経済支援と社会保障 パート1

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2010年03月06日 09:00

認知症に関する基礎知識

経済支援と社会保障 パート1

認知症の人と家族の会
(認知症コールセンターマニュアルの一部より 立命館大学教授 津止 正敏)


はじめに

介護に伴う経済的問題は、主に介護者と被介護者双方の収入と支出に関わって発生します。介護のために離職を余儀なくされ収入の道を立たれる介護者が増えています。介護の時間をとられるために正規職員からパートやアルバイトへ転職する人もいます。また、介護サービス利用の費用負担が家計を圧迫します。年金暮らしの老老介護の世帯単位で、設定されるために同居家族の負担は、実際の介護だけでなく経済面でも大きくなります。収入は閉ざされ支出は増える、という構図です。



1.離職・転職


介護休業制度、ハローワーク


介護を契機に離職や転職の相談も増えています。その際、これからの生活設計経済的問題に悩んでいる方も少なくありません。目の前の介護のことだけでなく、家計や仕事のことなど今後想定される問題を一緒に考えていく場面の一つがコールセンターでの電話相談です。すべての労働者に保証されている介護休業制度(介護休業給付金)や失業手当、転職のための就業訓練や、ハローワークなどの活用も念頭に置きながら、適切なアドバイスが求められます。



2.年金

社会保険事務所


まずは年金制度ですが、高齢になった時の老齢年金と、身体や精神の病気や怪我をした時の障害年金という2つの年金制度に留意しなければなりません。



老齢年金

定年や高齢のために働けなくなった高齢者に対して、加入していた年金保険から、年金を支給して老後の生活(所得)保証を行なうものです。年金制度は複雑で多岐にわたります。そのために、詳細は最寄の社会保険事務所で相談することが第1です。年金受給にあたっては、①一定期間以上の加入期間(資格期間)と、②一定年齢に達している(支給開始年齢)こと、が条件となるので、要注意です。それぞれに、様々な特例が設けられていますので、「資格期間に達していない」とすぐにあきらめないで救済方法がないか、十分に検討することが必要です。



またこの老齢年金は、受給資格ができても、役所からは通知されません。年金は自ら請求しないと支給されません。自給資格ができてから、5年を過ぎると時効となって、遡って支給されるのは5年前までに限られます。また、請求漏れがないかどうかを確かめることも大事です。介護者も被介護者も受給資格ができたらすぐ請求するようアドバイスしましょう。



障害年金


病気や怪我で障害を負った生活(所得)保障として支給されるのが障害年金です。障害年金は、国民年金加入者には障害基礎年金が厚生年金加入者や共済組合加入者には、それぞれ障害基礎年金と障害厚生年金、障害退職年金が支給されます。



この障害基礎年金を受けるには、、①初診日に被保険者であるか、国民年金をやめた後60歳以上65歳未満であること、③加入期間と保険納付条件を満たしていること、が条件となります。なお、厚生年金や退職共済では独自で2級より軽い障害者に対して、3級には障害厚生年金、障害退職共済年金が、それ以外にも障害手当金が支給されることになっています。この受給要件にも様々に特例措置があるので要注意です。















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