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2009年10月05日

認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第6法則

認知症をよく理解するための
8大法則 1原則 

                         (認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)

第6 法則 こだわりの法則 パート2



これからの高齢社会では、警察官、郵便局員、銀行員、医療機関のスタッフの「業務の1つ」として、「認知症の人に上手に対応すること」を加える必要があるでしょう。認知症の人が警察等に電話をかけたり出かけたりするのを阻止することは家族に大変な負担がかかりますが、社会全体が理解して、認知症の人のこだわりに上手に対処できるようになりますと、深刻な「認知症問題」の問題性が軽くなることはあきらかです。



場面転換によりこだわりが取れることが少なくありません。話題を昔話や趣味の話にもっていったり、昔の写真等を見せると、こだわりが消えてしまう場合がよくあります。
また、お茶や食事にするとうまくいく場合が多いいので試してみましょう。往診していた92歳の男性が、夜中に騒いで眠らないとき、「軽食を出して食べさせたらよく眠ってくれるようになりました」と家族は報告してきました。



いちいち対応して消耗するのが介護者ですが、見方を変えて対応しないでそのままにしておくことが介護を楽にすることになります。
例えば、タンスから着物を引き出し部屋一面に広げている場合、畳んでタンスに戻してもすぐ引き出して散らかしてしまいます。「目に見えないと大切な着物がなくなったと心配しているからだ。お母さんの着物なのだし、自分の部屋だから好きなようにさせておこう」と考えてしまえば簡単です。



物に対する執着などは長く続くことがありますが、一般的には、一つのこだわりの症状はせいぜい半年から1年間しか続きません。「1年間の辛抱だ」と考えることもよいでしょう。



きれいで整った環境、規則正しい生活が誰にとっても望ましいものと考えがちですが、知的機能の低下によって社会的規範の束縛から自由になった認知症の人にとっては窮屈で不自由なもの以外の何者でありません。そのままにしておいて何が問題なのかと考える習慣をつけると、介護者にとってのこだわりが取れていくでしょう。



認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第6法則



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