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2010年01月27日

杉山ドクターのやさしい医学講座

第1章 高齢者の疾病と主な症状
                    (認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師より)


16.味覚の変化と夜間頻尿
 知って得する身近な病気や症状  その3



〇夜間頻尿



一般に、年をとると夜間のトイレの回数が増えるといわれています。慢性疾患をもつ要介護者の場合、夜間頻尿は顕著になります。「昼間は回数が少ないのに、夜になると3回も4回もトイレで起こされます。毎晩こんな状態では、私が倒れてしまいます」という声がよく聞かれます。実際一晩4回も起こされると睡眠不足になるでしょうし、「夜に限って何回も起こされるのは嫌がらせではないか」との思いが介護者をますます疲労させます。



「水分のとる量が多いからではないか」と考えて水分の摂取を控えても、「睡眠が浅いから何度もトイレに行くのではないか」と考えて睡眠薬を投与しても、夜間のトイレ回数は変わりません。




加齢に伴う心機能、肺機能、腎機能などの低下により、昼間は活動している筋肉や内臓に優先的に血液が送られ、腎臓には十分な量の血液が送られないため尿があまり作られないのに対し、夜間は腎臓に十分な血液が送られるので尿が作られます。これが高齢者に夜間頻尿が多い理由です。夜間に尿が作られて、一日の正常な尿量となるのです。



もし夜間に尿が作れないとすると、腎不全となり大変な状態になるのです。「夜間に尿が作られるのはありがたいこと」と考えると、介護者の気持も少し楽になるのではないでしょうか。心臓や呼吸器などの疾患を持つ人、脳卒中で寝たきりの人なども夜間頻尿が見られますが、同じ理由によると考えてよいでしょう。



また、糖尿病、前立腺肥大、膀胱炎、神経因性膀胱などの疾患でも夜間頻尿が起こることがありますから、正しい診断が必要となります。夜間の尿の回数があまり近い場合には、昼間に尿が出るようにするための利尿剤や強心剤を処方する場合があります。睡眠薬はふらつきによる事故や排尿の失敗などにつながるため、お勧めできません。





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Posted by 2人3脚 at 12:50│Comments(0)医学講座
 
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