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2010年07月11日

杉山ドクターの認知症をよく理解するための8大法則 1原則 

認知症をよく理解するための
8大法則 1原則 
             
       
                    (認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)



第8 法則 衰弱の進行に関する法則



「認知症の廊下の速度は非常に速く、認知症のない人の約3倍のスピードで進行する」という特徴を言います。認知症高齢者グループと正常高齢者グループのそれぞれ1年後との死亡率を5年間追跡した調査結果(聖マリアンナ医科大学長谷川和夫前理事長ら調査)、認知症高齢者4年後の死亡率は83.2%で、正常高齢者グループの28.4%と比べると3倍になっていました。したがって何年何十年にわたって介護し続けなければならないのかと思い悩んでいる家族に対して、私は、次のように説明することにしています。





「同じ年齢の正常な人と比べると、認知症の人の場合、老化が3倍のスピードで進むと考えてください。例えば、2年たてば6歳年をとったと同じ状態になりますから、6割位の人は認知症が出てから6~7年以内に死亡しています。見てあげられる期間は短いのです。」





介護に関する原則




「認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを、感じさせないようにする」。これが「介護に関する原則」です。私は認知症の人を介護する介護者に対して、「本人の感情や言動をまず受け入れて、それに合うシナリオを考え演じられる名優になってください。それが本人にとっても、あなたにとっても一番よい方法です。そして名優は時には悪役を演じなければなりませんよ」と話すことにしています。






認知症の人の世話をすることはときに大変つらく苦労が多いものです。介護者は家族の間で、あるいは経済的にも、また、社会に対しても、いろいろな問題を背負い込むものです。そんな場合も自分自身も俳優であると発想することは、心の負担をほんの少しでも軽くすることにもなるはずです。






とにかく認知症の人が、自分は周囲から認められているのだ、ここは安心して住めるところだ、と感じられるように日ごろから対応することが、一番楽で上手な介護になるのです。「感情残像の法則」の法則のところでも述べましたように一旦抱いた感情に関しては残像のように長い間残るので、認知症の人に良い感情をもってもらうことが介護のポイントになるのです。





杉山ドクターの認知症をよく理解するための8大法則 1原則 




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この記事へのコメント
老化のスピードが正常者の3倍、60%の人が発病後6~7年以内に死亡

ですか。10年余りは看られるように資金手当てをしてケアマンションに来て

いるのですが甘かったですか?だったら此処が安住の地であることを認識

させ、好い感情を日頃持たせるように努めましょう。
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年07月11日 11:31
久保田稔様

コメント有難うございます。

上記のように16,8%の方は10年以上寿命があるということです。

特に早期診断され早期に服薬したり、デイサービス、いきいきサロンなどに

通われると穏かな日常生活を送ることができる方もおられます。

そして介護費用も安く抑えるられます。高齢者は病気のデパートに

なりがちちなのでいちがいに言えませんが、認知症に限っては短命です。
 
例えば、小規模多機能では「泊まり」を利用しなくても在宅において「通い」


だけで十分、家族の都合に合わせて、適宜泊まることができます。

もう一つ重要なデーターは、大腿部頚部骨折等の骨折をすると

女性より男性の方が寿命が短くなります。寝込むとあっというまに

天にめされます。私は何例も経験しております。
Posted by 2人3脚 at 2010年07月11日 19:45
はじめまして...足跡から失礼いたします。
記事を読んでいて、あ~...何か役に立てないかなぁ~...。
とコメントさせていただいております...。
スクラップブッキングは少し障害を持つお子様の為に
NPO法人の酒井さんという方が積極的に活動されています。
写真は過去の思い出を鮮明に思い出させてくれる...そんな効果もある...と
酒井さんの公演を聞いた事があります。認知症に、役立つとは
なかなか難しいとは思いますが、「思い出の写真を切って、貼る」
というだけで、私のような者でも役に立てば...と思いコメントさせていただきました。頭の片隅にでも「あ~そういえばそんなのにあったなぁ~」
程度に思って頂けたら幸いです。(*^^*)
Posted by yushiamama at 2010年07月11日 23:52
yushiamama 様

コメント有難うございました。認知症かな?と疑ってから5年、長谷川式認知症
スケールでは測れなくなっています。先週カレンダーの裏に絵を書いていたので、表面の数字「8」を指差して「分かる」と聞きましたら、『昔の字ねェ』と言って『ハチ』とは言ってくれませんでした。写真やテレビでも同様で、記憶ゼロ
です。でも何か話しかけた方が良いと思っていますので、「美味しかったね」
「くたびれたね」「可愛かったね」などと、反応のない人に呼びかけては居ます。
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年07月12日 09:50
Yushiamama様

コメント有難うございます。

昔の写真はいいですね。回想療法によく使用します。また、自分史

として壁などに大きく貼ったりしています。その思い出を語りあうと

いうのもいいですね。ただ認知症の方は昔の年齢に戻ってしまう方も

おられ91歳→31歳というようにタイムスリップします。認知症の段階に

合わせて使わけるのもいいかもしれません。
Posted by 2人3脚2人3脚 at 2010年07月12日 11:11
久保田稔様

2人3脚では幼児が遊ぶ大きなパズルをよく利用しています。

一緒に考えたり共に行えるもので訓練されるとよいですよ。

うちわやカードにじゃんけんの絵柄を貼り付けて、僕に勝ってね、負けてね

等して遊んだり・・・。アイディアしだいで脳や腕のリハビリになります。幼児が 
遊ぶものを一工夫していかがですか。そこに笑いがあるといいですね。
Posted by 2人3脚2人3脚 at 2010年07月12日 11:39
 
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