レビー小体型認知症の介護分かるガイドブック パート11
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート11
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
パーキンソン症状
歩行などに障害が現れる
パーキンソン症状があらわれる
レビー小体型認知症では、パーキンソン病特有のパーキンソン症状(動作緩慢、無表情、筋肉のこわばり、小股歩行など)があらわれるのが特徴です。パーキンソン症状は、初期に現れる場合と、遅れて出てくる場合の二つがあります。前者は「純粋方」に、後者は「通常型」に多くみられます。
「純粋型」では、パーキンソン症状が初期にあらわれ、その後幻視や認知障害などが加わってくることが多く、「認知症を伴うパーキンソン病」(PDD)ともいわれます。最初は認知障害が目立たないため、レビー小体型認知症ではなく、パーキンソン病と診断されるのが普通です。一方「通常型」は、パーキンソン症状があまり目立たずアルツハイマー型認知症やうつ病、老人性精神病とまちがわれる場合があります。
パーキンソン症状とは
パーキンソン症状は、中脳にある黒質などが障害され、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやアドレナリン・ノルアドレナリンが不足することによって起こります。ドーパミンの量が正常が20%以下になると、パーキンソン症状が現れるといわれています。
パーキンソン症状の主なものは、動きが遅くなる、筋肉・関節が固くなる、すり足、小股歩行・すくみ足になる、転倒しやすくなるなどです。「金固縮」(きんこしゅく)といわれる筋肉が、固くなる症状は、ガタガタ歯車のように感じるため、歯車様固縮と呼ばれることがあります。また、姿勢を保ったり、立て直したりする反射機能が低下するため(これを「姿勢反射障害」といいます)、ちょっとした接触によって転倒しやすくなります。その他、1日の間で身体の動き・調子が悪くなったりよくなったりするのも特徴です(これを「オンオフ現象」といいます)。
なお、レビー小体型認知症の場合、パーキンソン病の代表的な症状である振戦(手のふるえ)がわりと少ない傾向があります。パーキンソン症状に関して介護者が苦労を感じることの症状の1つに、動作が緩慢になることがあげられます。身体を動かそうにも、本人の抵抗が強く、時間がかかります。介護者は、どうしても力任せになりがちで、腰痛などの原因ともなります。
パーキンソン症状の特徴
●表情が乏しい。まばたききが少ない。声が小さい。誤嚥しやすい。
●動作が遅い。前かがみになる。寝返りができない。
●筋肉関節が固くなる
●すり足で小股で歩く。すくみ足になる。歩き出すと止まらない。転びやすい。
パーキンソン症状の程度
[ヤールの重症度分類]
Ⅰ度 軽い
身体の片側のみに症状がある ↓
症状はとても軽い
↓
Ⅱ度 ↓↓
身体の両側に症状がある
姿勢を保つことができる
↓
Ⅲ度 ↓↓↓
姿勢を保つことができない
1人での生活が可能
↓
Ⅳ度 ↓↓↓↓
起立・歩行はどうにかできる
1人での生活は難しい
↓
Ⅴ度 ↓↓↓↓↓
1人で起立・歩行ができない
日常生活に全面的な介助が必要 重い
<ホーム長のつぶやき>
パーキンソン症状の出方・症状など詳細をメモにとっておくことが診断の手がかりとなります。些細の事でもすぐにメモを取る習慣が大切です。介護保険の介護調査にも役に立ちます。センター方式のシートをお勧めします。記入できるところから書き込んでおきいざ介護保険や、病院受診時に利用しましょう。筋肉が固くなると動作が緩慢となり、転倒につながることが一番怖いです。筋肉がガタガタと歯車のように感じることやそのつらさを我々介護者は理解しなければなりません。また、パーキンソン症状の人は小股で突進歩行で歩いてしまうのでヒヤヒヤしながら見守っています。
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