知っていますか?レビー小体型認知症 診断、治療、介護

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2011年01月18日 16:08

知っていますか?
レビー小体型認知症パート5





今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ366号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が連載で掲載中です。いま、ガイドブックで通して学んでいますので、より理解することができるのではないでしょうか。




レビー小体型認知症の治療について



今までレビー小体型認知症(DLB)の特徴、症状、診断基準について述べてきたが、今回は治療と介護について簡単に紹介することにする。治療には、認知症の治療と認知症と関連して起こる行動・精神症状(BPSD)の治療があり、それぞれの薬物療法と非薬物療法がある。




認知症の薬物療法としては、DLBに特意的な、薬物療法はない。アルツハイマー型認知症の治療薬であるドネベジル(アリセプト)は実はDLBに最も効果があることがわかっている。それは脳内のアセチルコリン濃度がDLBではより減少しているために、その濃度を高めるコリンエステラーゼ阻害薬であるドネベジルがより効果を示すからである。わが国でも近いうちに、発売される予定のガランタミンやリバスチグミンも同じような効果がある。





しかし、これらは認知症の進行を遅らせる、という効果が期待できないので、根治的な治療が必要であるが、DLBに関しては根治的治療薬の開発は、アルツハイマー型認知症の場合よりも遅れており、これからの研究が期待されている。認知症についての非薬物療法はアルツハイマー型認知症の場合と変わりはないのでここでは省略するが、DLBではアルツハイマー型認知症より特に早い時期には認知症、特に記憶障害が軽いので、早期からの働きかけが大切である。





DLBではBPSDが認知症の目立たないうちに出てくることが多く、しかも症状が多彩であるため、介護が大変である。したがって、このBPSDへの治療が優先される。幻視や妄想を中心とするBPSDにはやはりドネベジルが効果的である事が少なくない。それが効果のないときには漢方薬の抑肝散が使用される。こららは副作用が少なくて、、効果が期待されるので、まず使用されるのがよい。





それでも効果がない場合には、非定型抗精神薬を使用せざるを得ないが、この使用は専門的知識が必要なので、専門医以外は使用するべきではないと筆者は主張している。重要なことは、DLBでは抗精神約に限らずこれらの薬剤には過敏性を示すことが少なくないので、少量から徐々に増量していかなければならない。また、子tれらの薬剤はDLBには保険適応外であるので、医師は家族に十分説明したうえで同意を得てからしようしなければならないので、注意が必要である。





BPSDの非薬物療法(介護については後述)については普通に行われているものに変わりがないので、省略する。もう1つ重要なのは、DLBではパーキンソン症状と自立神経症状への治療である。前者はパーキンソン病の治療と同じであり、後者には症状に応じた治療が必要であるが、紙数の関係でここでは省略する。







●DLBの介護について




DLBでは最も介護が大変な認知症といってもよい。介護の基本は、患者中心の介護(パーソンセンタードケア)とその人の病気に合わせた介護である。特に、後者については、DLBについての理解がないとうまく介護ができないのはいうまでもない。DLBの介護で特に注意しないといけないことは、特に初期には記憶障害がアルツハイマー型認知症より軽いことである。





したがって、よく覚えているので場あたり的な対応や一時的なごまかしが効かないことである。例えば、幻視があると、「何も見えないよ。だから気にしないで」と家族は一方的に否定してしまうことが多いが、本人には見えているのだから「見えない」といっても仕方がない。まず、話をよく聞いて、「悪いことはしないから大丈夫よ。わたしがいるから、悪いことするようなら私が守ってあげるから」と言ったりして、支持的に、そしてできるだけ納得できるように、接することが大切です。





DLBでは幻視に関連して妄想が発生することが多いので、幻視や錯視(例えば人形が飾ってあると、それを人がいると見間違える)が出たら早期の治療が必要である。すなわち室内の置物や飾りを取り除くとか、電気を明るくする(暗いと見間違いが多い)とかの工夫も必要でしょう。最近、「レビー小体型認知症家族を支える会」から出版した「レビ小体型認知症の介護が分かるガイドブック」(小坂憲治・波田野政治著・メディカ出版)に介護の方法が詳しく記載されているので、参考にしていただくとよいと思う。
                                          ―つづく―







<ホーム長のつぶやき>




いま、レビー小体型認知症のガイドブックをよくブログにアップしていますので、よくブログを見ていただいている方にとってはとっても分かりやすい記事だと思います。パーソンセンタードは本人の尊厳を保ちながら介護する方法です。寄り添う介護によって本人の苦しみ、不安を理解しようと関わります。また、小阪先生が述べているように抗精神薬の使い方はとっても難しく副作用に悩む認知症の方が多くいます。特に高齢者は後になって薬が効いてくるため、蓄積されやすいため、注意深く観察してほしいです。ふらつきなどから転倒の危険も出てきます。






  






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