レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート24
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート24
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
気をつけたい起立性低血圧
レビー小体型の人には、血圧のバランスが悪かったり、貧脈であったり、動悸が激しかったりする傾向があります。これらはみな自律神経症状によるものです。血圧の異常が筆頭として上げられるものが起立性低血圧です。起立性低血圧とは、起き上がったり立ち上がったりした際に急激な血圧低下をきたす症状です。(いわゆる「立ちくらみ」がこれに含まれます)。
原因は、立ち上がる(起き上がる)際、血圧維持のために、機能するはずの交感神経がうまく働かないことや、心臓から送りだされる血液の量が少なくなるためです。高齢者の場合、足の脚力が低下していて、心臓に戻る血流のはたらきが弱まっていることもその一因とされます。
また、降圧剤や血管拡張剤、利尿剤、抗パーキンソン病薬の服用も、起立性低血圧を引き起こすと考えられます。起立性低血圧は、具体的数値でいうと、立ち上がった、(起き上がった)ときに、最低血圧が20mmHg以上低くなる状態を指します。普段から低血圧の人だけに起こるというものでもありません。
起立性低血圧が起こったときは
起立性低血圧は、しばしば転倒や失神を起こす危険性があります。とりわけ、高齢者の場合には反射機能が低下しているため、注意が必要です。したがって、起き上がる際は、体の向きを変えながら、ゆっくりと時間をかけて動くことが大切です。また、立ち上がった際は、その場で足の上げ下げや足踏みを行なうのも効果的です。
なお、失神は食後に起こる場合も少なくありません。消化に伴って、血液が胃腸などに集まり、、脳への血流が減るためです。、そのため食後は急に立ち上がらず、安静にすることが必要です。また、排泄の際に力むことで血圧低下をもたらすこともあるため、注意が必要です。
失神が起きた場合には、速やかに救急車や医療職を呼ぶ必要がありますが、その際には、JCSスケールなどの指標をもとに、意識の程度を伝えることが大切です。
JKSとは Japan Coma Scale の略です。
覚醒の程度は9段階。Ⅰは1桁、Ⅱは2桁、Ⅲは3桁の数値であらわす。
Ⅰ 1 ほぼ意識鮮明だが、今ひとつはっきりしない
覚醒している 2 見当識障害がある
3 自分の名前や生年月日が言えない
Ⅱ 10 普通の呼びかけで目を開ける
刺激を与えると 20 大声で叫ぶ、体を揺すると目を開ける
覚醒する 30 痛み刺激を与えながら呼ぶと、かろうじて目を開ける
Ⅲ 100 痛み刺激に対して、払いのけるような動作をする
刺激を与えても 200 痛み刺激に対し、少し手足を動かしたり、顔をしかめたりする
覚醒しない 300 痛み刺激に反応しない
<ホーム長のつぶやき>
起立性低血圧で倒れる理由が勉強になりました。根拠に基づく理由を知り、食後すぐに歯磨きに誘導をしていましたが、しばらくお茶でも飲んでゆっくりしてから口腔ケアへ誘導することにします。よく噛み食事を摂っていると、消化に伴って血液が胃腸に集まり、脳の血流が特に高齢者は減ってくるのですね。私も気をつけなければ・・・。食後は急に立ち上がらず、右を下にして臥床するのも胃の働きを助けるそうです。胃から十二指腸への消化の運動を助けます。よく子どもの頃「食後すぐに横になると牛になるよ、行儀が悪い」と怒られたものですが、高齢者は逆の発想を抱いた方が良さそうです。
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