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2010年08月21日

医師の目・人の目パート13 俳優のつもりで演技をしましょう

医師の目・人の目

「知ってますか?認知症 」パート13

        公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
        神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
        川崎幸(さいわい)病院  杉山孝博

共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。




俳優のつもりで演技を

前回からの続きで、相手によい感情を与え、よい介護をする田ッ目の第3のコツは「共感」。「よかったね」を話の終わりに付け加えると「共感」になる。4つのコツの中で最も実践しやすい方法だ。イライラさせられているときに相手をほめたり、感謝したりするのはやりにくい。相づちを打つにも、タイミングを合わせることも難しい。




ただ第4のコツである「誤る。事実でなくても認める」ことは、最も難しい。それに比べると「共感」は容易である。「ご飯、美味しかった?よかったね」から始めてはどうだろう。さて第4のコツは「謝る。事実でなくても認める演技をする」だ。認知症の人では「忘れたことは本人にとって事実ではない」本人が思ったことは本人にとって絶対的な事実である」という原則がある。




食べたことを忘れてしまえば、「食べてない」のが事実。「100万円を貸した」と思い込んでいる人が「借りたお金を返さないのはけしからん。カネを返してくれ」と請求するのは当然だ。それを否定して「ご飯は食べた場仮でしょう」「借りてもいないのに変なことを言わないで」と言うと、こだわりがますます強くなって混乱が続くだけである。




それよりも「今、夕食の支度をしていますからもう少し待って下さいね」「今は手元にお金がないので、明日銀行からおろしてお返しします」と、本人の思い込みをいったん受け入れながら、結論を別の方向に持っていくほうが本人の納得を得やすい。つまり本人の世界にあわせてせりふを考え、演技する俳優になったつもりで対応するのがよい。




「ごまかしたり、うそをついたりするのは、両親がとがめて、とてもできません」と介護に慣れてない介護者は言う。そのような人に対して私は「ドラマで悪役を演じる俳優は、悪役を演じることを悩んでいないでしょう。あなたも認知症の世界で悪役を演じるつもりで割り切ってください」と放すことにしている。





医師の目・人の目パート13 俳優のつもりで演技をしましょう






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