レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート9

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2010年11月26日 12:32

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート9



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




幻視があらわれたときは・・・・・



最も大事で、かつ基本となることは、幻視というものが、本人にとっては決して幻とは思えないほどリアリティ(真実味)をもって、ありあり(いきいき)と見えるということです。ですから、介護者はまずそのことを十分に理解し、受け入れることです。「そこの子どもがいる」と言われれば、つい「そんなのはいない」等と返答したくなりますが、相手の世界にあわせていくことが大切です。





「何も見えませんよ」「そんなことはありえない」「錯覚に決まっている」などと強く否定したり、感情的に対応すると、本人の混乱や興奮が高じたり、幻視が益々増長させたり、妄想へ発展することもあります。抑うつ症状をひどくさせることもあります。特に怖がっていないようであれば、たとえば、「本当はいませんがあなたには見えるのだから仕方がないですね」「そういう病気だから見えるのは無理はないですよ」「確かにいるけど、悪さをしないから大丈夫」「おまじないをして帰って(消えて)もらいましょう」などと伝えるようにします。





怖がっていたり、興奮していたり、焦っていたりしている場合は、それがどんなものか十分に聞いてあげることです。時には、見えない相手に対して、介護者が立ち向かったり、追っ払ったり、やっつけたりするような演技も有効かもしれません。介護者が、そのようなものは存在しないと繰り返し説明することによって、本人のほうが幻視を認め(自分にしか見えないことが分かり)、安心感が得られることもあります。ただしこの場合も時間をかけて本人の訴えに十分に耳を貸すことが大切です。また、いったんその場所を離れ、別の部屋で話を聞くというのもいいかもしれません。





いずれにしてもはぐらかしたりごまかしたりすることは避けなければなりません。アルツハイマー型認知症の人の場合は記憶が不確かなため、「説得よりも納得」させることを意図して介護者が真実を伝えないのがふさわしい場合もありますが、レビー小体型認知症の人には適切とはいえません。





大抵の幻視は近づいたり、触ってみたりすると消えてしまいます。ですから「近づく」「触る」ことを本人に促すのも一つの手です。ただ本人は気味悪がって近寄ろうとしないことが多いため、「じゃー緒にそこへ行って触ってみましょう」と導き、「ほら、消えちゃうでしょう」安心させるのがよい方法です。「お客さんが来ている」「子どもが遊びに来ている」などという場合には、お茶やお菓子をもって行くというのもよいかもしれません。





なお、介護者は、どこで、どんなときに、どんな状況で、どんなものが見えたかなど幻視のパターンについて把握しておくとよいでしょう。脱水や風邪、腹痛、便秘などがあると幻視がより頻繁に現れるようになるなど、それが身体の不調などを知らせるサインになることもあります。






<ホーム長のつぶやき>



レビー小体型認知症の幻視について理解できました。私たちが幻視に関して、より理解することにとって本人の混乱を少なくし、安心感を対応方法で与えることができます。幻視に左右され興奮されているときは、中々本人とのコミュニケーションを図りずらい物ですが、そして演技をすることは難しいかもしれませんが、幻視が見え始めた段階や精神運動興奮が落ち着いてきたら、幻視に対しての本人の思いや幻視に対して、リアリティーに話してくれるかもしれません。






病院勤務の時代私は幻視体験されているレビー小体だと思われる患者さんに対して、「私が守ってあげるから、大丈夫。そこに出てきている人をやつけてあげるよ」とよく話しました。しかし、幻視体験の恐怖感から抜けだせないでいる患者さんをみるのが気の毒でした。その方は耳が遠く普通のコミュニケーションが図りずらい方でした。ありありと彼女の目に映っているものが身体全体から感じ取られ、抱きしめて恐怖感から守ったこともありました。







午後から夕方にかけて現れることが多かったです。エスカレートするときは手も出ることがあり、髪の毛を振り乱しながら興奮します。親身になってあなたを守ると言う表現をジェスチャーを交えて話してあげると、安心されたように握手を求めてきました。その方は元看護師さんでした。高齢になって発症されました。人の面倒身が良いと近所でも評判の方でした。今、懐かしくそのときの様子がありありと目に浮かんできました。我々スタッフはその幻視に振り回されることなく、冷静にとらえ、対処してあげる努力をしたいものです。













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