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2010年10月18日
富士市立中央病院・医師に聞く。高齢社会の嚥下評価
医師に聞く
”富士市立中央病院診療各科の前線” パート1
(富士市立中央病院耳鼻咽喉科高柳博久医師・富士ニュースより)
高齢社会の嚥下評価
高齢社会の進展に伴って、増加が予想される疾患の1つに嚥下(えんげ)障害がある。口の中に含んだ水分や食べ物などをのどから食道、胃へ送り込む機能が低下した状態だ。脳血管障害による後遺症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やキンジストロフィーなど、神経系の機能が衰える病、外傷性の頚椎損傷など嚥下障害が発症する原因は多岐にわたる。
中央病院ではこうした患者らの機能を改善などに総合的に取り組むため、H.18年NST(栄養支援チーム)を立ち上げた。NSTには理学療法士や、作業療法士、栄養評価チーム複数の分野の専門家が参加。高柳医師が所属する耳鼻咽喉科は歯科医や言語聴覚士、看護師らと摂食・嚥下・口腔ケアチームとして加わり、主に嚥下機能の評価に携わっている。
嚥下機能の評価で行われるのは舌の運動や、のどの筋肉の反射、内視鏡による所見、食道造影など、さらに30秒間でだ液を飲み込む回数をチェックするテストで意識的な嚥下機能を評価したり、ゼリーを実際に飲み込む様子を内視鏡で観察したりして総合的に判断する。こうして嚥下能力の評価が決まると、ポタージュ状、ヨーグルト状、豆腐状、かゆなど食事の形態が決まる。
高柳医師は適切な嚥下評価が浸透することで「(口から食べる)経口摂取の患者さんが増えた」と話す。現在の患者の持っている嚥下の能力を的確に把握することで、チューブを通して直接胃に栄養分を投与する胃ろうへの安易な移行を防ぐ効果があるとの見方だ。
急性期の患者を扱う同病院では、適切なタイミングで地域の医療機関へ転院を求められる。口から食事ができることで、転院先の選択肢が広げられるほか、口から食べる喜びを感じ続けることができる。「何の楽しみもない」(高柳医師)という胃ろうの状態に比べ、QOL(生活の質)に格段の差が表れる。
胃ろうをめぐっては、さらに大きな課題もある。傾向摂取が不可能となった場合、国内では7割が胃ろうを選択。その際の平均寿命は2年で掛かる費用は700万円。米国では9割の患者が、点滴などの穏やかな治療に切り替え、限られた寿命を生きる。
高柳医師は「食べられなければすぐに胃ろうという今の日本の傾向は問題がある。こうした患者さんは呼びかけに反応もせず、意思疎通もできない。高齢者も増え、医療財源も限定された中でどういう選択肢をするか、生きるとはどういうことかも含め、立ち止まって考える必要がある」と話す。
<ホーム長のつぶやき>
大きな機関病院が上記のことを考え、地域の医療機関に転院されれば、その人らしく生きることができる。施設で関わっている我々スタッフも原因がわかり残っている機能がわかれば努力を惜しまないだろう。できるだけ家族や施設の仲間と接触を多くもつことがQOL(生活の質)の低下の予防策にもなります。セカンドオピニオンを利用しながら日常生活を過すことができること望んでいる。これは認知症にも言えることです。大きな機関病院で早期に診断がなされ、後のフォローを地域の医療機関でできれば住み慣れた地域でその人らしく暮らすことができのだ。

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”富士市立中央病院診療各科の前線” パート1
(富士市立中央病院耳鼻咽喉科高柳博久医師・富士ニュースより)
高齢社会の嚥下評価
高齢社会の進展に伴って、増加が予想される疾患の1つに嚥下(えんげ)障害がある。口の中に含んだ水分や食べ物などをのどから食道、胃へ送り込む機能が低下した状態だ。脳血管障害による後遺症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やキンジストロフィーなど、神経系の機能が衰える病、外傷性の頚椎損傷など嚥下障害が発症する原因は多岐にわたる。
中央病院ではこうした患者らの機能を改善などに総合的に取り組むため、H.18年NST(栄養支援チーム)を立ち上げた。NSTには理学療法士や、作業療法士、栄養評価チーム複数の分野の専門家が参加。高柳医師が所属する耳鼻咽喉科は歯科医や言語聴覚士、看護師らと摂食・嚥下・口腔ケアチームとして加わり、主に嚥下機能の評価に携わっている。
嚥下機能の評価で行われるのは舌の運動や、のどの筋肉の反射、内視鏡による所見、食道造影など、さらに30秒間でだ液を飲み込む回数をチェックするテストで意識的な嚥下機能を評価したり、ゼリーを実際に飲み込む様子を内視鏡で観察したりして総合的に判断する。こうして嚥下能力の評価が決まると、ポタージュ状、ヨーグルト状、豆腐状、かゆなど食事の形態が決まる。
高柳医師は適切な嚥下評価が浸透することで「(口から食べる)経口摂取の患者さんが増えた」と話す。現在の患者の持っている嚥下の能力を的確に把握することで、チューブを通して直接胃に栄養分を投与する胃ろうへの安易な移行を防ぐ効果があるとの見方だ。
急性期の患者を扱う同病院では、適切なタイミングで地域の医療機関へ転院を求められる。口から食事ができることで、転院先の選択肢が広げられるほか、口から食べる喜びを感じ続けることができる。「何の楽しみもない」(高柳医師)という胃ろうの状態に比べ、QOL(生活の質)に格段の差が表れる。
胃ろうをめぐっては、さらに大きな課題もある。傾向摂取が不可能となった場合、国内では7割が胃ろうを選択。その際の平均寿命は2年で掛かる費用は700万円。米国では9割の患者が、点滴などの穏やかな治療に切り替え、限られた寿命を生きる。
高柳医師は「食べられなければすぐに胃ろうという今の日本の傾向は問題がある。こうした患者さんは呼びかけに反応もせず、意思疎通もできない。高齢者も増え、医療財源も限定された中でどういう選択肢をするか、生きるとはどういうことかも含め、立ち止まって考える必要がある」と話す。
<ホーム長のつぶやき>
大きな機関病院が上記のことを考え、地域の医療機関に転院されれば、その人らしく生きることができる。施設で関わっている我々スタッフも原因がわかり残っている機能がわかれば努力を惜しまないだろう。できるだけ家族や施設の仲間と接触を多くもつことがQOL(生活の質)の低下の予防策にもなります。セカンドオピニオンを利用しながら日常生活を過すことができること望んでいる。これは認知症にも言えることです。大きな機関病院で早期に診断がなされ、後のフォローを地域の医療機関でできれば住み慣れた地域でその人らしく暮らすことができのだ。

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Posted by 2人3脚 at 15:35│Comments(3)
│医学講座
この記事へのコメント
最近は低血糖による脳内血流障害を避けるため【HbA1c
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年10月19日 09:28
経口摂取が不能になっても胃ろうは選ぶまいと心に決めて、栄養摂取量の調節による安穏死を選択肢のトップに置いているこの頃です。
2年余り前に当地へ越してきて、今診て貰っている先生から『奥さんのHbA1c が多少上がって合併症の恐れが出ても、低血糖による脳内血流低下による障害だけは起こさないように』と、血糖値70以下ゼロを目指すよう指示され、此処数ヶ月はほぼ完全に守れるようになりました。
先日義歯を噛み壊して作成中のためヘルパーに頼んで【刻み食】にして貰っていますが見た目にもおいしそうでなく、「早くご馳走らしい食事をあげたいな、義歯が出来たら末永く嚥下機能を保持して楽しく食べられるようにみんなで注意しよう」と心に誓っています。
嚥下機能の評価は多岐に亘って大変そうですが、これが一般化して舌・咽喉の運動機能・内視鏡観察や食道造影で残っている機能の活かし方が容易に分かれば老後の楽しみも減ることは少ないでしょう。
富士市立中央病院診療各科のご活躍と、成果の世間への周知徹底、同時にセンター長さんの適切なつぶやきに期待します。
2年余り前に当地へ越してきて、今診て貰っている先生から『奥さんのHbA1c が多少上がって合併症の恐れが出ても、低血糖による脳内血流低下による障害だけは起こさないように』と、血糖値70以下ゼロを目指すよう指示され、此処数ヶ月はほぼ完全に守れるようになりました。
先日義歯を噛み壊して作成中のためヘルパーに頼んで【刻み食】にして貰っていますが見た目にもおいしそうでなく、「早くご馳走らしい食事をあげたいな、義歯が出来たら末永く嚥下機能を保持して楽しく食べられるようにみんなで注意しよう」と心に誓っています。
嚥下機能の評価は多岐に亘って大変そうですが、これが一般化して舌・咽喉の運動機能・内視鏡観察や食道造影で残っている機能の活かし方が容易に分かれば老後の楽しみも減ることは少ないでしょう。
富士市立中央病院診療各科のご活躍と、成果の世間への周知徹底、同時にセンター長さんの適切なつぶやきに期待します。
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年10月19日 10:24
久保田稔様
コメントありがとうございます。
上記のような嚥下機能を評価してくれる病院が増えることを
期待しています。
コメントありがとうございます。
上記のような嚥下機能を評価してくれる病院が増えることを
期待しています。
Posted by 2人3脚
at 2010年10月19日 10:51
