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2010年08月23日
「家族の会」認知症新時代を招き寄せた奇跡と希望パート5
「家族の会」30年
認知症新時代を
招き寄せた奇跡と希望
(認知症の人と家族の会代表理事 高見国生)
本人と家族と専門職の結びつき
●“専門職その他の人たちを包含する組織”
昨年の総会で決定した「家族の会の理念」の「組織と活動」の中に次の1項目があります。「認知症の人と家族の会」は、本人同士家族同士が励まし合い助け合って、生きる勇気と力をわかせる、認知症の人と家族の自主的な全国組織である。と同時にそのことを理解し、共に歩もうとする専門職その他の人たちも包含する組織である」。
「家族の会」は、名称どおり、本人と家族の当事者組織ですが、当事者だけの組織ではありません。専門職の人の中には「私たちは入ってはいけない組織」とか「入れない組織」と思っている人がいるようですが、そうではありません。専門職の人には是非「家族の会」に入会していただきたい。その理由は二つあります。
●当事者だけで組織は運営できない
まず第1の理由は、当事者組織といっても当事者の力だけで組織の運営ができるものではないことです。30年前に「家族の会」をは結成したときも、介護に明け暮れていた私たち家族に代わって組織づくりの実務や会場の手配、当日の運営をしてくれたのは専門職やボランティア人たちで舌。それ以来今日まで、本部の運営においても支部活動を進めるあたっても、この人たちと共に歩んできているのは、ご承知のとおりです。しかし大切なことは、その人たちは「家族の会」が当事者組織であることを十分に認識して行動してもらっていることです。
●双方が交わることに大きな意味
第2の理由は、本人と家族が生きること介護することにとっても、一方、せんもんしょくの人たちがプロとしての見識や実力を高めるためにも、双方が交わることに大きな意味があるからです。このことについて、30年を振り返って考えてみましょう。私が初めて三宅貴夫医師(現顧問)に出会ったのは、母の介護の最も大変な1979年秋のことでした。失禁と何でも食べる、私に向かって「どちら産です?」と尋ねるじょうたいに疲れ果て、もう限界だと思っている時期でした。
三宅医師はわが家を訪ねてくれて、母の状態を観察した後「大変ですね」といってくれました。租の一言が私を救ってくれました家族の苦労を医者が知ってくれた―それだけで私はもう少し頑張ってみようという気になったのです。
それと共に、母の症状が認知症という病気からくるものであること教えてくれました。母だけの特別な“奇行”ではないこと、同じような苦労をしている家族は大勢いることを医者から教えてもらうことは家族にとっても大きな励ましになるのです。認知症の人を介護する家族は、この先どうなってゆくのだろうと不安をかかえています。「命の専門家」である医療職や、「介護の専門家」である介護職が寄り添ってくれることは家族に勇気と安心を与えてくれるのです。
●家族から学び、家族に教える
一方、専門職の人にとっても、家族と交わることはプロとしての見識と実力を高めることになります。それは、仕事として働いているときは、患者である認知症の人とは接しますが、家族と接することは意外に少ないものです。しかし、認知症の人を日常的に支えている家族のことを知らずして、認知症問題は理解できません。
専門職が「家族の会」に関わることは、認知症の人と家族の生活実態を知ることになります。家族は介護の素人ですが365日、24時間の世話の中で、素人なりに工夫してづく時の介護方法を編み出したりしているものです。「家族の方から学ぶことが多い」「家族の方の頑張りを見たら、私はもっと頑張ろうと思った」などといわれる専門職は、教科書や講義で得られないスキルアップを図られたのだと思いますし、そういう人を私は尊敬します。
家族から学んだ専門職は、家族に与えるのも多くなります。例えば、杉山孝博意思(『家族の会」副代表)が提唱する「認知症をよく理解するための9大法則、1原則」。租の大2法則は、「症状の出現強度に関する法則」で、認知症の症状は身近な人にほど強く出るというものです。「なぜ私だけにつらく当たるのか」と嘆いていた家族はこの法則を知って安心します。
これらの法則や原則は、多くの家族と深く接する中で共通する悩みを発見し、医学的治験を加えて生み出されたものです。杉山医師は患者や家族から学んだのです。しかし、学んだだけではありません。そのことを基にして家族にも教えてもいるのです。
「家族の会」にはこれまでにたくさんの専門職が関わってくれています。それは、、家族と専門職がお互いに高まりあってきた歴史でもあるのです。ちなみに、現在20支部に37人の顧問がいますが、うち22人は医師・看護・介護の専門職9人。支部代表、世話人監事にも多くの専門職がいます。
つづく

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認知症新時代を
招き寄せた奇跡と希望
(認知症の人と家族の会代表理事 高見国生)
本人と家族と専門職の結びつき
●“専門職その他の人たちを包含する組織”
昨年の総会で決定した「家族の会の理念」の「組織と活動」の中に次の1項目があります。「認知症の人と家族の会」は、本人同士家族同士が励まし合い助け合って、生きる勇気と力をわかせる、認知症の人と家族の自主的な全国組織である。と同時にそのことを理解し、共に歩もうとする専門職その他の人たちも包含する組織である」。
「家族の会」は、名称どおり、本人と家族の当事者組織ですが、当事者だけの組織ではありません。専門職の人の中には「私たちは入ってはいけない組織」とか「入れない組織」と思っている人がいるようですが、そうではありません。専門職の人には是非「家族の会」に入会していただきたい。その理由は二つあります。
●当事者だけで組織は運営できない
まず第1の理由は、当事者組織といっても当事者の力だけで組織の運営ができるものではないことです。30年前に「家族の会」をは結成したときも、介護に明け暮れていた私たち家族に代わって組織づくりの実務や会場の手配、当日の運営をしてくれたのは専門職やボランティア人たちで舌。それ以来今日まで、本部の運営においても支部活動を進めるあたっても、この人たちと共に歩んできているのは、ご承知のとおりです。しかし大切なことは、その人たちは「家族の会」が当事者組織であることを十分に認識して行動してもらっていることです。
●双方が交わることに大きな意味
第2の理由は、本人と家族が生きること介護することにとっても、一方、せんもんしょくの人たちがプロとしての見識や実力を高めるためにも、双方が交わることに大きな意味があるからです。このことについて、30年を振り返って考えてみましょう。私が初めて三宅貴夫医師(現顧問)に出会ったのは、母の介護の最も大変な1979年秋のことでした。失禁と何でも食べる、私に向かって「どちら産です?」と尋ねるじょうたいに疲れ果て、もう限界だと思っている時期でした。
三宅医師はわが家を訪ねてくれて、母の状態を観察した後「大変ですね」といってくれました。租の一言が私を救ってくれました家族の苦労を医者が知ってくれた―それだけで私はもう少し頑張ってみようという気になったのです。
それと共に、母の症状が認知症という病気からくるものであること教えてくれました。母だけの特別な“奇行”ではないこと、同じような苦労をしている家族は大勢いることを医者から教えてもらうことは家族にとっても大きな励ましになるのです。認知症の人を介護する家族は、この先どうなってゆくのだろうと不安をかかえています。「命の専門家」である医療職や、「介護の専門家」である介護職が寄り添ってくれることは家族に勇気と安心を与えてくれるのです。
●家族から学び、家族に教える
一方、専門職の人にとっても、家族と交わることはプロとしての見識と実力を高めることになります。それは、仕事として働いているときは、患者である認知症の人とは接しますが、家族と接することは意外に少ないものです。しかし、認知症の人を日常的に支えている家族のことを知らずして、認知症問題は理解できません。
専門職が「家族の会」に関わることは、認知症の人と家族の生活実態を知ることになります。家族は介護の素人ですが365日、24時間の世話の中で、素人なりに工夫してづく時の介護方法を編み出したりしているものです。「家族の方から学ぶことが多い」「家族の方の頑張りを見たら、私はもっと頑張ろうと思った」などといわれる専門職は、教科書や講義で得られないスキルアップを図られたのだと思いますし、そういう人を私は尊敬します。
家族から学んだ専門職は、家族に与えるのも多くなります。例えば、杉山孝博意思(『家族の会」副代表)が提唱する「認知症をよく理解するための9大法則、1原則」。租の大2法則は、「症状の出現強度に関する法則」で、認知症の症状は身近な人にほど強く出るというものです。「なぜ私だけにつらく当たるのか」と嘆いていた家族はこの法則を知って安心します。
これらの法則や原則は、多くの家族と深く接する中で共通する悩みを発見し、医学的治験を加えて生み出されたものです。杉山医師は患者や家族から学んだのです。しかし、学んだだけではありません。そのことを基にして家族にも教えてもいるのです。
「家族の会」にはこれまでにたくさんの専門職が関わってくれています。それは、、家族と専門職がお互いに高まりあってきた歴史でもあるのです。ちなみに、現在20支部に37人の顧問がいますが、うち22人は医師・看護・介護の専門職9人。支部代表、世話人監事にも多くの専門職がいます。
つづく

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Posted by 2人3脚 at 08:00│Comments(0)
│認知症のケア・ポイント