杉山ドクターのやさしい医学講座・もうすぐ講演会がアザレアで
6月27日(日)アザレア(静岡)において杉山孝博先生の医学講座の講演会が行なわれます。まだ席に余裕がございます。是非講演を聴いてみませんか?問い合わせはこちらまで→0545-63-3130 佐野三四子代表 お電話お待ちしています!
第3章 介護保険における特定疾患
(
認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師より)
13.慢性関節リウマチ
慢性関節リウマチとは、前進の関節、とくに四肢の関節に腫脹、疼痛、変形などを起こして、運動機障害をもたらす病気です。慢性関節リウマチ患者の約20%は自然に軽快し、約70%は関節症状が断続的に続くものの変形は軽度に始まり、約10%が治療しても関節の症状が激しく進行して身体の行動が不自由になります。
最初に現れる症状としては、朝のこわばり、関節の腫れや痛み、だるさ、発熱などです。朝起きたとき手指関節がこわばって動かしにくくなるのが朝のこわばりで、リウマチに特徴的な症状です。指を動かしているとこわばりが軽くなっていきます。こわばりに伴って関節の痛みが出てきます。動かしたときに出ていた痛みが進行すると、動かさなくても感じられるようになります。
関節も腫れてきて圧迫すると痛みが感じられます。37~38℃の発熱やだるさを伴うことがあります。感染症状もないのに発熱が続き、朝のこわばりや大きな関節の痛みなどの症状を伴えばこの病気を疑います。リウマチ反応・炎症反応などの血液検査や関節X線検査などにより診断を進めて、治療を開始すると劇的に改善することがあります。
関節の炎症が長く続くと、動きが悪くなり、変形が進み関節を曲げる筋肉が萎縮し筋力が低下し、ついには関節が硬くなって動かせなくなってしまいます。これを拘縮と呼びます。関節が破壊されて脱臼しひどい変形をきたすと、日常生活上にも困難をきたします。寝たきりのリウマチ患者は国内に2万人いると推定されていますが非常に深刻な問題です。
リウマチに対しては、非ステロイド消炎剤、ステロイド剤、免疫抑制剤などさまざまな薬物療法が行なわれています。関節の破壊が進まない早期に治療を開始することが大切です。
突然出現する脳卒中や交通事故と違って、慢性関節リウマチによる運動機能障害は徐々に進行します。軽快・増悪を繰り返しながら関節の動きが次第に悪くなっていくので、筋肉の萎縮を防止し、関節の運動範囲を確保することがリハビリテーションの第1の目標です。そのための関節をできるだけ動かすことです。
しかし、痛みがあると関節を動かさなくなりますから薬剤、湿布、温熱療法などで痛みを抑えたりプールなど利用して関節にかかる体重をし少なくして動きやすくすることが行なわれています。しかし、関節障害がさらに進行すると筋力回復訓練だけで改善が期待できなくなります。この場合歩行器、車椅子、スプーンなどの福祉機器をうまく利用して、日常生活の維持を努めることが積極的なリハビリテーションといえます。ケアマネージャーや医療職・介護職はさまざまな福祉機器を普段から知っておき、患者や家族に適切なアドバイスをすることが大切です。
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