レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック・パート2

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2010年10月25日 12:47

脳の地図と役割


脳の表面というのは、周囲をひだ状にたたまれた1~4mmの脳皮質に覆われています。その大脳皮質には、おおよそ140億個もの神経細胞が存在しているといわれています。(脳全体では1000億個)。大脳皮質は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けられます。表面積の40%を占める前頭葉は、思考や感情、性格、意欲、理性などの働きを担っているといわれています。また、側頭葉は、記憶、言語、判断、欲求、聴覚などを司っているとされます。喉頭葉は、視覚や色彩の認識に関わっています。





レビー小体型認知症は三大認知症の1つ


レビー小体型認知症は、日本で見つけられた病気で、英語ではdemenntia with lewy bodies(ディメンシア レビー ボディーズ)といい、略してDLBと呼ばれてます。レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症とともに“三大認知症”といわれ、アルツハイマー型認知症ついで多いとされています。現在、わが国のレビー小体型認知症の人は、総計で50万人いると推計されます。65歳以上の高齢者に多く見られますが、40~50歳代も少なくありません。また、アルツハイマー型認知症と比較して、男性に多い傾向があります。(男性2:女性1)


レビー小体型認知症の発見

レビー小体型認知症は、筆者(小坂憲司)の1976年以降の1連の研究報告によって国際的に知られるようになり、筆者が提唱した「レビー小体病」「ビ慢性レビー小体病}(小坂病ともよばれる)を基礎としている。なお、レビー小体は、1912年にドイツの病理学者フレデリック・レビーにより発見された。






レビー小体型認知症とは、レビー小体型認知症の脳では、「レビー小体」という特殊な円形物質(神経細胞の中にある封入体とよばれるもの)が、中枢神経系を中心に多数見られます。このレビー小体が大脳皮質に広範囲に出現すると、その結果、レビー小体型認知症なります。





レビー小体型認知症は、認知症の一種ですので、記憶障害や理解力、判断力の低下などをきたします。ただし、初期から中期にかけては、記憶障害はあまり目立たず、幻視や認知の変動、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害、抑うつ症状、自立神経症状、など特徴的な症状がさまざまに現れます。また、レビー小体型認知症は、薬に対する過敏性が高い(副作用がでやすい)ことも、特徴の1つです。その意味でアルツハイマー型認知症などとは異なる点が多くあります。







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