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2011年07月18日

Q&A認知症の夫は一日に30回以上もトイレ通いをしますが

Q 80 認知症の夫は一日に30回以上トイレ通いします。特に夜間は家族も寝不足になってしまいます。トイレに行ってもたっぷりと出ないときがあります。また、汚れた下着を時々隠すようになって来ました。悩んでいます。対処方法を教えてください。




A:薬の副作用で尿量が増えたりするときがあります。また、日中あまりトイレへ行かず尿の色が薄い場合、毒素を排泄させるため夜間、尿量が増えてきます。おしっこは腎臓で作られます。他の病気があると、昼間はそちらの方(患っている臓器)に血液が回ります。昼間腎臓が働いていなければ夜間働き、夜間尿量が多く排泄されるようになります。また男性は前立腺肥大症に罹患しやすく尿道を栗のみ大の前立腺が左右から圧迫するため、尿意があっても尿の出が細く残尿感が残り何回もトイレ通いします。膀胱炎になってしまったときも尿意が頻回になります。痛みを訴えることができない方もおります。泌尿器科の医師にご相談ください。




認知症の人は病気の進行に伴って、排泄を失敗することが増えてきます。病気が軽いときは時々下着を汚す程度ですが、そのうち尿意があってもトイレの場所を探しているうちに間に合わなくなって部屋のゴミ箱などトイレ以外のところを汚すようになってきます。さらに進行すると排泄自体分からなくなり、常にオムツが必要な状態になります。





そうならないために2人3脚では利用者様一人ひとりにあった排泄指導をしています。オムツも拘束というとらえ方で関わっています。自分から尿意があっても場所が分からず不穏になられる方。シグナルさえつかんでいれば尿意で不安にさせることはありません。床に放尿された方、こちらが気がつかず我慢できなかったのです。心からシグナルをキャッチできなかったことを謝罪する姿勢が大切です。一生懸命、できない部分だけさりげなくフォロー(尊厳を守りながら)していくと良いコミュニケーションが取れるようになり、信頼関係が生まれます。







汚れた下着をタンスなどに隠したり、紙パンツを洗濯したりする方がいます。恥ずかしい、失敗を知られたくないという気持ちが本能的に働くのです。けして叱ったりさせず、くさい臭いの原因を本人のいないとき探してみましょう。自室のポータブルトイレの排便をわざわざ紙にくるんでゴミ箱に捨てる方もおられます。感染にだけ注意しましょう。目くじら立ててその行為を叱っても本人は理解できません。嫌な介護者のイメージしか残りませんので注意しましょう。ゴミ箱に器用に、床も汚さず排尿される方もいます。ゴミ箱内の袋の排泄物をトイレに流し、きれいに感染対策に則り処理しましょう。(水1㍑ーに対してキャップ1杯のハイターを噴霧し毎日作り換える)むしろ床に放尿されるより、オシッコで滑って骨折される方が怖いのです。ただしその前にシグナルが必ずあるはずです。「そろそろトイレに誘導する時間かな」と思いながら、個人個人の排泄パターンを把握しておきましょう。















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2011年07月02日

Q&Aパートナーとより良い介護を行なうためにはどうしたら?

Q 79 自分たちにあった介護パートナーを見つけるポイントを教えて下さい。また、パートナーとより良い介護を行なうためにはどうしたらいいでしょうか。




A:多くの職種やスタッフが関わる介護ではお互いに伝える努力が必要です。家族が「おやっ」と思うことを率直に言い合える関係が理想です。家族から相談をなげかけられたら、その場だけの対応をしてしまうと良い関係が作れません。これらは認知症の本人に快適な日常生活をおくってほしいからです。疑問に思ったら勇気を出して後回しにせずに、小さなことでもよいので率直に話し合いをしましょう。また、ずっと通院しているのに医師から脳血管性の認知症なのかアルツハイマー型認知症なのか説明を受けていなかったり、受けた説明が難しくて分からないままにしている、といった家族もいます。「おやっ」「なんだか・・・」という気持ちが解消されなければ医師や医療機関を変えてみてはいかがでしょうか。







率直に希望や都合を伝え、話し合う努力をしましょう。受けた説明がよく分からなければ、分からないと伝えましょう。説明を受けてしばらくたってから、「あのことはどうだろう?」と思うことはたくさんあります。そのときは次の機会や待てなければ問い合わせてもいいでしょう。また、サービス利用に際しては自分達の希望や都合をきちんと伝えましょう。介護はさまざまな職種の人たちに介護のパートナーとしてお世話になります。よりよい介護を行なうためには是非話し合う機会を多くもって下さい。







認知症の人と家族の会の会員さんからのコメントでは、妻が特養に入所している今は、介護の主なパートナーは介護スタッフの方々です。「車椅子に乗せるので手伝ってくださ~い!」と、協力をお願いしています。そのほかにも私がいないときでも車椅子に乗せてほしい。妻のそばを通りかかったら声を掛けてください、とお願いしています。家族の中には「世話をしてもらっているのだから、そんなこと言えない」という人がいます。しかし、一番大切なことは、本人が日々快適に、楽しく暮らせることです。そのために家族もスタッフも協力し合って介護していくべきだと思います。と、その通りだと思います。疑問に思ったり、嫌な思いをされたら、話し合いましょう。それが本人中心のケア、パーソンセンタードケアの原点なのです。














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2011年06月28日

Q&A母の物忘れについつい小言を・これって悪影響ですか?

Q 78 母は80歳。最近物忘れが目立ってきて、自分の物忘れについても不安に思っているようです。できなくなったことや、何回も同じことを聞いてくるので、「さっき聞いたばかりよ」「ちがうでしょ」「何で分からないの」と、ついかっとなって大声をだしてしまいます。本人にとって悪影響だと分っているのですが、つい口癖のように母に言ってしまいます。また、兄のお嫁さんはあまり気にならないようです。もっと母の世話をやいて欲しいのですが・・・。





A:あなたが不安になる気持ちはよく分かります。しかし、一番苦しんでいるのはお母さんです。何度も聞いてくるのは、忘れることによって迷惑をかけたくないため、娘さんを頼りにしているからこそ何度も聞いてくるのです。お母様のひとつひとつの行動に目をむけていると、ちぐはぐな言動が気になるかもしれませんが、それは認知症という病気かもしれません。気になるようでしたら一緒に病院に行くなどして検査してもらいましょう。早期発見、早期治療(サロンや老人会、デイサービス等利用)が本人にとって最も大切なことです。きっと義姉さんも気にしていることでしょう。良い関係を維持するためにも、本人になりかわって真剣に対策を考えてみましょう。






お母様の身になって考えてみましょう。あまり小言をいうと娘さんを嫌いになり病院に行くことさえ拒むようになってきます。日々の何でもない行動に目を見張り、いちいち口を出され、あれこれ指示を出されると、心のゆとりがなくなり余計不安で一杯になり緊張感がエスカレートしてきます。あまり小言ばかり言うと義姉さんにとっても、嫌な感情が残ってしまい、自分が攻められている気持ちになってしまうかもしれません。むしろ義姉さんをねぎらう言葉を掛けましょう。「最近同じことを何回も言うようになって、義姉さんも大変ですね。いま、不安ながらも落ち着いて生活できているのも義姉さんのおかげです。感謝しています」等と、ねぎらいの言葉を掛けることによって良い関係ができてきます。






今のお母様の最も良い対応方法は心の安定が保たれるように関わることが最も大切です。寄り添うケアです。認知症という病気を理解しながら関わっていると、多少日常生活にちぐはぐが出ても、できているそのことを褒められるようになってきます。悪化した状態を想像して不安にさせるのではなく、本人の言葉や表情から、いかにして穏かに不安なく過ごさせてあげれるかを考えてあげましょう。24時間一緒に生活しているのは義姉です。少しでも休息を取れる配慮が必要です。自由な時間をとっていただけるよう娘さんも取り組んでみてはいかがでしょうか。















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2011年06月01日

Q&A認知症の診断基準って何ですか?

Q 77 認知症と診断されるためには、どのような基準で医師は診断するのですか、「物忘れ」とはどう違うのですか




A:認知症の本・三宅貴夫医師によると認知症の診断基準には、世界保健機構(WHO)によるものとアメリカ精神医学会の「精神障害の診断基準」(DSM-Ⅳ)によるものがあります。日本では後者が広く使われ、a.物忘れがあるb.失行、失認、失語、実行機能障害のいずれかがあるc.aとbのために生活に支障をきたすd.aとbの原因として脳の病気があるか、あると推測できるe.意識ははっきりしている。aからeの基準を全て満たす状態を認知症としています。





基本的症状である「物忘れは」は健康なお年寄りにもよく見られますが、それと認知症の大きな違いは、失行、失認、失語、実行機能障害のどれかがあるということだそうです。聞きなれない言葉ですね。失行や失認、失語、実行機能障害について学んでみましょう。





失行:手足の運動や感覚に麻痺がないのに、目的にかなった行動ができにくい状態を言います。例えば、普段から使っていたハサミが使えなくなったり、衣類を前後反対に着たりします。


失認:目の前にあるものが何のためのものであるか認識できにくい状態です。そのためノートを冷蔵庫に入れたり、花を食べてしまったりします。


失語:言葉が出にくい、理解しにくい、または両方の状態です。固有名詞が出てこない、話せても相手の言っていることが理解できない、などが起こります。


実行機能障害:計画、段取り、対策が取れなくなることです。軽度の認知症など認知症のほとんどの人に現れ、料理を作ろうと思っても段取りよく作れなかったり、出かけて道に迷ったときに周辺の様子を判断したり、記憶を頼りに目的地に着くことができなかったりします。






健康なお年寄りは、物忘れがあっても自分なりに状況判断や注意ができ、一人で生活することが可能ですが、認知症になるとそれが難しくなり、徐々に症状が進行することが多くあります。













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2011年05月28日

Q&A物忘れ外来に受診するのに準備しておくものは何ですか

Q76 義母が近頃物忘れが進み、また、物がなくなったと言い、嫁の私が盗ったと疑いをかけるようになってきました。物忘れ外来などに受診しようと思うのですが、準備しておくものを教えてください。




A:私はよく認知症の人と家族の会のコールセンターでこのような質問を受けたとき、こう答えるようにしています。「メモがとっても役立ちます。できれば本人のプライドを傷つけないように事前に今までの経緯をメモに書きとってください。そしてそのメモを事前に渡してください。認知症と家族気づき始めたころ、本人が忘れっぽくなって困ったと言ったときは、家族が困っていること、日常生活に支障が出ていることを過去をさかのぼってできるだけ思い出し詳細に記入してください。そして、そのメモは介護保険の調査のときも役に立ちます」と、伝えています。





【受診に際して準備しておくとよいもの】


飲み物やメモ用紙を準備しておきましょう。
受診では通常の準備に加え心理テストを受けることによる本人の大変さも考慮しましょう。


・お薬手帳

・かかりりつけ医からの紹介状

・本人が普段使っているめがね、補聴器

・飲み物(待ち時間が長いとき)

・本人の状態の変化や生活状況を書いたメモ

・メモ用紙と筆記用具





【時系列で経過を記入したメモは診察に役立ちます】



どんな医師でも診察の限られた時間にその患者さんの全てを知ることはできません。そのためそれまでの経過を記録したメモがありますと大変診察に役立ちます。診察前にそのメモを外来看護師や受付に渡し、診察の前に医師に渡しておけば、その人の状態に合わして、言葉掛けや質問ができます。患者さんにも負担が少なく、スムーズな診察ができます。














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2011年05月17日

Q&A認知症だと思うのですがどこに受診したらいいですか

Q 76 家族が認知症だと思うのですが何科を受診したらいいですか?




A:まず「物忘れ外来」が近くにあるか探して見ましょう。現在、認知症の診断・治療は神経内科、老年科、精神科、脳神経外科が対応しています。




【神経内科】

●診療内容     
脳から手足に至る全身の神経と筋肉の内科診療

●特徴と傾向
アルツハイマー病や能血管障害の診療を日常的に行なっているほか、他の認知症の原因疾患についても診察しています。多くの病院にあるため、受診しやすい診療かです。





【老年科・老年病科】

●診療内容
高齢者の特徴を踏まえた、脳及び高血圧症や糖尿病などの内科診療。

●特徴と傾向
認知症は高齢者に多いため、認知症に詳しい老年科医が多数そろっています。余り社会に知られていなく、設置が大学病院に偏っています。





【精神科】

●診療内容
認知症だけでなく、うつ、幻覚妄想など精神面の全面を診療

●特徴と傾向
認知症の人々の心理面に理解があり、介護の方法の助言もします。また、介護家族の精神面についても、精通しています。精神科病院のほか、かかりやすい精神科診療所が増えています。





【脳神経外科】

●診療内容
脳腫瘍、脳血管障害、外傷などによる脳の病気を外科的に診療

●特徴と傾向
認知症の原因疾患である正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など゙の診療を行なうことから認知症を診る医師もいます。






以上の診療科のほか、最近では「物忘れ外来」や「メモリー外来」という記憶障害を症状にした人を対象に診療する専門外来ができてきました。ここでは認知症ではないことの判断も含めて、認知症の診療と治療を行ないます。施設によって神経内科や老年科など゙に属した、専門外来となっているところや、独立した専門外来として認知症の治療に詳しい医師たちが連携して診療しているところなどがあります。認知症の病院選択としてここをお勧めします。





また、2008年度から始まった国の認知症対策事業の一環として、認知症疾患医療センターというものができつつあります。認知症の中核医療施設として、ある従来の老人性認知症センターよりも機能をさらに明確にして、認知症の相談を受けたり、開業医らと連携して認知症の早期発見と治療を行なっています。今後さらに整備が進んでいくはずですが、住んでいる地域にこうした施設がある場合は、こちらを利用してもいいでしょう。



                        三宅貴夫 老年科医  認知症の本より(岩波書店)
                
                               公益法人認知症の人と家族の会顧問  
                               社団法人京都保健会盛林診療所所長














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2011年05月16日

Q&A認知症の人とのコミュニケーションがうまくいきませんが

Q 75 ヘルパーになって働き始めましたが認知症の人とのコミュニケションがうまくできません。急に怒りだしたりするので、どのように接していいかわからなくなるときがあります。コミュニケーションのとり方を教えてください。




A:認知症の方とのコミュニケーションのポイントは、“優しい心地よい場”でその人らしさが発揮されます。認知症の方は感情面がとっても豊かです。分からなくなったりできなくなったことで不安が一杯です。そういう気持ちを理解したり認知症という病気を理解するように努めるとコミュニケーションがうまくできるようになってきます。





コミュニケーションがうまく取れると、あたたかく、希望に満ちた気持ちになります。うまく取れなければ、とげとげしい嫌な気分になります。失敗を責められたり、叱られたり、乱暴な言葉や態度を投げかけられると、脳がそれらの恐怖から自分を守ろうとします。そのために攻撃的になったり、拒否的になったりして、コミュニケーションがうまく取れなくなってしまいます。





ですから、優しく肯定的にコミュニケーションをとる必要があります。同じことを何回も聞いてきても初めて聞いたように対応しましょう。根気が必要ですし 時には演技力も必要です。そこから生まれる場の雰囲気によって、認知症の人はいきいきと失敗を恐れず活動することができるのです。できなくなったことをさり気なくできるように支援したり、分からなくなったことをそのまま放置せず分かるように工夫をしたり納得がいくように話をしていきましょう。





コミュニケーションのポイント



1.選択肢を用いて質問しましょう。
「どんな食べ物が好きですか?」より「魚と肉のどちらがお好きですか?」


2.介護者の感情を率直に表現しましょう。ほめ言葉を多く使いましょう。
「その服とってもお似合いですね」「お手伝いしていただいて有難う。とっても助かりました」


3。何か行動に移すときはまずはお手本を示してから、会話しましょう。
こちらに腰掛けてと言いながら座ってみせます。


4.常に笑顔で表情豊かに会話しましょう。


5.短い言葉でゆっくりと、くどいと理解ができません。頼みごとは一つずつ


6.2つの動作を同時にやることができません。
みそ汁の具を包丁でカットしながら、だし汁をとる。


7.話をしていることが理解できないようでしたら、別な表現を使って見ましょう。


8.大声を出す人が苦手です。席を移動していただいたり、別の場所へ誘い共に興味を引くものをやったり、感情の高ぶりを鎮めましょう。


9.ざわざわしていることが苦手な人もいます。言われていることが騒がしさのため聞こえづらく不安が一層募ります。


10.プライドやプライバシーは守りましょう。


11.本人の前で、失敗や愚痴を第三者に言わないようにしましょう。


12.本人と視線を合わせてゆっくりと喋りましょう。重度の認知症の方はタッチすることで安心します。


13.本人より前に介護者が挨拶や質問に答えないようにしましょう。じっくり待つことも大切です。


14.言葉で表現できない場合はシグナルを早めにキャッチし、声を掛けましょう。




Q 58 認知症の人とのコミュニケーションどうとったらいいですか?過去記事も参照してください!












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2011年02月14日

Q&A高齢者の感染症について注意する点を教えて

Q 74 高齢の両親と3人暮らしの60代の男性です。高齢者の感染症について学びたいと思います。注意する点について教えてください。


A:一般的に、基礎疾患がなく、食欲もあり栄養状態が良い高齢者は、年齢と共に病原体に対する免疫力が低下してきます。風邪など引いても症状が出ない場合があります。いつもとなんとなく違った言動が見られた場合は要注意です。健康な人なら問題にならないような咳や鼻水、頭痛なども要注意です。このような感染症状ではなく、食欲不振、意欲低下、脱水症状、、せん妄症状などが表れることがあります。注意深く観察してください。






注意を要す感染を起こす部位として、口腔、扁桃腺、気管支、肺、腹膜、腎臓、膀胱、尿道、皮膚、筋肉など全身に見られます。この中でよく見られるのは気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症と膀胱炎や尿道炎等の尿路感染症です。





肺炎は、元気な若年者では何の問題もない弱毒菌といわれ、皮膚、口腔、咽頭、大腸などに常在している菌を高齢者が誤嚥することによって起こることがあります。誤嚥による感染を予防するためには過去記事を参照してください。





知らないと怖い口の中の汚れパート6
知らないと怖い口の中の汚れパート5

                  ↑
         ここをクリックすると見れます。


また、高齢者の尿路感染症は発熱や痛み、残尿感の訴え、発熱などの典型的な症状が乏しいことがあります。排尿回数が増えたり、また非尿時の表情が曇っていたりするときは、要注意です。わずかな変化も逃さず見ていきましょう。














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2011年01月08日

Q&Aアルツハイマー病で入院公費負担制度を利用できますか

Q 73  アルツハイマー型認知症の夫のBは64歳です。通院中は通院医療費公費負担制度を利用していましたが、最近、話がまとまらなくなり、時々徘徊も出てきたため、入院しました。入院時に使える公費負担制度はありますか?




A:ソーシャルワーカー長竹氏コメントより。64歳のBさんは入院して1ヶ月目。1年前まで妻と従業員2名で印刷の仕事をしていましたが、物忘れがひどくなり会社を整理。あるクリニックを受診し、クリニックでは、通院時医療費自己負担を軽減し通院医療を支える「通院医療費公費負担」の制度を利用していたので、入院時も利用できる公費負担制度はありませんかとというものでした。入院時の公費負担制度はない。しかし、経済的問題全般について社会資源概略の情報は提供ができます。それらは以下のことです。




1.高額療養費の返還制度
2.65歳以上の方を対象とした自治体独自の公費負担医療
3.65歳以上で重度身体障害者手帳保持者・障害手帳保持者や寝たきり状態になった場合などに適応される老人保健法に基づく老人医療制度
4.所得保障としての障害基礎年金、各種手当
5.生命保険にある高度障害を対象とした障害寄付金






これらのうち医療保険意外の年金保証。医療保険としての生命保険。各自治体による各種手当制度は障害の程度との関連を問われることが多いものです。障害程度は精神保健福祉法による障害者手帳制度に等級表を揚げていますが、基本的に「日常生活において支障をきたす」程度とはいかなる状態なのかが問われます。





妻によれば「食事ひとつをとってもその準備から配膳、後片付けのすべてを、妻が傍らで一緒に見ていなければならない」状態でした。国立精神・神経センター武蔵野病院ソーシャルワーカー長竹教夫氏は①単に「物理的」に食べることができるという基準で「食事が取れる」と判断されるものではない。仮にBさんが 単身アパートで生活したことを想像し、食事が食べることがどうかという「社会的な意味」で食事ができるかどうかを判断基準としている。





②このように各種診断書作成時にはBさん自身の社会生活能力をも反映して記載することが大切であるが、各種診断書作成要領にも詳細に記載されていないことが多い。したがって担当医から、渡された診断書に認知症の状態がより実際に即して表現できているかどうかを確認することも必要な場合もあります。








<ホーム長のつぶやき>


介護保険の主治医の意見書も上記の診断書のように詳細に診察していただいて記載してもらうことが大切です。きちんと見てくれる先生と、そうでない先生がいます。特に認知症の方の主治医の意見書は大きく加算に反映してきますので、詳細に観察し記載してもらいたいと思っています。診察を受けるのに一時間から二時間待ちの5分診療では十分な主治医の意見書は記載できるとは思えません。今、認知症の人と家族の会静岡県支部では若年性認知症の会を立ち上げようとしています。公費負担制度が最も必要な方々です。













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2010年10月11日

Q&A食事をしてくれません。どうしたら食べてくれますか?

Q 72 認知症の妻が食事をしてくれません。どうしたら食べてくれますか?


A:認知症の方も私たちと同様に身体的、精神的、環境的な原因から食欲が低下することがあります。認知症の人はその理由を話してくれませんので家族や我々職員は原因を推測する必要があります。





認知症の人も食欲がなくなることがあります。自分から食べたくないということもありますが、食欲がなくなったことを家族に伝えられず、食事量が少なく、好きなものさえ食べないといった変化に家族が気付いても、その理由が分からないことは少なくありません。その場いいなぜ食べないのか理由を推測しなければなりませんが、家族だけでは理由を見つけられないことも多く、医師の診察を受ける必要が出てくるかもしれません





認知症の人が食事をしない理由はさまざまです。


●身体的原因


義歯が合わない(入れ歯)。口内炎や歯周病で 口の中が痛い。お腹が張って吐き気があるまでもよおす頑固な便秘、身体がだるくなる発熱、の飲み込みが悪くなる食道や胃の癌。脳血管性認知症やアルツハイマー病などからくる嚥下障害(咀嚼や飲み込みが困難になる障害)服用している薬の副作用など。





●精神的原因


気持ちが落ち込んで食欲がなくなる打つ上体、漠然とした不安感、食べ物に毒が入っているといった妄想、十分に目が覚めていない軽い意識障害など。抗不安薬、抗うつ薬などを服用することで、改善が期待できるかもしれません。





●環境的原因


好みに合わない食事、身体を動かすことが少ない生活、騒がしかったり、不快なにおいがする居室、落ち着いて食べられない雰囲気など。心地よい匂いや音などに囲まれた環境で食事ができるようにし、落ち着いて食べられる雰囲気をつくります。いずれにしても、認知症の人が食べない理由は、さまざまな原因がからんでいます。なぜ食べないのか色々な角度から理解しておく必要があります。




認知症の人が食べないことによる最も難しい問題の1つとして、アルツハイマー病が重度になると、食べ物を飲み込めなくなってしまうことがあります。このような状態になったら病気の終末期と見なして、口意外からの方法(点滴や経管栄養)で栄養補給することも考えなければなりません。





2人3脚の利用者様でグループホームに入居されてまもなく食欲がなくなり、食べていただくのに大変苦労した方がおられました。往診時相談すると、「もしかしてリズム不整を改善する薬の副作用ではないかな」という診断から、リズム不整を改善する薬を中止したら食欲が元に戻った方がおられました。この方は、心臓のバイパス手術を10年くらい前にされており、ずーと飲み続けていた薬でした。(医療連携をとっている医師は循環器を専門にしている先生)その時、薬の副作用の怖さを実感しました。












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2010年09月14日

Q&A間違いが多いのです。どのように対応したらいいですか

Q 71 間違いが多いのですが、どのような対応をしたらいいですか。アルツハイマー型認知症が進行したように思います。


A:間違い行動は適応行動です。認知症になっても、人間らしい心は保たれています。認知障害のために理解することができないのです。うまく表現できなくても、また、簡単な道具の使い方が分からなくても、何とかしようという気持ちを持ち、適応しようと行動します。





対応の原則は間違った言動があってもまず受け入れてみましょう。注意したり叱責することはかえって逆効果になります。間違った行動の原因がどこにあるのか探して見ましょう。いくつかの2人3脚の例を通して考えてみましょう。





Aさんは時々トイレの場所が分からずドアの近くや他の利用者さんのドアを開けて放尿します。トイレの場所わからないため、尿意のシグナルを早くキャッチしてトイレにお連れします。トイレの場所を忘れてしまうのでいくら教えてもいつも同じことの繰り返しです。わからないのであればできないところ支援すればよいのです。しかし夜間頻尿は大変です。ご家族のご苦労が分かります。





Bさんはトイレの場所が分からずゴミバケツに排尿します。ついついゴミバケツを片付けがちになりますが、安心してそこに排尿するのなら、床に放尿され、その尿で滑って転倒のリスクをおうよりは、ゴミバケツにビニール袋をいれておき、万が一間違いをしたときに備えておいたほうがいいです。尿誘導のタイミングがずれてしまった場合トイレにお連れできなかった我々が申し訳ないという気持ちで接するのと、「どうしてこんなところに排尿するの」と、叱責するよりは本人は安心します。





Cさんは夜中に目が覚めておなかがすいたようで台所に入り食べ物を探します。流しにこびりついていた茶殻を口の中にぱっと入れ食べてしまいました。きちんと掃除をしなかった我々の責任です。ホットミルクを飲んでいただき入眠をうながしてみます。





これらの例のようにできない部分、認知症の障害のために間違った行動をしてもそこをさりげなくフォローしてあげるとお互いにメリットが出ると考えてみてはどうででしょうか。何で叱られているのか認知症の人はわかりませんし、あの人は私のにとって嫌な人、怖い人、というイメージだけが残り信頼関係やコミュニケーションが取れなくなり逆効果になってしまいます。





水道をひねっても止めることができない方、トイレに入っても手を洗う場所がわからず、便器の中で手を洗っている方、トイレで排泄した排便の後始末ができずトイレットペーパーを流せずゴミバコに捨てる方、自宅でガスはつけることはできても消すことができなかった方。間違った行動の原因を探り本人の気持ちになって考えて見ましょう。











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2010年08月18日

Q&A美味しく上手に食べてもらうにはどうしたらいいでしょう

Q70  美味しく上手に食べてもらうにはどうしたら良いですか?



A:認知症の人にとっても、食べることは、大きな楽しみの1つです。栄養のバランスも大切ですが、本人の好きなものを食べてもらうのが基本です。食べるときの雰囲気も大切にしましょう。味覚の障害も出てきます。極端に甘くしたりしょっぱくしたりしますので注意しましょう。





認知症の程度ににもよりますが、軽度の時は、その人が美味しく食べていた頃の習慣に合わせるのが1番です。好きな料理は何か、晩酌をしていたか、家族と一緒に食べるのが好きか、1人で自分のペースで食べるのが好きかなど、その人の好みの食事スタイルに近づけるように工夫しましょう。






認知症が少し進むと、食べることへのこだわりが強くなり、「何を食べるか」よりも、「すぐに何か食べたい」と言う欲求を優先しなければならないことがあります。また、目に入ったものを次々と食べてしまい食事の仕方が乱れるようになります。この場合でも好きなものを食べやすいように並べ、食欲をそそる匂いや、心地良い音に囲まれる雰囲気づくりを心がけましょう。冷蔵庫の中は整理整頓し、なまの物を口に入れない工夫も必要です。異常に過食になった場合は、食事の量を控えめにし、おむすびやサンイッチ等さり気なく用意しておくなどすると良いでしょう。






もう1つ気をつけてほしいものは、食べることをせかさないことです。ゆっくり自分のペースで食べられるように配慮して下さい。部屋の照明は料理がはっきり見える程度に、暗くもなく明るすぎることもないようにし、食べやすい硬さ(柔らかさ)、大きさに調理し使い慣れた食器に彩りよく盛りつけるなどの工夫が必要です。





お酒は一時的に認知機能を低下させ、混乱の原因になりますので、認知症が進んだ場合は控えたほうが良いでしょう。アルコール依存症にならないように注意が必要です。認知症がさらに進むと、食べることを忘れたり、何を食べているか分からなかったり、箸で食べることが難しくなって手づかみで食べようとしたりします。





これは認識や行為の機能が低下したためなので、練習しても以前のように箸を使えるようになりません。箸が使えないなら、、スプーンに替えてみるとよいでしょう。また、食べられないものまで口に入れる危険がありますので、見守りが必要です。手づかみで食べるようになると、手がご飯だらけになったり、口の周りやテーブルが汚れることが多くなりますので介助が欠かせなくなくなります。





だからといってもすべてを介助するのでなく、その人にできること、できないことを見分けながら励ましたり、できないところだけ支えるようにしましょう。介助する場合もせかせたり、食べ物を無理に口に押し込んだりしないで下さい。よく噛んでゴックンとで飲み込んだことを確認してから次の食事を介助しましょう。よく頬の内側に食物がたまってしまうことがあります。舌を動かしながら咀嚼することが難しくなり、唾液の分泌量も少なくなり、飲み込むことが困難になります。食事と食事の間に汁ものを飲ませましょう。





さらに食事で忘れてはならないのは、脱水の予防です。以前ブログに脱水予防で、たかせクリニック院長の高齢者の脱水についてパート1~パート3まで(8/1、8/3,8/14付けのブログ)載せましたのでそちらを参照してください。認知症がかなり重度でない限り、口から水分が摂れなくなることはありません。





いずれにしても、口あたりの良い物、消化の良い物を選んで食べてもらうようにします。また、箸やスプーンが使えなくなった場合は、手で食べられるサイズの大きさ(おにぎりサンドイッチなど)にしておくことも必要です。エプロンをして衣服の汚れを防止する工夫もしましょう。さらに認知症が進むと嚥下しにくくなります。その場合トロミ等をつけます。市販でトロミをつけるものを購入することが出きます。さじで測って入れますが、濃度に注意しましょう。しばらく時間がたってしまうと固まって嚥下しにくくなりますので加減に注意しましょう。すぐに解け手軽に使うことができます。





いずれにしても認知症の人にとって栄養バランスは大切ですが、好きなものを楽しく、十分に食べることを優先すべきでしょう。











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2010年07月29日

Q&Aパーソンセンタード・ケアをよく耳にしますが何ですか?

資料 3

Q69  パーソンセンタード・ケアの良さをよく耳にします。よく分からないので 教えてください。認知症の人の関わりによいとききましたが・・・。


A:パーソンセンタードケアは1990年代初めに故トム・キッドウッドが認知症ケアにおける魅力的な論文を書き、世界的に注目をあびました。その理由は認知症の方が示す行動は何もかも病気のせいにされていたのですが、キッドウッドは問題を提起し注目を浴びました。




認知症の方が脳が侵されて様々な知的能力を喪失しても、その人間性は失われず、その根本的価値は変わらない。「弱く、もろく、傷つきやすいものに対して、強くて障害のない私たちがケアを提供する、というのは、十分な理解ではない」「むしろ認知症の人たちとのコミュニケーションがとれず、彼らを理解することは難しい。そういう私たち、自分たちがどのように人間として十分な姿でいられるのかを、傾聴とかかわりの中に努めて私たちは彼らから学んでいかなければならない」と述べています。




キッドウッドは認知症の方の声にならない心理的ニーズを共感と想像力によって把握しようとしました。そのキッドウッドの死と前後するように、認知症の人自身による貴重な内容報告が出版されました。オーストラリアの科学官僚であったクリスティーン・ボーデンさんの『私は誰になっていくの』です。45歳でアルツハイマー病の診断を受けたクリスティーンは、クリスチャンとしての信仰と科学者としての分析的な目を持って、彼女の置かれた困難な状況について述べました。そしてキッドウッドの提唱する心理療法が認知症ケアに活用できることを説きました。




私自身クリスティーンさんの本を読み衝撃を受けました。認知症ケアに取り組んでいる自分自身を反省しました。ご本人さんが抱いている感情や心理状態、困難さを何も理解していなかったことに気づきました。本を読みながら、涙がとまりませんでした。そこから私の認知症の人に対するケアが変化していきました。パーソンセンタードケアを基本として認知症の方の声を聴きながら共にケアを考える時代を今迎えています。




2001年認知症介護研修センターは全国に3箇所(東京都杉並区、愛知県大府市、宮城県仙台市)に設置されました。認知症の介護研究事業として認知症の人のためのケアマネジメントセンター方式が開発され、パーソンセンタードケアの基本・利用者中心のケアを介護現場に具現化するためのツールとして今使われ始めています。センター方式は認知症の人のニーズを聴き取ることや介護職だけでなくチームケアの視点から、本人や家族も参加して24時間の暮らしを支えることなどの特徴があります。今2人3脚でも3年前から取り組み始め本人さん中心のケアを目指しています。













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2010年07月01日

Q&A認知症の夫は薬を飲むのを嫌がります、どうすればいいの

Q68  認知症の夫は医師から多くの薬を処方されています。私にはそれらの薬が何の薬か分かりません。しかし、これらの薬を夫に服用させるのが大変です。特に大きな薬は容易に飲み込むことができません。どうすればいいでしょうか。




A:認知症にかかった多くの方は薬を飲むのをいやがります。その理由の1つとして、まず、自分が病気であるという認識がないことです。認知症が進行すると咀嚼や飲み込みの障害により薬も飲みにくくなるようです。かかりつけの医師に相談しましょう。




服用されている個々の薬剤は何なのか。また、どの薬剤が特に重要なのか医師は教えてくれるはずです。また、どうしても飲まなければならない薬をしぼってもらいましよう。また、薬の副作用も理解しておきましょう。薬を飲むと気持ちがわるくなるので飲まない方もいます。注射や貼り薬に変えてもらえるか聞いてみましょう。




医師と相談して、飲みやすい剤型にしてもらいましょう。ゼリーと一緒につるんと飲んでもらったり、シロップや粉薬に変えてもらうのもお勧めします。ポテトサラダやツナサラダに混ぜて服用したり、苦味の強い薬は糖衣錠やカプセルにすれば苦味が感じなくなります。粉にしてシロップや砂糖と混ぜれば飲みやすくなります。




色々工夫をして飲んでいただくには、時には演技も必要になることもあるでしょう。薬には副作用がつきものです。お薬の内容を薬剤師に聞いたり薬の説明書をしっかり読むことも大切です。











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2010年05月31日

Q&A なぜ認知症の診断が必要なんですか

Q 67 まだはっきりしませんが、妻はアルツハイマー病にかかり始めているのではないかと思います。この病気の治療方はないと聞いていますが、それでも医療機関にかかった方が良いのでしょうか。



A:アルツハイマー病は病気です。いま早期発見・早期治療をすることによって、本人の混乱が軽減しますし落ち着いた生活が少しでも長く送ることができます。まずは本当に病気であるか、診断をしてもらいましょう。




あなたがそのように疑っておられるようなら医療機関にかかってください。かかる理由として以下のことがあげられます。



まず第1点は、奥さんの病気が、実はアルツハイマー病ではなくほかの治療可能なものかもせません。そのような病気としては、鬱病、甲状腺機能低下症、、パーキンソン病、などがあります。また、便秘や感染症によっても一時的な錯乱状態に陥ることがあります。さらに作用の強力な消炎鎮痛剤や血圧を下げる薬、また睡眠剤や安定剤もこうした症状の原因にもなりえます。病院の担当医は、診断確定のために各種の知能検査と血液検査をすることで、こうした可能性を調べるでしょう。




第2点は、診断が確定することで将来に対する準備ができるためです。仮に奥さんがアルツハイマー病と診断されたなら、ご本人の判断力があるうちに遺言状を作成する必要が生じるかも知れません。また、介護に役立つ様々な支援サービスを調べることもできます。また、奥さんに車の運転をしないように注意することが必要になるかも知れません。




軽いうちからアリセプトを服用することによって急な進行を食い止めることができるかもしれません。5月10日付のブログにも載せましたが20011年には相次いでアルツハイマー病治療薬が相次いで販売され、いま、副作用で服用できない方でも選択肢が増えていきます。(アリセプト、ガランタミン、メバンチン、貼る薬のリバスチグミンなど)カテゴリー欄の医学講座の目次欄を参照してみてください。










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2010年05月17日

Q&A妻が失禁するようになったので外出できません

Q66 アルツハイマー病と診断されている妻のことで本当に困っています。認知症はそれほどまでにひどくないと思うのですが、いつも失禁するようになったので容易に外出できません。何か良い方法を教えてください。


A:アルツハイマー病では特に尿失禁がよく見られます。2人3脚では便や尿の排泄をチェック表に記入し把握しています。尿が急に近くなった場合や血尿が出た場合は膀胱炎を疑います。尿の検査をすると(検尿)よりはっきりします。それ以外の失禁の場合は認知症という病気によっておこる場合が多いです。その方に合った排泄パターンを知ることで尿誘導の仕方を工夫します。




規則的な排尿の習慣をつけましょう。まず、起床の直後、日中は2~3間時間もてばその時間帯に、最後は就寝前に誘導します。こうして膀胱の中に尿が残らないようにすれば失禁が減るはずです。また、奥様の尿意を感じておられるサインを把握しましょう。そわそわして歩きだしたり、股間に手を当てたりするのがサインかも知れません。それらを察知したらすぐにトイレに誘って下さい。




また、一番困るのは濡れた下着を隠そうと、タンスの奥の方にしまいこんでしまうことです。尿失禁の原因で多いのはトイレの場所が分からないのかもしれません。また、ズボンや下着の下げ方が分からなかったり、便器への座り方が分からないのかもしれません。また、よく見かける光景としてトイレットペーパーを股にはさむ習慣です。そのような時は尿取りパットを替わりにあててみましょう。尿取りパットは色々なな種類があります。ちびる程度であれば、生理用ナプキンで代用できます。




尿取りパットはある程度までの尿なら吸収しますから外出の際には便利です。奥様が座る椅子や座席のシートに防水シーツなどを備えるのも良いでしょう。失禁に対処することは容易ではありません。失禁してしまったことに、ついつい怒ってしまうこともあるかもしれません。しかし叱責すると奥様とのコミュニケーションをとるるのが難しくなります。反って怖いご主人のイメージが強く脳裏に残ってしまい、ますます尿失禁の回数が増えるかもしれません。さりげなくできなくなったことをフォローするようにしましょう。そして、相談にのってくれる方を探しましょう。ケアマネージャー、訪問看護師、泌尿器科の医師、主治医などが相談にのってくれるはずです。









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2010年05月01日

Q&Aもの忘れ外来へ受診時準備しておくことはありますか?

Q 65 近頃義母が忘れっぽくなってきており、生活に支障が出始めました。受診の前に準備しておいたほうがよいことはありますか?


A:これまでの本人の変化、生活状況などメモをしておきましょう。現在治療を受けている病気についても情報が必要です。服用している薬があれば、その説明書も用意しておきましょう。





認知症の診断で最も大切なことは、もの忘れや認知機能の障害がどのように起こり、現在どのような状態であるかを知ることです。いくら認知症の専門医でも、診察室で短時間にすべてを知ることはできません。初対面の医師が本人からさまざまな情報を聴き取るのはとても難しいことです。そのため同居している家族がメモにまとめておくと診察時にとても役に立ちます。メモは時系列に沿って、次のようにまとめるとよいでしょう。



1.これまでの経過

▲もの忘れはいつから、どのように始まったのか?突然始まったのか?

▲もの忘れについては、本人から話はじめたのか?家族が最初におかしいと気づいたのか?

▲もの忘れがどのように進んできたのか?あるいは進んではいないのか?




2.現在の状態


▲毎日に生活や仕事はほぼ自分でできているか?見守りが必要か?もっと支えが必要か?

▲トイレは自分ですませているか?下着を汚すことが多いか?お漏らしが多いか?

▲買い物に一人で行けるか?必要のないものを買うことが多いか?お金をきちんと払えるか?

▲遠くに外出しても家に帰れるか?近くで道に迷うことはないか?

▲通帳や年金の管理ができるか?お金に強い執着を持っていないか?

▲気持ちが落ち込むようなことはないか?




3.既往歴

▲これまでにどのような病気をしたか(手術を含む)?

▲頭の怪我をしたことはないか?

▲現在、治療を受けている病気はあるか?(高血圧、糖尿病、高脂血症、心臓疾患など)?

▲病状と服用している薬について




些細なことでも、病気の大切な徴候だったりするので、日ごろから状態や気になる点を細かくメモしてあると診断に役立ちます。服用している薬については、保険薬局などで渡される「薬一覧表」や「お薬手帳」を持っていくと良いでしょう。現物を持っていってもかまいません。



*これらのメモは後々とても役に立ちます。保管しておきましょう。(介護保険認定調査や施設やデイサービスなど利用時)










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2010年04月14日

Q&Aアルツハイマー病の父の施設をどのように探したら?

Q64 一人暮らしの父はアルツハイマー病にかかっています。ホームヘルパーさんに来てもらっていますが、もう自宅での生活は無理です。父の入所する施設を選ぶ際に留意すべきポイントを教えてください。


A:介護保険はそれぞれ契約施設となります。当初はお父さんの住んでいらっしゃる地域の施設数が十分といえないことも考えられますので、ともかく入れるところに入るということになりかねません。しかし、選べると仮定してお話すれば、先ずその施設が認知症の方を受け入れてくれるかどうかお知りになり、次に処遇方針や、ケアプランを聞いてください。具体的なご質問には、お父さんの主治医や専門医、ソーシャルワーカーや訪問看護師や介護支援専門員が相談に応じてくれます。



そうしたことで候補となる介護施設が分かったら、サービス内容や料金、また何より空きがあるかどうか問い合わせるか、ソーシャルワーカーや介護支援専門員に尋ねてもらってください。たいていの施設は説明用のパンフレットを送ってくれますがご自分の目で施設を見学されることをお勧めします。



もし可能ならば候補施設を全て見て回られた上で、お決め下さい。仮に説明の上ではサービス内容が同じように見えても、実際の雰囲気が相当異なることがざらにあります。さらにある程度候補が限定されたならば、施設訪問の際にお父さんを同伴してください。お父さんの好みを尊重してあげることは当然ですから。



ところで施設選らびのポイントですが、先ず注意深く観察し、たくさんの質問をするのが基本です。責任者とのお話はもとより、職員とも出来る限り話してください。高齢者とくに認知症の介護について、どれくらいの知識があるのかをあなた自身が評価してみることが一番いいでしょう。また、既に入居されている方やそのご家族に介護内容についてお尋ねになってみることもポイントとなるでしょう。



具体的に次のような質問したり、見てみるのがよいでしょう。

・住所はどこですか。そこは訪問の際に足の便が良いところですか。
・屋外に出て過ごす場所がありますか。日課として過ごす場所がありますか。
・散歩できる庭がありますか。
・親しみやすく家庭的な雰囲気ですか。
・家具や調度はそろっていますか。
・居室の数は十分ですか。
・内部は清潔で臭いはありませんか。尿臭などがあるようではいけません。
・(喫煙者の場合)喫煙は許可されていますか。
・計画的なスケジュールが組まれていますか。
・椅子はどのように配置されていますか。テレビがつけっぱなしにされていませんか。
・車椅子や歩行補助具は備えてありますか。トイレや浴室は適切な配置、構造になっていますか。
・どのような部屋が選べますか。
・個人の家具や所持品が持ち込めますか。
・職員はプライバシーの保護に心を配っていますか。
・全ての入所者にふさわしいトイレの数や浴室がありますか。
・排泄や入浴の祭、職員は臨機応変にまた敬意を払って介助していますか。
・出される食事はどうでしょうか。味付けや栄養面はいかがでしょうか。食事は好みの時間に出来ますか。症状に応じた特別食は出来ますか。何をいつ食べるかはQOLの重要な要因です。
・望めば自分の居室で食事ができますか。自宅のように好きなときに、おやつなどを食べてもかまいませんか。
・医療に関する備えはどうなっていますか。
・歯医者さんについてはいかがでしょうか。











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2010年04月02日

Q&A料理の味付けが変わったり、よく鍋を焦がします

Q 63 77歳の妻と二人暮らしです。最近月一度帰ってくる子供が「お母さんの料理の味付け変じゃない?」と言います。変だと思っても「まずい」とも言えず、そのままにしていました。煮物を焦がしたり、火をつけずに鍋をかけることもあり、「年だから」と思っていましたが、子供から言われて、やはり単なる物忘れだけではないのかと気になります。(夫81歳)





A:長年一緒に暮らしていると、日々の暮らしが連続しているため、変化があっても年を重ねると、こんなこともあるのだろうと、たとえ不都合なことがあっても、容認してしまいがちです。それは夫であるあなたが優しく、少々味付けが変と思っても、たまたま失敗したのだろうと思ってしまいますよね。そして、妻の失敗を寛大に受け入れてしまうようです。またそのことが妻の変化を大きな変化にせずにいたのでしょう。叱責せずに対応されていたことに頭が下がります。しかし、認知症という病気もあります。気がかりになったことが次のステップにつながるチャンスだと思って先ずは受診してみましょう。




お子様たちが「お母さんの味付けは変だ」と言ったり、煮物を焦がすこと、火をつけずに鍋をかけることは、客観的に見ても、以前の妻に変化があると判断できるのではないでしょうか。年を重ねるにつれ物忘れはあるものの、今まで続けてきた日常生活は支障なくできるものです。支障が出てきたということは何らかの変化が、脳の中に出てきたと考えられます。認知する機能が低下して今までできたことができなくなったためだと思われます。





一緒に生活していると、お互いに助け合い、補完してきたため不都合が生じなかったのでしょうが、改めて生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。朝起きたときの様子はどうですか。朝食の準備、後片付け、家の中の整理整頓、買い物、身の回りのことなど、面倒だからということではなく、何か以前と比べて緩慢になっていませんか。それと会話や表情はいかがですか。何か不安そうな表情をしていませんか。頭が痛いなど身体的な症状を訴えることはありませんか。





また、同じことを何回も聞いたりしていませんか。直前の出来事を忘れることが多くなっていませんか。そっと様子を見て下さい。おかしな言動があったときはメモをを残しておきましょう。そして、一度専門の医師に診てもらいましょう。そのような時、メモは医師や介護保険を利用する時に多いに役に立ちます。そして介護保険の制度も学んでみてください。お近くに包括支援センターはありますか。居宅介護支援事業所はありますか。ケアマネージャーさんに相談してみましょう。






一人で抱えこまないようにしましょう。色々な介護保険のサービスがありますので、良い機会だと思って、これからの暮らし方を探ってみてください。サービスを受ける受身ではなく、自分らしい生活ができるように、自分達で考えたり、選択したり、また、家族の会などに相談してみてください。吐き出すことによって、色々なアドバイスを受けることができます。











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2010年03月28日

Q&Aもの忘れが多くなってきましたが受診を拒みます

Q 62 もの忘れが目立ってきて、ちぐはぐな行動が出てきたため家族は目が離せなくなってきました。受診をさせようと思うのですが、受診に応じてくれません。どうしたらいいでしょうか?



A:専門医療の受診の工夫がコールセンターマニュアルに載っていたのでご紹介します。杉山ドクターのやさしい医学講座でおなじみの杉山孝博先生が受診に結びつかせる工夫を教えてくれています。



医療機関の探し方と医療機関に受診するための工夫





専門医療機関とその探し方

精神科、精神内科、老年科、あるいは「もの忘れ外来」、認知症疾患センターなどに受診することになりますが、それぞれの診療科担当医が必ずしも認知症専門医ではありません。地域の保健所、保健センター、地域包括支援センター、認知症疾患センターなどに問い合わせること、インターネットで認知症専門医を検索することによって情報を集めるのがよいでしょう。



専門医の受診の工夫

早期診断、早期治療の必要性は理解できていても、病識のない認知症の人を医療機関に受診させるのは非常に大変です。本人が自発的に受診するか、あるいは本人に説明して納得が得られた上で、受診することになれば一番望ましいことですが、納得しない場合が圧倒的に多いのが現実です。その場合、認知症の特徴を理解した上で、色々な工夫が必要となります。



介護支援専門員としてもそのような家族の悩みに答えられるような指導法を持つことが必要です。筆者の経験から、スムーズな受診のためのコツをまとめると次のようになります。



●「もの忘れ外来」「老年科」「診療内科」「神経内科」などのある病院で、まず一般的な健康診断を実施して、その延長として認知症の受診に移行する。

●介護者が「私の健康診断に付き合って下さい」とお願いする。


●病院が嫌だという場合には、保健所では老人保健相談をしていることが多いので、「保健所に健康診断に行きましょう」と誘う。

●信頼を持っているかかりつけ医に「知り合いのよい先生を紹介しましょう」と専門医へ受診をすすめてもらう。

●頭痛、だるさ、腹痛などの身体症状を訴えるときには受診を納得させやすい。

●日ごろ顔を合わせない息子や娘、ヘルパーやケアマネージャー、保健所のソーシャルワーカー、などに付き添ってもらう。

●付き添いは二人がよい。受診手続きや順番待ちのとき、一人が相手をしていられる。

●受診の日を早くから言わないで、当日さりげなく言う。


結局、「ドラマ仕立て」で、受診に持っていくことが有効な方法といえます。










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2010年03月22日

Q&A嫁の胸やお尻をさわったりします。どうしたらよいですか?

Q 61 嫁の胸やお尻をさわったり、入浴しているのをのぞいたりします。どうしたらよいでしょうか?


A:認知症の人は、状況を判断して自ら抑えながら性的な関心を満足させることができにくくなります。過剰な性的関心を示されるのは不快ですが、感情的になるのはよくありません。うまく拒むのがよいでしょう。



男性の認知症高齢者に見られるケースです。これは身体欲求のほかに、性に対するとらえ方の違いがあると考えられます。こうした性的関心が妻に向き、時に性交を求めることがあっても過剰だったり無理強いすることがなければ、特に問題にならないでしょう。しかし同居している息子の妻(嫁)に関心が向く場合も考えられ、胸や尻をさわる、入浴や着替えをのぞくといったことが起こります。




認知症になると状況を判断する力が低下し、してよいこと、してはならないことの判断ができにくくなり、欲求にしたがって行動してしまいます。倫理的観念や、状況判断抜きに、性的関心の向くままに行動するようです。(性的逸脱行為)



性的行動の対象は、身近な妻や嫁が多くなりますが、特に嫁が驚き、嫌悪し、拒絶するのは当然でしょう。頻繁にそのような行動をされると、家から出て行きたくもなります。しかし、実際にはそれもできず、認知症である義父の性的行動に向きあわなければなりません。だからといって事を荒立てると、義母や夫から「あなたがお父さんを誘惑した」などと言われ、理不尽な誤解を受けたり、とり返しのつかないことにもなりかねません。



胸を触られたら、軽く手を握り返し、、「お父さんそんなことをしてはいけませんよ」とやんわり注意するのもよいでしょう。入浴しているのをのぞかれた場合も同じようにたしなめて、浴室に鍵をかけるようにしましょう。認知症の義父自身も何となく悪いと思いつつ、そのような行動をとっていることもあるので、1回だけでしなくなることが多いようです。それでもやめない場合は、「認知症電話相談(コールセンター)」などに相談してみましょう。



妻が性交を求められたときも、困惑したり不快に思ったりするでしょう。しかし、そうした行為は実際に可能なことは少なく、軽く拒んで気をそらせたり、夫の性器を軽く握る程度で満足することが多いようです。また、認知症の男性が家族の前などで性器を出したりさわったりする行為も、家族を困惑させる性的な不適切な行動の1つです。認知症になる前は、癖で陰部をいじることがあっても、人前では自制していたはずです。それが認知症になったため、状況判断ができにくくなり、思うままに行動してしまうようです。



こうした行為はデイサービスやショートステイを利用しているときに起こることもあります。報告を受けた家族は、困惑し恥ずかしく思うでしょうが、こうした行為に似た些細なしぐさに気付いて、不適切な行為が大きくならないうちに注意することは可能でしょう。認知症の人にとっては、積極的な意図はなく、何気なく行なっていることが多いので、「おじいさん、こんなところで何をしているのですか?」と軽くたしなめることで、治まることもあります。また、それらしい行為が始まったときには、別な場所につれていくのもよい方法かも知れません。




こうした行為は一日中何もすることなく暮らしている認知症の人に現れることが多いようです。認知症の程度にもよりますが、認知症の人にもできることは多く残っていますので、部屋の掃除、料理の手伝い、食卓の片付け、昔の思い出を語ってもらうなど、残った機能を生かすような生活を送ることで、性器をいじったり、出したりという行為は少なくなります。










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2010年03月02日

Q&Aアルツハイマー病の夫がアルコール飲酒が増えてきた

Q 60  アルツハイマー病と診断された夫は、かっては1合の晩酌習慣をきちんと守る人でした。ところが最近は、度を過ごした飲み方をすることがあり、そうなったら始末におえません。私が取り上げても自分で買いに出ます。どうしたものでしょうか。



A:ご主人は従来適度な飲酒習慣をもっておられたようなので、これを続けられればそれが1番です。ただしアルコールと一緒に飲むと副作用を生じる薬もありますので担当の医師に相談してください。



ご主人の今の問題はおそらく、飲んでもすぐそれを忘れてもう1杯飲んでしまうということではないでしょうか。そうだとしたら、酒瓶に水を満たしておいたり、お金を持たせないようにしたり、近所の酒屋さんにご主人には酒類を売らないようにお願いしてください。



そのかわりに夕食のときに限って1杯だけ飲ませてあげてください。また、退屈ですることがないのでお酒を飲む人がいます。介護保険の手続きをしてデイサービスやショートステイなど利用するとよいと思います。何かご主人が興味を示すものを探してみましょう。奥様と一緒に楽しめるものを見つけたり、何かご主人に役割を持っていただくようにしましょう。



ノンアルコールのビールを使ってみてはいかがでしょうか。最初の1杯は本物のビールを飲ませ、2杯目からはノンアルコールビールに換えてみてください。多分気がつかずに飲まれると思います。度が過ぎると暴言や暴力になるケースも少なくありません。またお年寄りに最も怖いのが脱水症です。ただの水よりはうまくいくかもしれません。




アルコール依存症の専門の病院外来に相談をお勧めします。










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2010年02月19日

Q&A火の不始末が心配です。どうしたら安心ですか?

Q 59 火の不始末が心配です。 どうしたら安心ですか?


A:認知症の人はもの忘れや判断力の低下のため、ガスの消し忘れなど、火の不始末を起こしやすくなります。まず、どのようなものに注意しなければいけないのかを知り、適切な対応を考えましょう。



認知症が軽度でも、火の不始末を起こすことがあります。鍋を焦がすだけにとどまらず、台所でボヤを出すなど火事につながりかねない危険もあります。特に一人暮らしをしている認知症の人の家族にとっては、大きな心配事です。



●ガスコンロ

ガスコンロの火の不始末については、認知症の程度によって対応が異なります。時々鍋を焦がす程度であれば、台所の目につきやすいところに、「火の用心」と書いた紙を貼っておくだけで、効果があるかもしれません。それでも火の不始末があるときは、外からガス栓を止めてガスを使えないようにするか、直火を使わない電磁調理器(IHクッキングヒーター)に変えるとよいでしょう



最も認知症の人にとってこうした新しい電化製品は使い方が分かりにくいので、出来るだけ操作が簡単なものを選び、一人で使えるかどうか確認しておく必要があります。火災報知機も設置するようにしましょう。



●タバコ

認知症の人の火の不始末で、もう1つ心配なのがタバコです。タバコの火で畳やカーペットを焦がしてしまったり、火が消えたことを確かめずに捨てるといったことが、日常的に起こる可能性があります。寝タバコの問題もあります。いずれも言葉で注意しても効果はないでしょう。



タバコを取り上げても、すぐに新しいタバコを買うことができますし、ライターも容易に手に入ります。無理にタバコをやめさせるのではなく、家族の目の届くところでタバコを吸ってもらうのがよいかもしれません。灰皿は通常より大きな物にして水を張る、部屋の中に水の入ったバケツを置くなどするのもよいでしょう。仏壇のローソクは電灯式にしましょう。特に一人暮らしの方は大変です。火事でも起こしたら近隣に迷惑になりますし大事故になりかねません。少しずつ禁煙の方向にむかわせたいですね。しかし、それでも火の不始末に関する家族の心配は、なくならないかもしれません。










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2010年02月14日

Q&A認知症の人のコミュニケーションをどうとったらいいですか

Q 58 認知症の人とどのようにコミュニケーションをとったらよいか分かりません。どうしたらよいですか?

A:認知症の人と話す場合には、余裕を持ってゆっくり話を聞く姿勢が大切です。言葉によらないコミュニケーションもあります。決して押しつけず、相手の思いを汲みとるように視線を合わせて受容、共感をしましょう。



人と人とのコミュニケーションには、言葉、文字、絵、ジェスチャー、表情、身体的な接触などの方法がありますが、通常は言葉によるコミュニケーションが中心です。認知症の人の場合も同じです。



認知症の程度にもよりますが、症状によっては、適切な言葉を失い、自分の言いたい事を伝えられなくなることがあります。自分の思いをうまく話せないと、イライラしたり落ちつかなくなるのは誰にでもあることですが、、特に認知症の人は暴力的になったり、ひどく落ち込んだりします。



そうならないために、聞き手として最も大切なのは、余裕をもつことです。話をせかせたり、さえぎったり、叱ったりせずに、まずは聞く姿勢を示しましょう。認知症の人と視線の高さをあわせ「ゆっくり聞いています」というメッセージを身体全体で伝えるようにしてください。すると、あせって出なかった言葉が出るようになったり、断片的でも会話が成立するようになります。



ときには、認知症の人の言葉を待っているだけでなく、「こういうことを言いたいのかも知れない」と推し量り、「少し寒いのね」とか「散歩に出かけたいのですか?」と言葉を補ったり、ヒントを与えて話の続きを促すようにしてみましょう。この場合もせかさず、問い詰めたりしないで、ゆっくり待つ姿勢でいましょう。また、相手の言葉を繰り返し、話の内容を確認しながら会話を進めることも有効です。



こちらから発する言葉は、短く簡潔にしましょう。命令口調で話したり、馬鹿にするような態度は、認知症の人の尊厳を傷つけ、おびえさせ、悲しい気持ちにさせてしまうので控えてください。



たとえ、認知症が進んでコミュニケーションがとれなくなっても、心は生きていることを忘れず、言葉によらないコミュニケーション、例えば手を握る、笑顔をみせる、好きな音楽を流すなどの「非言語的コミュニケーション」を活用しながら、和やかな雰囲気づくりを心がけましょう。






【介護経験者の声】

子育ての気持ちでコミュニケーション          Aさん(55歳)

認知症の母とコミュニケーションをとろうと本などで勉強しても、なかなかうまくいきません。そこで私は、、子育てしていた頃のことを思い出してみました。目をみて、やさしい声で語りかけながら、抱き起こしたり、着替えさせてたりすると、母も優しい顔になります。子供を寝かせるときは、早く寝てほしいと思うとかえってダメだったので、一緒に横になってお話をしたものです。これは母にも通用しました。




ある日、母の脇で横になっているうちに、私のほうがうとうとしてしまいました。それまで大きな声で何か言っていました母の声がいつの間にか小声になっていることに気がつきました。しばらくそのままにしていると、母は自分の上掛けを私にかけようとし、やがて眠ってしまいました。気のせいか、穏かな寝顔にみえました。普段は文句ばかり言っている母ですが、昔は子供の私をやさしく寝かしつけてくれたことを思い出しました。









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2010年02月11日

Q&A 異食が目立ってきました。仕事をやめたほうが・・・。

Q57  80歳の母と二人暮らしです。先日ヒヤシンスの球根や台所においてある生のジャガイモに歯形がついているのを見つけました。週3回のデイサービスと週2回の訪問介護と土・日は私がみており、週2回は母に昼のお弁当を作って仕事に行きます。いよいよ仕事をやめなくてはと思うのですが・・・。


A:球根や生のジャガイモに歯型がついているのを見てびっくりするのと同時に驚かれたことでしょうね。想定外のことが起こることを理解していても、その現実に直面すると戸惑ったことでしょう。普段支えている自分の気持がくずれそうになったのはでないですか。そうなる前に何故気づかなかったのだろうか、仕事が忙しくて、もしかしたら、他にも気づかずにいる部分があるのではないだろうか・・・。など次々に不安と自分の至らなさが押し寄せてくることでしょう。でも球根や生のジャガイモは食べられないものであることが分かっていたのでしょう。今後安全に生活ができることを心がけていきましょう。



お母様の目線で危険なものがないか再点検してみましょう。見えるものは触ったり口に入れると考えて、手の届かないところに置くか、鍵をつけて開けられないようにしましょう。台所の洗剤や漂白剤など危険なものを再チェックしてください。何も置かないと逆に色々な場所を開けたりしてしまいますので、見える場所には、食べても良いもの置き、いつでも食べたいときに、食べられるように工夫しましょう。




仕事をやめて、お母様の介護に専念したいと思う気持はわかりますが、現在はお仕事をされているからこそ少し距離感があっていい関係が保たれているように思います。24時間ぴったりついて看ていても今回のようなことは起こると思います。お母様が仕事をやめて、介護されることを喜ぶでしょうか。自分は自分の生きかたを持たれたほうが良いように思うのですが・・・。お二人の生活に合うような在宅サービスをシュミレーションして見ましょう。一人で介護を抱えこまないようにしましょう











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2010年02月05日

Q&A紙や布を裂いたり、物を壊します。どうしたら・・・

Q 56 紙や布を裂いたり、物を壊したりします。どうしたら、やらなくなりますか。?


A:認知症が原因で混乱し、感情的に不安定になって、周囲のものを壊すような行動をとることがあります。大声で止めたりするのではなく、静かに話しかけるようにしましょう。薬の服用で改善することがあります。




2人3脚でもたまに見られます。せん妄の世界に入り混乱している場合に見られます。自分で一生懸命治そうとしてかえってさらに裂いてしまったり、片付けようとおもってもさらにちらかしたりします。また、せん妄が出ているときは、危なくないようにしばらく落ち着くまで見守ります。長くは続きませんので落ち着いてきたら声を掛けます。危険なものは遠ざけておきます。



認知症が進み状況判断ができなくなると、なぜ自分がここにいるのか、周囲の人が誰なのか、思い迷う事が多くなります。また、周囲の人が助けてくれない、自分が孤立している、無視されているといった誤解が生じることもあります。こうしたことが重なると認知症の人は混乱しやすく不安定になり、落ち込んだり、興奮したりします。そして興奮が大きくなると、手近にある新聞紙や寝衣や枕カバーなど裂いたり破いたりします。また、手元にある皿を投げたりという「破壊的行動」をとるのです。



このときは、認知症の人自身も、何をしているのか分からなくなっています。破壊的行動は1回で治まるときもありますが、何度も繰り返すときもあります。こうした行動をとっている認知症の人に理由を聞いても返事はなく、やめるよう説得しても止めることは難しいでしょう。



無理に抱え込むなどしてやめさせても、認知症の人の気持ちは治まりませんので、同じことが繰り返されます。気分が落ち着くまで、やりたいようにさせておくしかありません。このようなことが起こりそうになったら、、周囲に壊したり、破いたりしてもよいものだけ置くようにし、壊しては困るものや危険なものは素早く隠してください。繰り返すようなら、日頃から片付けておくほうが良いでしょう。



破壊的な行動起こさないようにすることが大切ですが、何をきっかけに始まるのか理解できるとは限りません。しかし、後から考えてみると、家族の「おじいさん、またお漏らししたの?ダメねえ」と言う一言がきっかけになっていることもあります。認知症の人にストレスを与えないように心がけることで、破壊的な行動が減ることもあります。



破壊的行動を繰り返すようなら、少量の抗精神薬お服用してもらうことで防止できることもあります。医師に相談してみましょう。









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2010年01月16日

Q&A若年性認知症は、高齢者認知症とどこが違う?

Q 55 若年性認知症は、高齢者の認知症とどこが違うのでしょうか?

A:若年性認知症は、40歳代から50歳代にかけて発症する病気です。主として若年期(初老期)に発症するアルツハイマー病を指します。前頭側頭型認知症(ピック病)、脳血管性認知症、頭部外傷、レビー小体病、アルコール性認知症など、他の原因も多くあります。



若年性認知症では、進行が速いこと、不随運動や失行、失語、失認が著しいこと、あるいは体力が保たれているので、行動障害が強く現れやすいなど、臨床症状の特徴があります。



また、何といっても、若年期というのは働き盛りの年齢ですから、病気になると家族への精神的・経済的な打撃が大きいことがあげられます。このため介護や福祉の支援がより必要です。




介護保険制度では若年性認知症は特定疾病に指定されています。40歳以上でも介護保険の利用が可能です。しかしながら、在宅あるいは施設サービスの多くは高齢の利用者で占められ、、若年の利用者にまでケアが行き届いていないことが大きな難点です。




また、働き盛りの時期に認知症を発症することで、仕事ができにくくなり、解雇されたり、自営業をやめざるをえなくなり、収入が減少して経済的に困窮することがあります。障害者年金などである程度の所得は保証されますが、収入が減少するため、子供が学校をやめて仕事につかなければならないことがあります。家計を支えるために仕事と介護の板ばさみで、苦しむ人も少なくありません。




成人前の子供にとって、認知症になった親の姿は理解しがたくつらいものです。それが原因で不登校や家出が起こる可能性もあります。また、若年性認知症の親がいることで、子供の結婚に影響するかも知れません。介護する家族は(特に夫や妻)は、若年性認知症の人と子供との関係に悩むことがあります。



「認知症の人と家族の会」などが、若年性認知症について取り組んでいます。家族のつどいに参加して、より具体的な介護の方法や関連する情報をえると良いでしょう。また家族の会では若年性認知症だけで取り組むつどいなどもあります。静岡県支部ではまだまだ遅れていますが、つどいに本人が出席したり本人同士が集まりお互いに話し合いを行なったこともあります。若年性認知症の方だけで行なうつどいも、我々家族の会の課題でもあります。










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2010年01月12日

Q&A障害者控除ってどのようなものですか

Q 54 70歳になる父が、要介護状態となり、介護認定を受けました。介護に認定を受けていると、税金で何か控除が受けられますか?                                    (税理士 横田 崇氏より)

A:介護認定を受けた方の中で、障害者控除の対象となる場合があります。



Q:障害者控除とはどのようなものですか

A:本人または扶養親族の中に、所得税法上の障害者に該当する方がいる場合、所定の控除を受けられる制度のことです。



Q:障害者控除を受けられるか、どのように判断するのですか。

A:身体障害者福祉法等により、障害者手帳などの交付を受けている場合、障害者控除を受けられます。



Q:介護認定を受けている方は障害者控除を受けられますか。

A:税法上の障害者の条件には、介護認定は入っていません。したがって介護認定を受けているからといって、障害者控除を受けられるとは限らないのです。



Q:実態は同じような気がするのですが。

A:そこで、寝たきりの状況にあって民生委員等の証明がある場合や、満65歳以上で障害の程度が所得税法の規定に順ずるものとして市町村等や福祉事務所長の認定を受けている場合は、障害者控除を受けることが出来ます。



Q:認定への手続きはどのようにしたらいいのでしょうか。

A:お住まいの市区町村等で障害者控除認定書の交付を請求してください。市区町村等ではその要介護状態が障害者控除に該当するかどうか判定してくれます。はんていされれば、障害者控除認定書を交付してくれますので、それを年末調整や確定申告の際に提出してください。




Q:判定基準はあるのですか

A:これは自治体によって異なります。例えば、東京・世田谷区では、「要支援」でも内容次第で控除認定をしてくれる場合があります。お住まいの市役所等に問い合わせてみることをお勧めします。









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2009年12月27日

Q&A認知症の舅の行動に振り回されいさかいが絶えません

Q53 認知症の舅を介護しています。以前からいさかいが多く、優しく介護しなければと思うのですが、うまくいきません。どうしたらよいですか?

A:当然の気持ちだと思います。姑が認知症になったからといって、急に気持ちを切り替えて介護できるものではありません。それが自分の本心であることを知りながらもできることから少しずつ変えていくようにしましょう。また、それに加え周辺症状が出現すると、ますます関係が悪化してしまいます。早めに認知症専門医に診てもらいましょう。



認知症の人の介護には、人間関係が強くからんでいます。舅は自分の行動や意思に関係なく、認知症という病気になってしまったのだと理解していても、その言動に振り回されてイライラしたり、過去の様々ないさかいが引っかかり、親身に介護ができない場合があるかもしれません。



互いに生身の人間ですから、割り切れない気持ちになってしまうのもあたりまえです。これからの認知症介護は早期発見・早期治療です。行動障害が活発に出てしまうと改善するのに大変です。抗精神薬が効果を発揮しますが、副作用も伴います。また、家庭内がしっくりいかなくなり、家族が疲弊します。ですからそうならないためにも早く治療が必要です。デイサービスへ早めに通うことが必要です。




認知症の舅は認知障害のために、自分の態度を改めて、世話をしてくれる嫁に感謝の気持ちを示そうというような理性的な考えは浮かびにくいでしょう。むしろ、「自分の弱点を知られたくない」「嫁に負けるか」といったプライドが強く出ることがあり、人間関係をますます難しくします。




一方嫁も優しく介護したいと思いながらも、毎日の舅の態度に過去の出来事が重なって、憎しみを感じるようになるかもしれません。自分の思いを語れる場「認知症の人と家族の会」が開催する家族の集いや介護経験者による電話相談で本音を語ってみましょう。同じような経験をした人はたくさんいますから、何かアドバイスをもらえるかもしれません。解決方法はないかも知れませんが自分のことを理解してくれたと実感するだけでもストレスが少なくなるでしょう。








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2009年12月24日

Q&A 目的もないのに出歩きます。どうしたらいいですか?

Q52 目的もないのに出歩きます。どうしたらよいよいですか?


A:認知症の方が出歩く理由はさまざまです。何かしらの理由があります。認知症の人の外出には、多くの危険が伴います。事故に遭わないように出歩く理由を探ってみましょう。認知症の人の介護でもっとも苦労する行動の1つが「出歩く」ことです。よく観察してみると、認知症の人の外出には、様々な理由があるのが分かります。





●居心地が悪くて出歩く場合

家にいても、家族に非難されたり無視されるために、居心地が悪く家にいたくない(施設にいたくない)ために外へ出たくなるようです。これを防ぐには、安心して家(施設)にいられるようにすることが大切です。気持が和みここにいても良いと思えるように間違ったことをしても強く指摘せず、叱らないで下さい。私どもの施設でも、何とかいごこちよく過ごしていただけるようスタッフは方策を考えます。一緒に寄り添い外出したり共に寄り添い外へ出たくなる気持の緩和を図ります。真夏や真冬は特に注意をはらいます。認知症の人が好きな話題を選んで話したり、聞いてみるのもよいでしょう。





●家にいるのに「家に帰る」という場合

認知症が進んで、過去に生きているような状態になると、現在住んでいる家が自分の家ではないように思え、生まれ育った家に帰ろうと、出歩くことがあります。「家に帰る」という場合は、いったん出かけてもらい、家族は後ろからついていって、疲れたところを見計らって「もう遅いので、私の家に泊まっていってください」などと声をかけると、一緒に帰ることがあります。




●「子供を迎えに行く」「会社に行く」と言う場合

過去に生きているような状態になると、「子供が小さいので心配だから迎えに行こうとしたり、まだ現役で働いていると思って出かけることが多いようです。「会社に行く」と言う場合は、「今日は休日で会社は休みです」と言うと、出かけなくなる場合があります。また「買い物に行く」「○○さんが呼んでいる(亡くなっている)」などということもあります。「後で一緒に買い物に行きましょう」「その人は亡くなられたと聞きましたが・・・」など、認知症の人の言葉を受け入れながら遠まわしに否定すると、納得して外出しないかもしれません。




このほかにも様々なケースがありますが、いずれにしても認知症の人の出歩く理由を理解しておく必要があります。「外出する」と言い張る場合は、まずその理由を聞きましょう。出歩くこと自体とめるのは難しいことですが、理由を知ることで、回数や時間を減らせるかもしれません。また、たとえ目的地に行ったとしても、帰り道が分からなくなることがあります。道路工事が始まったり、見慣れない大きな看板が立てられたりすると頭に描いている道と少しでも状況が異なると、いつもの道だと判断が出来なくなってしまいます。そうすると帰り道を探したりして、まちっがった方向に歩き、家にたどりつけなくなることがあります。



認知症の人の外出で家族がもっとも心配するのは、行方不明になったり、事故に遭ったりすることです。早く見つけるために紙に連絡先を書いてポケットに入れておいたり、2人3脚では、衣類に氏名、住所、電話番号などを縫いつけていただいております。
またGPSを利用したり民間サービスに登録し、利用することもお勧めです。




外出して一度でも行方不明になったことがある場合は、必ず、地元の交番や警察に出歩く可能性のある認知症の人のことを連絡しておいてください。その際には、認知症の人の氏名、年齢、性別、容姿の説明とともに、最近の顔写真(全身写真もあると良い)を添えておくといざという時、警察は発見しやすくなります。



また、外出を防ぐために玄関にセンサーをつけることを検討することも良いでしょう。認知症の人に分からないような鍵を玄関につけ、常時閉めておくようにするなどの方法もあります。安全のため必要な処置かもしれません。










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