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2010年11月03日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート5
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート5
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
2種類のレビー小体型認知症
レビー小体型認知症、発症年齢や初発症状などの違いから「通常型」と「純粋型」の2つに大きくわけられます。「通常型」は、高齢者に多く、発症年齢の平均は70歳くらいで、物忘れ(記憶障害)が最初にあらわれます。約30%の人は、亡くなるまでパーキンソン症状がみなれないという統計もあります。
一方、「純粋型」は、40歳くらいの若い人に多く、約80%の人の初発症状がパーキンソン症状です。また、両者の違いは、脳の中にアルツハイマー型認知症の病変があるかどうかで決まります。すなわち、アルツハイマー型認知症の病変があるのが「通常型」で、みられないのが「純粋型」です。その違いは、記憶障害の有無に関わってくると考えられています。
レビー小体型認知症の介護の基本
認知症の症状は、アルツハイマー型認知症を念頭に、「中核症状」と「周辺症状」に分類されるのが一般的です。幻視や妄想、抑うつなどの症状は、周辺症状に含まれます。ただし、レビー小体型認知症の場合、幻視や抑うつ症状、レム睡眠行動障害などは、それらが症状の中核になるため、周辺症状というより、むしろ中核症状といってもいいかもしれません。
中核症状と周辺症状
記憶障害や見当識障害、判断力低下など、認知症になると必ずあらわれる症状を「中核症状」という。それに対して、道にまよう、怒りっぽくなる。抑うつ、妄想、など、中核症状に伴って二次的にあらわれるものを「周辺症状」という。周辺症状はBPSDと呼ばれることもある。
レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の主なちがい
レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症
困りごと・生活障害 主に視覚認知障害の基づく 主に記憶障害に基づく
幻視 多い 少ない
妄想 幻視に基づく妄想 物盗られ妄想
認知の変動 あり なし
睡眠の障害 レム睡眠行動障害に伴う 単純な睡眠障害
睡眠障害
レビー小体型認知症にかぎらず、介護者が介護を行ううえでは、2つのことを知らなければなりません。1つは、相手の人のことを知ることです。もう1つは、相手の病気について知るということです。どちらか一方だけ知っているというのでは務まりません。相手を知るというのは、性格、嗜好、価値観、習慣、性格史などを知ることです。また、相手の病気を知るというのは、疾患やそれに伴う症状、特徴、治療法などの知識を持っていることです。
なお、レビー小体型認知症におけるケアの3大ポイントは、1.適切な薬物療法 2.経過に沿った適切な介護 3.転倒の予防です。レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症以上に、薬や介護のあり方で症状・経過が左右されます。
<ホーム長のつぶやき>
レビー小体型認知症の方はアルツハイマー型認知症のかたより本人にとってつらいのだと思います。特に幻視に左右される妄想ですので、見えるものが我々職員には見えません。それを否定したりするとさらに症状が悪化する場合があります。よくそばに親族がいるような会話をしています。自分の視界から消えると大声で見えている方の名前を呼び、行ってしまったことに腹を立てるようです。そんな時幻視に伴う妄想が落ち着くまで静かに待ちます。長い時間は続きませんので見守ります。
後はレム睡眠行動障害による不眠が大変です。介護家族の苦労はよくわかります。介護されている自分たちが睡眠不足になると、翌日の仕事にさしさわりが出てしまいます。また、強い眠剤はふらつきや転倒の恐れもあるので危険です。2日眠れなければ翌日は眠れるというゆとりを持ちましょう。
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わかるガイドブックパート5
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
2種類のレビー小体型認知症
レビー小体型認知症、発症年齢や初発症状などの違いから「通常型」と「純粋型」の2つに大きくわけられます。「通常型」は、高齢者に多く、発症年齢の平均は70歳くらいで、物忘れ(記憶障害)が最初にあらわれます。約30%の人は、亡くなるまでパーキンソン症状がみなれないという統計もあります。
一方、「純粋型」は、40歳くらいの若い人に多く、約80%の人の初発症状がパーキンソン症状です。また、両者の違いは、脳の中にアルツハイマー型認知症の病変があるかどうかで決まります。すなわち、アルツハイマー型認知症の病変があるのが「通常型」で、みられないのが「純粋型」です。その違いは、記憶障害の有無に関わってくると考えられています。
レビー小体型認知症の介護の基本
認知症の症状は、アルツハイマー型認知症を念頭に、「中核症状」と「周辺症状」に分類されるのが一般的です。幻視や妄想、抑うつなどの症状は、周辺症状に含まれます。ただし、レビー小体型認知症の場合、幻視や抑うつ症状、レム睡眠行動障害などは、それらが症状の中核になるため、周辺症状というより、むしろ中核症状といってもいいかもしれません。
中核症状と周辺症状
記憶障害や見当識障害、判断力低下など、認知症になると必ずあらわれる症状を「中核症状」という。それに対して、道にまよう、怒りっぽくなる。抑うつ、妄想、など、中核症状に伴って二次的にあらわれるものを「周辺症状」という。周辺症状はBPSDと呼ばれることもある。
レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の主なちがい
レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症
困りごと・生活障害 主に視覚認知障害の基づく 主に記憶障害に基づく
幻視 多い 少ない
妄想 幻視に基づく妄想 物盗られ妄想
認知の変動 あり なし
睡眠の障害 レム睡眠行動障害に伴う 単純な睡眠障害
睡眠障害
レビー小体型認知症にかぎらず、介護者が介護を行ううえでは、2つのことを知らなければなりません。1つは、相手の人のことを知ることです。もう1つは、相手の病気について知るということです。どちらか一方だけ知っているというのでは務まりません。相手を知るというのは、性格、嗜好、価値観、習慣、性格史などを知ることです。また、相手の病気を知るというのは、疾患やそれに伴う症状、特徴、治療法などの知識を持っていることです。
なお、レビー小体型認知症におけるケアの3大ポイントは、1.適切な薬物療法 2.経過に沿った適切な介護 3.転倒の予防です。レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症以上に、薬や介護のあり方で症状・経過が左右されます。
<ホーム長のつぶやき>
レビー小体型認知症の方はアルツハイマー型認知症のかたより本人にとってつらいのだと思います。特に幻視に左右される妄想ですので、見えるものが我々職員には見えません。それを否定したりするとさらに症状が悪化する場合があります。よくそばに親族がいるような会話をしています。自分の視界から消えると大声で見えている方の名前を呼び、行ってしまったことに腹を立てるようです。そんな時幻視に伴う妄想が落ち着くまで静かに待ちます。長い時間は続きませんので見守ります。
後はレム睡眠行動障害による不眠が大変です。介護家族の苦労はよくわかります。介護されている自分たちが睡眠不足になると、翌日の仕事にさしさわりが出てしまいます。また、強い眠剤はふらつきや転倒の恐れもあるので危険です。2日眠れなければ翌日は眠れるというゆとりを持ちましょう。

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Posted by 2人3脚 at 11:07│Comments(0)
│医学講座