ほがから介護 感情を恐れない

2人3脚

2010年03月21日 09:45

わが家流でいい!
ほがらか介護
                                (介護カウンセラー羽成 幸子氏より)

感情を恐れない

介護ほど自分の気持ちをさらけ出してしまう場はありません。今まで気付かなかった自分の意地悪さや、ずるさ、“私って、こんなひどい人間だったのかしら”と驚き、嘆く人もいるのではないでしょうか。人が他人に優しくできるためには、一定の条件が必要です。ある程度自分らしくいられるだけの余裕があれば人に優しくしてあげられるでしょう。



例えば自分の空いた時間をボランティアとして提供する場合です。人の役に立つ場を得て、感謝されるのですから優しい自分でいられます。ところが介護はそうはいきません。相手に合わせて寄り添い、世話をするのです。自分の意思とは関係なく、相手の体と心に寄り添うのですから楽ではありません。



憎しみや悲しみも感情と知る

汚物を垂れ流されたり、部屋中汚されたりしては、憎しみがわくのも当然です。意思の通じない認知症の人に対して、上手なうそをついて、なだめることも必要です。。憎しみ、怒り、悲しみ、うそ・・・。自分からわき出る感情や偽りの心に戸惑うのも無理はありません。ですがその感情を恐れる必要はありません。そう思うほど、また、そうしなくてはならないほど介護者は向き合っているのです。



ある人が海外の高齢者のボランティアに行ったところ、受け入れた施設の責任者が、「あなたは、こんな遠くまで来なくても、すぐそばに親御さんがいるでしょう、親御さんの世話をするほうが、ボランティアより立派な行為です。」と語ったそうです。この言葉に私はとても感動しました。目の前の、自分のすぐ近くにある現実と向き合うことの重要性を、とかく人は忘れがちです。



他人の世話と同じように、自分自身の親の世話も大事です。優しくできない自分と向き合い、それを乗り越える。人間同士として向き合えたとき、人は本当の意味で成長します。私自身、かっては歯ぎしりしながら、わがままな父と向き合っていた自分を、今では懐かしく思い出しています。












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