レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート16
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート16
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知の変動が起こると
レビー小体型認知症の場合、この認知能力が、1日の間で、あるいは1週間や1か月の間で激しく変動するのが特徴です。わかりやすくいえば、頭がはっきりしている状態とボートしている状態が入れ替わり起こります。これを「認知の変動」といいます。脳幹網様体(のうかんもうようたい)の障害が関係しているとされています。
レビー小体方認知症は、アルツハイマー型認知症に比べて、初期には物忘れなどの認知障害はあまりり目立ちません。したがって、頭の回転がよく、物事をよく理解したり判断したりできます。けれども、この認知の変動が起こると、頭の働きが悪くなり、記憶力や理解力、判断力などが極端に低下し、ボートした状態になります。
こうした状態のときに「長谷川式スケールや」や「MMSE」のような知能検査をした場合、明らかに点数が下がることになります。また、「要介護認定」における訪問調査(聞きとり)などにも影響があります。認知能力の低下は、周囲の目に明らかなときがありとともに、認知レベルが回復した際に、本人が、「今まで自分はいったい何をやってたんだろう」と気づいたりすることもあります。
一方で、周囲のものが注視していないと気づかないことも多く、医師に尋ねられて「そういえば、いいときと悪いときの差があります」などと答える家族も少なくありません。また、特定の認知能力に低下が見られることもあります。極端に言葉が出てこなかったり、いつもできていた着替えや歯磨きなどができなくなったりといった例です。なお、レビー小体型認知症は、視覚を司る後頭葉が障害されやすいため、視覚に関わる認知能力が低下することが多々あります。
たとえば、見まちい(誤認)や変形視が生じて、相手や場所が分からなくなるなどです。あるいは、物体との距離がつかめず、道具をうまく使えないといったこともあります。なお、レビー小体型認知症の人は、前夜に十分な睡眠をとっているにも関わらず、常にうとうとしていたり日中に2時間以上眠ったりすることがあります。食事中あるいは病院での診察中などにみられることも少なくありません。
脳幹網様体
脳幹の中にある網の目状のもので、呼吸や心拍、血圧などを調整する機能をもつ。視床を解して、覚醒と睡眠にも深く関わっている。
長谷川式認知症スケール
わが国で広く用いられている認知症の評価検査。「今日は何年、何月、何日、何曜日ですか?」「五つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください」などの9つの設問が用意され、主に短期記憶(新しい出来事の記憶)の障害を見つけやすい。30点満点で、20点以下だと認知症の疑いがあるとされる。
<ホーム長のつぶやき>
認知の変動について分かりやすく説明されており、この変動で家族は大変混乱し介護に疲弊されます。長谷川式認知症スケールは教えてホーム長に載せてあります。ここをクリックすると長谷川式認知症スケールを詳しく見ることができます。
↓
長谷川式認知症スケールパート1
長谷川式認知症スケールパート2
にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい
にほんブログ
関連記事