杉山ドクターの優しい医学講座

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2010年02月03日 09:00

第1章 高齢者の疾病と主な症状
                    (認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師より)


17.リハビリテーション10か条   
                知って得する身近な病気や症状  その4                                                          


リハビリテーション10か条
        川崎幸クリニック院長
                     杉山孝博



1.同じ生きるなら前向きに
2.生活習慣整えて 
3.楽しみながらリハビリを
4.仲間同士で励まして
5.根気と粘りでがんばろう
6.大切にするとは使うこと
7.寝込まぬためには歩くこと
8.日々の動きがリハビリだ
9.残った力をフル稼働
10.創意と工夫は頭のこやし



たとえ疾病や障害を持っていても、その人が自らの能力を発揮しながら尊厳ある生活を送るためには、生活しやすい環境づくりとともに、リハビリテーションの努力は欠かせません。在宅では、発症間もない急性期に行なわれる急性期リハビリではなくて、生活の中で行なう「生活リハビリ」が中心となります。そこで今回はリハビリがスムーズに行なわれるように、わかりやすい「リハビリテーション10か条」を紹介します。




1.同じ生きるなら前向きに

「リハビリ意欲は7割」と思っています。疾病や障害を持って気が落ち込んでいる人に対して、周囲のものは、「事故が起こってはいけない」「疲れすぎないように」などと行動を抑制しがちです。前向きの気持ちになるようにはげまして、その努力を評価することが大切です。




2.生活習慣ととのえて

生活にはリズムが必要です。仕事や社会活動、買い物など日常の決まった行動がなくなると、リズムが乱れます。生活習慣をととのえてリズムのある生活をしましょう。



3.楽しみながらリハビリを

誰でも好きなことには関心をもちます。映画もパチンコも植木の手入れも良いリハビリになります。周囲のものは、本人の好きなこと、やりたいことを上手に聞き出し、それが実現できるように持っていきたいものです。



4.仲間同士で励まして

同じ障害を持つ仲間がいることは励みになります。医療機関、福祉センターや保健所などで地域リハビリ教室などに参加したり、いつも行く公園で新しい仲間を作るのも楽しいことです。



5.根気と粘りでがんばろう

気落ちしたり挫折したりすることもありますが、自分自身のことですから、常に前向きの気持ちを持ち、根気強く続けましょう


6.大切にすることは使うこと

身体を使わないでじっとしていることは良くないことです。本当に大切にすると言うことは、実は身体をできる限り動かして機能を使うことです。



7.寝込まぬためには歩くこと

「寝たきりになるのは簡単です。数日間、ひたすら寝ていると歩けなくなります。」と、私は患者さんに話しています。手足のマッサージより、体重をかけた歩行のほうが筋力増強や関節拘縮予防になります。散歩を進めるコツとして、「疲れていても天候が悪くても会社には通勤しますよね。散歩は、『健康を保つための会社』に通勤することだと思って、出かけてみましょう」と誘ってみてはどうでしょうか。


8.日々の動きがリハビリだ

筋力訓練だけがリハビリと考えないで、トイレに行くや洗濯物をたたむといった日常生活動作のすべてがリハビリです。トイレの回数が多いときは「訓練の機会が増えた」と考えれば、面倒ではなくなるでしょう。


9.残った力をフル稼働

できないことを嘆くのではなく、できることを評価してそれを伸ばしていくことがリハビリの最も基本的なことです、。疾病や障害の程度によって、さまざまな福祉用具を有効に使いましょう。



10.創意と工夫は頭のこやし

創意や工夫をすると、リハビリを楽しく前向きな気持ちで取り組めるようになります。人から言われたことだけをするのではなく、自分で考え行動するようにしましょう。









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