介護保険制度改定への五つの危惧・第4の危惧について
介護保険制度改定への五つの危惧 パート4
介護保険部会まとめにあたって意見表明 勝田登志子(認知症の人と家族の会)
第4の危惧 認知症ケアの質が向上しない
認知症のケアはコンピューターによる標準化ではマネジメントできない
国が2015年の介護は認知症ケアと宣言したが、“一般病棟入院時に本人対応のため家族に付き添いを要求する”“ショート利用中に家族に本人の対応を連絡する“”心ない言葉の暴力で傷つく本人や家族”などなど「認知症ケア」はいまだ確立されていない。認知症ケアの本質は、「個別」であり、単なる研修や、資格の問題ではない。認知症を正しく理解し、認知症の人と関係作りができ介護家族の置かれている状況に応じた適切な対応・支援ができる介護・看護・医療職が求められている。
在宅重視を言うならば、施設における認知症ケアはもちろんのこと、認知症ケアマネジメントがしっかりとできる介護支援専門員のあり方など本腰を入れた「認知症ケア」に取り組むべきである。また、介護人材が流動的で、定着しない現状ではとても質の向上までは届かない。安心して働き続けられない低賃金、人材確保が困難で人不足の現場では、認知症のその人らしさを見つめるケアは難しく認知症ケアの担保はされない。
<ホーム長のつぶやき>
認知症を理解し、本人の気持ちや思いに徹したケアの必要性を強く感じている。そのために2人3脚では、2回/月のスタッフ会議・勉強会を開催したり、朝のミーティング時要観察ポイントを短時間で伝えている。富士市では介護保険課主催の認知症の家族教室が5回シリーズで開催されており、認知症の人の理解に取り組んでいる。明日11/26日吉原まちづくりセンターにおいて私がセンター方式の活用についてお話させていただく予定です。使っていない事業所でも介護家族の自分たちから情報を提供し、本人の思いをシートでお伝えできれば、もっと介護施設の職員にもケアについて変化し、質の向上につながっていくと思う。
また、静岡県健康福祉部長寿政策課・介護予防班も年1回4回シリーズで介護家族教室に取り組んでおり昨年は西部、今年は東部地区の沼津で開催されている。12/15サンウェルにて開催の予定でファシリテーターとして参加します。また富士市の介護保険課主催の職員向けのセンター方式「基礎研修」も行われており、受講者の中からファシリテーターが生まれ多くの方々が認知症を理解するために取り組んでいかれることになる。
この不況の中で人材が1番必要とされる職業なのに人材が集まらない理由の1つに低賃金が上げられる。早急に原因を探求し、解決策を見出さないとこの状態ではいつまでも現状は変わらないし、良い人材が発掘できない。国の施策に期待したいのだが・・・・。これからも認知症ケアの質の向上に向けて努力していきたい!
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