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2011年01月11日

介助時中腰の姿勢を見直しましょう。体を痛めない工夫を

体を痛めない武術介護             
         理学療法士・介護福祉士 岡田慎一郎氏の生活ワイドより




体の使い方の工夫




介護する中で、最も負担が掛かりやすい姿勢といえば、ほとんどの方が中腰の姿勢を挙げるでしょう。おむつ交換、体の向きを変える、車椅子やベッドの移乗、トイレ・入浴の介助など、介助の主な場面で中腰の姿勢が必要です。日々の介護で腰痛を起こす方もたくさんいます。





通常なら、腹筋や背筋を鍛えることが、腰痛の予防策となりますが、ここでは介護者の姿勢を見直し、筋力に頼らない予防をしたいと思います。腰を痛めやすい方の姿勢をよく見ると、腰から上体を前傾しています。なぜかといえば、腰から体を曲げると前傾しやすく、つい、そうする癖がついているからです。





しかし、腹から体を曲げると腰に負担が集中し、たとえば、クレーンで物を吊り上げるような態勢になっています。では、中腰でも腰を痛めにくくするには、どのようにすれば良いのでしょうか。それは、腹から曲げるのではなく股関節から前傾をすることです。ポイントは、足元の使い方。腹から曲げる場合、足元が固定されているため、どうしても股関節が動きにくくなり、動きやすい腹から前傾することになってしまいます。




そこで、足元を固定せず、両足のつま先を広げていくと、股関節も広がって動きやすくなります。すると、股関節からの前傾がしやすくなります。また、腹から前傾するのと、股関節から前傾するのとでは、圧倒的に股関節からの方が動きやすいことに気がつくと思います。 





股関節から前傾すると腰は曲がらず、骨盤と腰骨まっすぐになっています。つまり、前傾の中腰の場合でも、腰を曲げた構造的に、もろい姿勢ではなく、、骨盤と腰骨がまっすぐな、構造的に強い姿勢を保つことが大事なのです。ただし股関節が動きにくい方が無理をして中腰になると、かえって腰を痛めかねません。そういう方は、ベッドでの介助であれば、片膝をベッドにつくなどすればよいでしょう。





腰が曲がりにくくなり、骨盤と腰骨がまっすぐな姿勢を楽に保てるはずです。ところが、中には、膝をついても腰が曲がっている方もいます。やはり、基本的な体の使い方をしっかり踏まえて、中腰の姿勢を見直してみてください。






<ホーム長つぶやき>


看護学生の頃(43歳で入学)、「ボディーメカニクス」について勉強しました。それをちょっとご紹介しましょう。簡単に言うと、介護者・要介護者ともに安楽に行える介護の基本です。この基本を知っていっると知らないとでは天と地の差があるかも・・・・。
人間の姿勢や動作時の姿勢、骨格・筋肉などの力学的関係から考えられた効率に良い体の使い方です。上記の古武術介護に似ています。





1.基底面積を広く取りましょう→足を閉じたままでなく、左右の足を前後に出して、肩幅に開くと面積が広くなりますよね。両足に囲まれたこの面積を基底面積といいこの面積が狭いと腰や体に負担が大きくかかります。
 
2.重心を低くしましょう→膝を軽く曲げ重心を低くすることで、介護者の体のバランスが安定します。また、体の重心移動をによる介助を楽に行うためにも、重心を低くしましょう。

3.体を密着させてみましょう→思い荷物を移動させるとき体を荷物に近づけませんか。当たり前のことですが、いざ人間となると忘れがち。対象者に近づき、フォークダンスするように同じ方向にに動くようにします。同一方向に動くことで無理なく動くことができます。

4.対象者を小さくまとめるようにしましょう→対象者を移動させるときは腕を胸の上に乗せる、足を曲げる等、小さくまとめるようにすると、体とベッドなどの接地面積(摩擦)が減り、移動が楽にできますよ。

5.大きな筋群を使いましょう→重いものを持ち上げるとき、膝を伸ばしたまま持ち上げると腰に負担がかかります。膝を曲げて持ち上げましょう。それと同じで、筋肉や関節への負担を分散させるために膝を軽く曲げ、膝の屈伸を使ったり腕の筋力だけに頼らず背筋を使ってみましょう。

6.てこの原理を使いましょう→支点(支えとなる分)・力点(力を加える部分)・作用点(加えた力が働く部分)小学生の理科で習いましたよね。これらの関係を頭に入れておくと少ない力で大きな効果が得られますよ。





対象者を移動する時は持ち上げないで下さいね。持ち上げることが一番腰に負担がかかります。持ち上げないで、自分(介護者)の方に引くように、また、向きを変えるとき等は、転がすようなつもりで。




対象者の残存能力を活用しましょう。行動する前に必ず声をかけましょう。意識してもらうだけでずいぶん違うものです。
                                    ―以上ご参考まで―







介助時中腰の姿勢を見直しましょう。体を痛めない工夫を







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