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2009年12月15日
杉山Drの優しい医学講座
第1章 高齢者の疾病と主な症状
(認知所の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師より)
5.肺炎ほか呼吸器の病気
高齢者の肺炎は、化学療法の発達した現在でも、体の予備能力や細菌に対する抵抗力の低下、心臓疾患などの合併症を伴っている場合が多いこと。寝たきり状態になりやすいことから、治りにくく致命的になりやすいのが特徴です。65歳以上の死因では、第4位を占めています。
さらに、自覚症状が少なく、咳、痰、発熱などの症状を訴えるものが半数程度で、だるさや食欲不振などが唯一の症状の場合が少なくないこと、不眠、幻覚、錯乱、不安などの精神症状を伴うことがあること、脱水、貧血、心不全などの全身状態を悪化させる要因を伴うこと、誤嚥性肺炎など寝たきり状態と関連の深い肺炎があること、などさまざまです。
つまり、典型的な症状でないため発見が遅くなり、合併症のため重症化しやすいのが特徴といえます。
痰や咳胸痛などがなくても、食欲・活気・表情・話し方・からだの動きなど全身状態が普段と比べて悪化しているようであれば、呼吸器感染症などを疑っ受診することが必要です。
高齢者の呼吸器疾患はこの他、慢性気管支炎、肺気腫、肺結核などがあります。これらの病気は、初めは咳や痰程度の症状でも、慢性化すると、呼吸機能が低下して日常生活が大きく障害されるなど、家に閉じこもる原因の1うにもなります。
慢性呼吸器感染症の背景として、体力が低下して、嚥下障害が起こりやすいことや、口腔衛生の不十分なことなどがあります。
嚥下障害が進行すると、唾液や、食物を気管に吸い込み窒息や誤嚥性肺炎などを起こします。確実に飲み込んだのを確認して次に口に入れる。期間に吸い込みやすいピーナッツ大の食物を避ける。トロミをつけて飲み込みやすいようにする、頭の位置をあげるなどケア上の工夫が必要です。
歯周病やむし歯、あるいは口腔内の残りかすなどが感染源となり慢性気管支炎を引き起こすことがしばしばあります。適切な口腔衛生により痰が少なくなった例をよく経験します。在宅療養中であれば、訪問歯科診療、訪問歯科衛生指導など活用するとよいでしょう。口腔内の観察を怠らないようにすることが大切です。
肺の働きが慢性的に低下してきて、動脈血液中の酸素濃度が一定以下に下がると常に酸素を吸入しなければならなくなります。この状態を慢性呼吸不全と呼びます。
かつては酸素吸入をするためだけに何年間も入院していた人がいましたが、1986年4月から社会保険診療報酬の改定で在宅酸素療法が認められて以来、自宅で酸素濃縮機や液体酸素ボンベを置いて酸素吸入しながら在宅生活を送ることが可能となりました。日本全国で約8万人の人がこの治療を受けています。90年4月からは、人工呼吸器を在宅で使うこともできるようになりました。
ホームヘルパーをとしても、様々な呼吸器疾患をもつ利用者と接することになるでしょう。十分な知識をもつようにしたいものです。

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(認知所の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師より)
5.肺炎ほか呼吸器の病気
高齢者の肺炎は、化学療法の発達した現在でも、体の予備能力や細菌に対する抵抗力の低下、心臓疾患などの合併症を伴っている場合が多いこと。寝たきり状態になりやすいことから、治りにくく致命的になりやすいのが特徴です。65歳以上の死因では、第4位を占めています。
さらに、自覚症状が少なく、咳、痰、発熱などの症状を訴えるものが半数程度で、だるさや食欲不振などが唯一の症状の場合が少なくないこと、不眠、幻覚、錯乱、不安などの精神症状を伴うことがあること、脱水、貧血、心不全などの全身状態を悪化させる要因を伴うこと、誤嚥性肺炎など寝たきり状態と関連の深い肺炎があること、などさまざまです。
つまり、典型的な症状でないため発見が遅くなり、合併症のため重症化しやすいのが特徴といえます。
痰や咳胸痛などがなくても、食欲・活気・表情・話し方・からだの動きなど全身状態が普段と比べて悪化しているようであれば、呼吸器感染症などを疑っ受診することが必要です。
高齢者の呼吸器疾患はこの他、慢性気管支炎、肺気腫、肺結核などがあります。これらの病気は、初めは咳や痰程度の症状でも、慢性化すると、呼吸機能が低下して日常生活が大きく障害されるなど、家に閉じこもる原因の1うにもなります。
慢性呼吸器感染症の背景として、体力が低下して、嚥下障害が起こりやすいことや、口腔衛生の不十分なことなどがあります。
嚥下障害が進行すると、唾液や、食物を気管に吸い込み窒息や誤嚥性肺炎などを起こします。確実に飲み込んだのを確認して次に口に入れる。期間に吸い込みやすいピーナッツ大の食物を避ける。トロミをつけて飲み込みやすいようにする、頭の位置をあげるなどケア上の工夫が必要です。
歯周病やむし歯、あるいは口腔内の残りかすなどが感染源となり慢性気管支炎を引き起こすことがしばしばあります。適切な口腔衛生により痰が少なくなった例をよく経験します。在宅療養中であれば、訪問歯科診療、訪問歯科衛生指導など活用するとよいでしょう。口腔内の観察を怠らないようにすることが大切です。
肺の働きが慢性的に低下してきて、動脈血液中の酸素濃度が一定以下に下がると常に酸素を吸入しなければならなくなります。この状態を慢性呼吸不全と呼びます。
かつては酸素吸入をするためだけに何年間も入院していた人がいましたが、1986年4月から社会保険診療報酬の改定で在宅酸素療法が認められて以来、自宅で酸素濃縮機や液体酸素ボンベを置いて酸素吸入しながら在宅生活を送ることが可能となりました。日本全国で約8万人の人がこの治療を受けています。90年4月からは、人工呼吸器を在宅で使うこともできるようになりました。
ホームヘルパーをとしても、様々な呼吸器疾患をもつ利用者と接することになるでしょう。十分な知識をもつようにしたいものです。

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Posted by 2人3脚 at 07:00│Comments(0)
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