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2010年12月29日
知っていますか?レビー小体型認知症・診断、治療、介護は
知っていますか?レビー小体型認知症パート2
今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ364号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が掲載されていましたのでご紹介します。
●レビー小体型認知症とは何か?
レビー小体型認知症(DLB)は1996年に始めて国際的に承認された比較的新しい認知症ですが、これは1976以降の筆者らの一連の報告により知られるようになり、日本で発見された病気です。しかも、DLBという名称が提唱されてわずか10年ほどで国際的によく知られるようになり、いまや欧米でもわが国でもアルツハイマー型認知症に次いで二番目にに多い高齢者の認知症として知られるようになりました。しかし、病状が多彩で、誤診されていることが少なくないことを前回記載しました。パーキンソン症状(後述)が先行して、後に幻視や認知症が現れることがよくあります。
DLBは65歳以上の高齢者に発病しやすいのですが、65歳未満んに発病することも少なくなく、その場合にはパーキンソン症状で発病し、パーキンソン病と診断されることが多いのです。ドイツのレビLewyは1912年パーキンソン病の脳幹で始めて特異な神経細胞内封入体(レビー小体)を見つけ、後にレビー小体はパーキンソン病には必ず見出される病理所見であることがわかり、1976年以降の一連の論文で、レビー小体が大脳皮質にもたくさん出現し認知症をきたすことが明らかにされたのです。ですから、DLBでは大脳から脳幹(大脳と脊髄の間の部分)に、さらに抹消の交感神経にもレビー小体が現れる、全身病なのです。
●レビ小体型認知症の特徴的な症状
DLBでは認知症が主体ですが、認知症が目立つ前に①具体的な内容の人や小動物についての特有な幻視、②認知機能の変動、③パーキンソン症状がしばしば現れます。幻視はDLBに最も特徴的で重要な症状です。「赤い服を着た女の子が私のすぐそばに座っている。いつの間にか現れていつの間にかいなくなる」「白い服を着た男の人と女の人が何人か廊下を行き来している」「何人かの男の子や女の子が座敷で遊んでいる」とか「黒い大きい犬がそこに座っている」「アリのような黒い虫が廊下の隅に行列を作っている」といった、具体的な内容のありありとした幻視が特徴的です。
「触ろうとすると消えてしまう」「電気をつけると消えてしまう」と話します。家族が否定するため「私にしか見えないようなんです」と話すこともある。幻視の他にテーブルの上の人形が人に見えたり、水道の蛇口のホースが蛇に見えたりする「錯視」、「天井が波を打って見える」「床が歪んで見える」といった「変形視」、「夫が二人いる」「自分の家が他にもある」といった「重複記憶錯誤」といったいろいろな視覚認知障害が現れることもあります。認知の変動もよく見られます。頭がはっきりしているときとボートしている時が日により時により変動します。ぼーとしている時に幻視などの視覚認知障害が起こりやすいのです。
パーキンソン症状としては、手足の振戦、筋肉のこわばり、動作緩慢、前屈姿勢、小股歩行などが多く、進行する尾すり足歩行、すくみ足なども加わる。パーキンソン病とまったく同じ症状が出現しますが、DLBでは振戦は比較的まれです。幻視に基づく妄想や行動異常が出現することもあります。人が無断で言えに現れるため、物を盗んでいくとか、私を監視しているといった被害的な妄想が現れることもありますし、「主人が夜中に女の人と寝ている」などと嫉妬妄想を示すこともあります。このため抗精神病薬が安易に使用され、体が硬くなったり、過鎮静になることもよくあります。これは「抗精神病薬への過敏性」といって、DLBにはよくみられるものです。
―つづく―

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●レビー小体型認知症とは何か?
レビー小体型認知症(DLB)は1996年に始めて国際的に承認された比較的新しい認知症ですが、これは1976以降の筆者らの一連の報告により知られるようになり、日本で発見された病気です。しかも、DLBという名称が提唱されてわずか10年ほどで国際的によく知られるようになり、いまや欧米でもわが国でもアルツハイマー型認知症に次いで二番目にに多い高齢者の認知症として知られるようになりました。しかし、病状が多彩で、誤診されていることが少なくないことを前回記載しました。パーキンソン症状(後述)が先行して、後に幻視や認知症が現れることがよくあります。
DLBは65歳以上の高齢者に発病しやすいのですが、65歳未満んに発病することも少なくなく、その場合にはパーキンソン症状で発病し、パーキンソン病と診断されることが多いのです。ドイツのレビLewyは1912年パーキンソン病の脳幹で始めて特異な神経細胞内封入体(レビー小体)を見つけ、後にレビー小体はパーキンソン病には必ず見出される病理所見であることがわかり、1976年以降の一連の論文で、レビー小体が大脳皮質にもたくさん出現し認知症をきたすことが明らかにされたのです。ですから、DLBでは大脳から脳幹(大脳と脊髄の間の部分)に、さらに抹消の交感神経にもレビー小体が現れる、全身病なのです。
●レビ小体型認知症の特徴的な症状
DLBでは認知症が主体ですが、認知症が目立つ前に①具体的な内容の人や小動物についての特有な幻視、②認知機能の変動、③パーキンソン症状がしばしば現れます。幻視はDLBに最も特徴的で重要な症状です。「赤い服を着た女の子が私のすぐそばに座っている。いつの間にか現れていつの間にかいなくなる」「白い服を着た男の人と女の人が何人か廊下を行き来している」「何人かの男の子や女の子が座敷で遊んでいる」とか「黒い大きい犬がそこに座っている」「アリのような黒い虫が廊下の隅に行列を作っている」といった、具体的な内容のありありとした幻視が特徴的です。
「触ろうとすると消えてしまう」「電気をつけると消えてしまう」と話します。家族が否定するため「私にしか見えないようなんです」と話すこともある。幻視の他にテーブルの上の人形が人に見えたり、水道の蛇口のホースが蛇に見えたりする「錯視」、「天井が波を打って見える」「床が歪んで見える」といった「変形視」、「夫が二人いる」「自分の家が他にもある」といった「重複記憶錯誤」といったいろいろな視覚認知障害が現れることもあります。認知の変動もよく見られます。頭がはっきりしているときとボートしている時が日により時により変動します。ぼーとしている時に幻視などの視覚認知障害が起こりやすいのです。
パーキンソン症状としては、手足の振戦、筋肉のこわばり、動作緩慢、前屈姿勢、小股歩行などが多く、進行する尾すり足歩行、すくみ足なども加わる。パーキンソン病とまったく同じ症状が出現しますが、DLBでは振戦は比較的まれです。幻視に基づく妄想や行動異常が出現することもあります。人が無断で言えに現れるため、物を盗んでいくとか、私を監視しているといった被害的な妄想が現れることもありますし、「主人が夜中に女の人と寝ている」などと嫉妬妄想を示すこともあります。このため抗精神病薬が安易に使用され、体が硬くなったり、過鎮静になることもよくあります。これは「抗精神病薬への過敏性」といって、DLBにはよくみられるものです。
―つづく―
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Posted by 2人3脚 at 17:25│Comments(0)
│医学講座