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2010年05月18日

介護者の心のケア必要・認知症長寿社会パート5

認知症長寿社会パー5
                                 (信濃毎日新聞より)


臨床心理士・上智大教授 黒田由紀子さんに聞く


介護者の心のケア必要



認知症を介護している家族が自殺や心中を考えてしまうことは介護関係者の間でよく指摘されているが、アンケートでは6人に1人が考えたことがあるとしており、その多さを改めて感じた。認知症の人に接するとき、多くの専門家は笑顔で寄り添うことを求める。でも、家族がそうるのは簡単ではない。




認知症になる前、それぞれの家族に怒ったり喜びあったりの日常を送ってきた歴史がある。その上に介護の日々が積み重なっている。大切な家族が記憶障害を伴って急速に衰えていく。それはとてもつらい喪失体験で、精神的なダメージは計り知れない。




アンケートには多くの介護者が切実な訴えを生々しく伝えてきた。兄弟など身近な人の理解が得られずに孤立感を強めたり、、福祉関係者や地域からさげすまれたと感じたりする家族の姿が読み取れた。「アンケートをしてくれてありがとう」と書いた人もいるという。厳しい状況に置かれた介護者が、気持ちを伝える場がまだ限られていることがうかがえる。




こうした現状からみて、介護者の心をケアする仕組みを整える必要がある。家族会の組織は各地にあるが、臨床心理士らとマンツーマンで4回、5回と継続的に話すことができる場も必要だ。介護上の問題に限らず、介護によって抑圧された家族介護者自身の生き方、生活、人生について、その思いを受け止める場もあるべきだ




東京都世田谷区などにそうした動きがあるが、全国的にはまだまだ足りない。「『認知症になりたくない』と簡単には言ってほしくない」と書いた人がいた。私もこれまで認知症の人と出会って多くのことを教わった。失われる能力がある一方、残っている力にその人の奥深い機微や歴史を感じてきた。





老いの姿は、その人が歴史を重ねてきたことを表すと同時に、未来の私たちの姿も示している。お年よりは人生のフロンティア(最前線)を歩む存在といえる。それは認知症になっても変わらない。認知症の人にまずできることは、そうした意識を持ちながら認知症の人と家族を温かく見守っていくこと、気軽に普通に、そして自然に声を掛けていくことではないだろうか。





介護者の心のケア必要・認知症長寿社会パート5







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この記事へのコメント
アンケートに応募した一人として結果が気になっていましたが、無記名の為

信濃毎日新聞社からは纏め記事が送られては来ませんので、『認知症長寿

社会』の紹介は有難く、№1から印刷して読み返して居ます。

問題点は沢山ありますが、何と言ってもお金の掛かること尋常ではありませ

ん。【地獄の沙汰も金次第】を地で行っている様な生活で、此の為にイライラ

して本人に当ってしまい、結果自己嫌悪に陥ることも屡です。その意味で本

号『介護者の心のケア必要』はその通りなのですが、【臨床心理士】は何処に

居て何をしてくれるのか、費用負担はどうなっているのか全く記述がありませ

ん。今居るケア付きマンションでも介護士さんの退職・補充が頻繁に行われ、

私達が現役の頃『定年までここで働こう』という気が今の若者にないのか、そ

れとも介護士の給料が低くて我慢できないのか、考えてしまいます。

信濃毎日新聞社からアンケート第2段の依頼が来ましたので、今度も確り読

んで応募しようと思います。

この新聞社は昔から非常にマジメな新聞社ですので、アンケート結果はグラ

フ化して読者に警鐘を鳴らしているものと思います。出来たらその掲載紙を

入手したいものです。
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年05月18日 10:14
久保田稔様

コメント有難うございます。

たった今久保田様にお願いがありまして

お手紙を投函してきたばかりです。

もう少し早く見ていれば一緒に新聞記事送りましたのに

ザンネ~ン。また後ほど送ります。グラフ化しており記事の多さに驚きました

1000人の中のお一人だったんですね。
Posted by 2人3脚2人3脚 at 2010年05月18日 12:54
 
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    コメント(2)