ブログ引越ししました。(2011年12月5日) ≫ http://aisin.i-ra.jp/

2010年11月03日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート5

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート5



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)



2種類のレビー小体型認知症


レビー小体型認知症、発症年齢や初発症状などの違いから「通常型」と「純粋型」の2つに大きくわけられます。「通常型」は、高齢者に多く、発症年齢の平均は70歳くらいで、物忘れ(記憶障害)が最初にあらわれます。約30%の人は、亡くなるまでパーキンソン症状がみなれないという統計もあります。





一方、「純粋型」は、40歳くらいの若い人に多く、約80%の人の初発症状がパーキンソン症状です。また、両者の違いは、脳の中にアルツハイマー型認知症の病変があるかどうかで決まります。すなわち、アルツハイマー型認知症の病変があるのが「通常型」で、みられないのが「純粋型」です。その違いは、記憶障害の有無に関わってくると考えられています。





レビー小体型認知症の介護の基本


認知症の症状は、アルツハイマー型認知症を念頭に、「中核症状」と「周辺症状」に分類されるのが一般的です。幻視や妄想、抑うつなどの症状は、周辺症状に含まれます。ただし、レビー小体型認知症の場合、幻視や抑うつ症状、レム睡眠行動障害などは、それらが症状の中核になるため、周辺症状というより、むしろ中核症状といってもいいかもしれません。





中核症状と周辺症状


記憶障害や見当識障害、判断力低下など、認知症になると必ずあらわれる症状を「中核症状」という。それに対して、道にまよう、怒りっぽくなる。抑うつ、妄想、など、中核症状に伴って二次的にあらわれるものを「周辺症状」という。周辺症状はBPSDと呼ばれることもある。





レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の主なちがい


              レビー小体型認知症      アルツハイマー型認知症
困りごと・生活障害  主に視覚認知障害の基づく   主に記憶障害に基づく 
   幻視              多い                少ない
   妄想         幻視に基づく妄想         物盗られ妄想
 認知の変動            あり                なし
 睡眠の障害     レム睡眠行動障害に伴う      単純な睡眠障害
                  睡眠障害 
  





レビー小体型認知症にかぎらず、介護者が介護を行ううえでは、2つのことを知らなければなりません。1つは、相手の人のことを知ることです。もう1つは、相手の病気について知るということです。どちらか一方だけ知っているというのでは務まりません。相手を知るというのは、性格、嗜好、価値観、習慣、性格史などを知ることです。また、相手の病気を知るというのは、疾患やそれに伴う症状、特徴、治療法などの知識を持っていることです。   





なお、レビー小体型認知症におけるケアの3大ポイントは、1.適切な薬物療法 2.経過に沿った適切な介護 3.転倒の予防です。レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症以上に、薬や介護のあり方で症状・経過が左右されます。 







<ホーム長のつぶやき>  


レビー小体型認知症の方はアルツハイマー型認知症のかたより本人にとってつらいのだと思います。特に幻視に左右される妄想ですので、見えるものが我々職員には見えません。それを否定したりするとさらに症状が悪化する場合があります。よくそばに親族がいるような会話をしています。自分の視界から消えると大声で見えている方の名前を呼び、行ってしまったことに腹を立てるようです。そんな時幻視に伴う妄想が落ち着くまで静かに待ちます。長い時間は続きませんので見守ります。





後はレム睡眠行動障害による不眠が大変です。介護家族の苦労はよくわかります。介護されている自分たちが睡眠不足になると、翌日の仕事にさしさわりが出てしまいます。また、強い眠剤はふらつきや転倒の恐れもあるので危険です。2日眠れなければ翌日は眠れるというゆとりを持ちましょう。  






レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート5








にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ



同じカテゴリー(医学講座)の記事画像
長谷川和夫先生の医学講座パート4 最終回
アルツハイマー病国内10年ぶり新薬・効果は従来並み
10月1日アルツハイマーデー片山先生の講演内容パート9
10月1日アルツハイマーデー・片山先生の講演内容パート8
介護予防講習会・認知症に強い脳を作ろう 講演内容パート2
10月1日アルツハイマーデー・片山先生に講演内容パート7
同じカテゴリー(医学講座)の記事
 長谷川和夫先生の医学講座パート4 最終回 (2011-12-04 20:19)
 アルツハイマー病国内10年ぶり新薬・効果は従来並み (2011-11-23 07:00)
 10月1日アルツハイマーデー片山先生の講演内容パート9 (2011-11-21 07:00)
 10月1日アルツハイマーデー・片山先生の講演内容パート8 (2011-11-17 10:15)
 介護予防講習会・認知症に強い脳を作ろう 講演内容パート2 (2011-11-13 20:38)
 10月1日アルツハイマーデー・片山先生に講演内容パート7 (2011-11-12 07:00)

Posted by 2人3脚 at 11:07│Comments(0)医学講座
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート5
    コメント(0)