い)宜しくお願いします。
若い人が認知機能障害になると周りの人は、奇異な感じがする。厚労省は緊急プロジェクトを立ち上げました。厚労省のホームページをご覧下さい。若年性性認知症コールセンター TEL 0800-1000-2707
若年認知症は数が少なく10万人に対して4000人位で、専門のデイサービスを創ったとしても、大きな町でも人が集まらないし、送迎が難しい。実際問題として来てもらうしかなく対応は難しい。電話相談が突破口となりました。
ピック病の対応は難しい。アルツハイマー病は側頭葉・海馬が侵され、もの忘れが最初に起こってきます。ピックは前頭葉から起こってきます。前頭葉は指揮者のような総合判断を行うところです。抑制が効かなくなり、人と会話していても衝動的に立ちあがってしまいます。スーパーのレジでは、人が見ているのに小銭を持っていってしまい、直ちに拘束されますが、多動でじっとしていません。また、決まった道を散歩します。10時になると決まったコースを散歩し毎日それをやります。デイサービスへいったん行くとちゃんと待っています。決まった時間帯できっちりできます。日曜日も待っています。多動の他は何もしない。トントンと窓際に座りながら手すりをたたいています。手すりはへこんでしまっています。常同行為といいます。抗精神薬を使わざるを得ません。
<ホーム長のつぶやき>
2009年11月の講演内容の過去記事です。今年の4月認知症の新薬が3種類出始め、使い始めています。各々副作用を観ながら段階的に薬のミリ数を上げていきます。選択肢が広がってきました。メマリー(内服薬)やリバスタッチ(貼り薬)はアリセプトと併用ができます。すこしでも認知症が進行しないようにブロックするための薬で治癒するわけではありませんが、2人3脚では新薬を使用している利用者さんは認知症の症状が改善し、本人の混乱を抑えるのに役立っています。
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