ブログ引越ししました。(2011年12月5日) ≫ http://aisin.i-ra.jp/
2010年07月08日
杉山ドクターの認知症を理解するための8大法則 1原則
認知症を理解するための
8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師)
第7法則 症状の了解可能性に関する法則
老年期の知的低下の特性や、第1~第6法則でまとめたような認知症の特徴を考えれば、認知症の症状のほとんどは、認知症の人の立場に立ってみれば十分理解できるものである、という内容の法則です。
夜間不眠といって、夜間になると目を覚まして、家族、特に介護者の名前を呼んで起こすことがあります。家族にとっては大変な悩みとなります。どうしてこのようなことが起こるのか考えてみましょう。
認知症が始まると、時間や場所の見当がつかなくなる「見当識障害」が知的機能の低下の一面として出てきます。そうすると、今自分が寝ている所も分からなくなる。目を覚ますと、真っ暗でシーンとして誰もいない。認知症の人にとってみれば、自分がどこにいるのかわからなくなって、大変な恐怖感を覚えるわけです。
私たちが旅館に泊まって、夜中に目を覚ましたときのことを考えてみて下さい。自分の寝ているところがいつもの部屋と様子が違うので、誰れでも一瞬不安を感じます。ところが次の瞬間、旅館に泊まっていることを思い出して安心し、再び何事もなかったように眠るのです。もし、そのとき、いくら考えても自分がなぜここにいるのかがわからなかったらどうでしょう。「いったいなぜ、こんな知らないところにいるんだろう」「家族は自分を置き去りにして、どこかへ行ってしまったのではないか」「眠っている間に誘拐されて、ここに閉じ込められているのではないか」
さまざまな考えが次々と頭に浮かんできて、数分後にはひどい恐怖に襲われることになるでしょう。そういうときに私たちはどうするかというと、誰もいなければ一番頼りになる人の名前を呼んで、その人が来てくれるまで呼び続けるでしょう。また、歩く自由があれば、あらゆる部屋を探し回って自分の知っている人がいないか、つまり夫や妻はいないか、子供はいないかと探し回るはずです。
認知症の人も、このような状態に置かれたのと全く同じ行動を示していると考えれば、そんなにおかしくないはずです。したがって夜間の徘徊をおさえるにどうすればよいかということは、認知症の人の気持ちになってみればよく分かります。まず、ここは自分の部屋だと分かるようにしてあげて恐怖感を和らげてあげることがポイントです。
そのコツには以下のようなことがあげられます。
部屋も老化も明るくしておく、眼をさましたときに、いつも使っているタンスや衣類が分かるようにしておく、夜中でもテレビやラジオを適切な音量でつけておく、家族の声や好きな歌など録音したテープを流すなどいろいろな音が聞こえるようにしておくなど。大事なことは、認知症のひとの恐怖感をいかにおさえるかということです。
社)認知症の人と家族の会のベテラン介護者は、こういうケースで困ったときは、添い寝をしてあげ、目を覚ましたときには「大丈夫よ」と言って手を握ってあげるということをしていました。そうすると、それほどひどく騒がないで眠ってくれるし、自分もよく休めるという事でした。私たちも子どもの頃何年間も母親に添い寝をしてもらいながら眠りについたことを思い出せばよいでしょう。
ところで、認知症の人の言動を正しく了解する上では、過去の経験が現在の認知症の症状と深い関連をもっている場合も少なくないことを覚えておいて下さい。周囲の人は本人の生活歴・職業歴を詳しく知って、認知症の人の気持ちを理解するよう努めることが大切です。

にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい

8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師)
第7法則 症状の了解可能性に関する法則
老年期の知的低下の特性や、第1~第6法則でまとめたような認知症の特徴を考えれば、認知症の症状のほとんどは、認知症の人の立場に立ってみれば十分理解できるものである、という内容の法則です。
夜間不眠といって、夜間になると目を覚まして、家族、特に介護者の名前を呼んで起こすことがあります。家族にとっては大変な悩みとなります。どうしてこのようなことが起こるのか考えてみましょう。
認知症が始まると、時間や場所の見当がつかなくなる「見当識障害」が知的機能の低下の一面として出てきます。そうすると、今自分が寝ている所も分からなくなる。目を覚ますと、真っ暗でシーンとして誰もいない。認知症の人にとってみれば、自分がどこにいるのかわからなくなって、大変な恐怖感を覚えるわけです。
私たちが旅館に泊まって、夜中に目を覚ましたときのことを考えてみて下さい。自分の寝ているところがいつもの部屋と様子が違うので、誰れでも一瞬不安を感じます。ところが次の瞬間、旅館に泊まっていることを思い出して安心し、再び何事もなかったように眠るのです。もし、そのとき、いくら考えても自分がなぜここにいるのかがわからなかったらどうでしょう。「いったいなぜ、こんな知らないところにいるんだろう」「家族は自分を置き去りにして、どこかへ行ってしまったのではないか」「眠っている間に誘拐されて、ここに閉じ込められているのではないか」
さまざまな考えが次々と頭に浮かんできて、数分後にはひどい恐怖に襲われることになるでしょう。そういうときに私たちはどうするかというと、誰もいなければ一番頼りになる人の名前を呼んで、その人が来てくれるまで呼び続けるでしょう。また、歩く自由があれば、あらゆる部屋を探し回って自分の知っている人がいないか、つまり夫や妻はいないか、子供はいないかと探し回るはずです。
認知症の人も、このような状態に置かれたのと全く同じ行動を示していると考えれば、そんなにおかしくないはずです。したがって夜間の徘徊をおさえるにどうすればよいかということは、認知症の人の気持ちになってみればよく分かります。まず、ここは自分の部屋だと分かるようにしてあげて恐怖感を和らげてあげることがポイントです。
そのコツには以下のようなことがあげられます。
部屋も老化も明るくしておく、眼をさましたときに、いつも使っているタンスや衣類が分かるようにしておく、夜中でもテレビやラジオを適切な音量でつけておく、家族の声や好きな歌など録音したテープを流すなどいろいろな音が聞こえるようにしておくなど。大事なことは、認知症のひとの恐怖感をいかにおさえるかということです。
社)認知症の人と家族の会のベテラン介護者は、こういうケースで困ったときは、添い寝をしてあげ、目を覚ましたときには「大丈夫よ」と言って手を握ってあげるということをしていました。そうすると、それほどひどく騒がないで眠ってくれるし、自分もよく休めるという事でした。私たちも子どもの頃何年間も母親に添い寝をしてもらいながら眠りについたことを思い出せばよいでしょう。
ところで、認知症の人の言動を正しく了解する上では、過去の経験が現在の認知症の症状と深い関連をもっている場合も少なくないことを覚えておいて下さい。周囲の人は本人の生活歴・職業歴を詳しく知って、認知症の人の気持ちを理解するよう努めることが大切です。

にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい

Posted by 2人3脚 at 08:00│Comments(0)
│認知症のケア・ポイント
アクセスカウンタ
ブログ内検索
カテゴリー別に目次を用意してあります。目的の記事を探すときにお役立てください。
カテゴリ
介護者からの渾身のメッセージ集 (53)
└
目次ーメッセージ集 (1)
医学講座 (152)
└
目次ー杉山Drのやさしい医学講座 (1)
認知症を防止する (35)
└
目次ー認知症を防止する (1)
教えて ホーム長 Q&A (84)
└
目次ー教えてホーム長Q&A (1)
認知症のケア・ポイント (207)
└
目次ー認知症のケアのポイント (2)
石田 ホーム長のひとり言 (423)
└
デンマーク福祉視察 (22)
└
2人3脚の日常 (1162)
└
2人3脚って どんな施設? (11)
└
地域との交流 (112)
└
2人3脚 広報室より (91)
園芸部より (51)
スタッフヘ 業務連絡 (55)
介護支援専門員(ケアマネ) (4)
メディア紹介 (3)
お気に入り
最近の記事
昨日は認知症モールセンターの当番日 (6/25)
午前中は文字合わせで脳のトレーニング (7/15)
ランチの手伝い・中華丼 (7/15)
お部屋にお花があると明るくなります。 (6/18)
家族の接し方10カ条 第3条「心のゆとり」 (4/9)
長谷川和夫先生の医学講座パート4 最終回 (12/4)
医師の目・人の目 第43条 服薬拒否・要求には工夫 (12/3)
グループホームでは大判カルタで遊びました ☆ (12/2)
ランチのお手伝い・今日は男性利用者さんが力を発揮 (12/2)
昨夜エクレールお菓子放浪記上映会富士市実行委員発足式 (12/2)
過去記事
最近のコメント
Demi Tunn / ひとりジャンケンで認知症を・・・
Carissa Hubbard / ひとりジャンケンで認知症を・・・
Star Carr / ひとりジャンケンで認知症を・・・
Enrique Sweatt / ひとりジャンケンで認知症を・・・
Nicolas Keller / ひとりジャンケンで認知症を・・・
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
QRコード

読者登録