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2011年01月15日
脳卒中早期発見のために・寒い時期には増加します
脳卒中の早期発見のために
(生活ワイド・聖マリアンナ医科大学・長谷川泰弘教授より)
脳の血管が詰まる、破れるなどの原因で起こる脳卒中。早期発見が重要ですが、症状を見逃して受診が遅れ、重症化を招くこともあります。脳卒中や受診のアドバイスについて、聞きました。
寒い時期には増加
脳卒中は脳血管障害とも言われ、脳の血管に何らかの問題が発生して障害を起こす病気です。「脳梗塞」(脳の血管が詰まる)、「脳出血」(脳内の血管が破裂する)、「くも膜下出血」(脳表面の血管にできた動脈瘤が破裂する)、の3つのタイプがあります。「脳梗塞」は心臓の中にできた血の固まり(不整脈等心臓の病気が原因)がはがれ、脳血管を詰めてしまう塞栓症と、高血圧、高LDLコレステロール血症や糖尿病などによる脳の血管による動脈硬化が原因となって引き起こされる「脳血栓症」に大きく分かれます。
「脳出血」は脳の内部の細い血管が、高血圧によって破れることが原因です。最近は、脳出血よりも脳梗塞の患者が増えており、脳卒中全体の7割を占めています。これは高血圧治療がいきわたってきたことと、高齢化に伴い、動脈硬化による病気を起こす世代が増えていることによると思われます。一方「くも膜下出血」は高血圧や喫煙・飲酒などの生活習慣に加え遺伝的要素が関与しています。寒い冬の時期は血圧が上昇しやすく、最も脳卒中の発生が増える季節ですので、特に注意が必要です。
「突然」の発症が特徴
では、脳卒中の場合、どのような症状が起きるのでしょうか。次のような症状が、「突然」起きた場合は、脳卒中の疑いがあります。何日か前からなんとなくおかしいという場合は脳卒中の可能性は低く、「昨日までなんともなかったのに、今朝、起きたら急に・・・」というように、突然に起こるのが脳卒中の特徴です。
■麻痺やしびれ
体の片側のみに麻痺やしびれがある
■めまい
まっすぐ歩けない、バランスが悪くなる。
■言葉の障害
言葉がうまく出ない、理解不能。ろれつが回らない。
■視野が欠ける
左右どちらの目で見ても、視野が半分ほどしかない。または、物が二重に見える
■頭痛
これまでに経験したことのないほど、激しい頭痛が起こる
「顔・腕・言葉」」ですぐ受診!
3つの検査で判断
脳卒中は、初期の症状が軽くても、次第に悪化することのある病気です。本来一刻も早く病院へ受診する必要があります。特に脳梗塞では、発症3時間以内に血栓溶解療法を受ければ、後遺症が極めて軽く済む可能性が高いのです。しかし、自信を持って脳卒中だと判断し、医療機関を緊急受診できる人は、多くないのが現状です。
また脳卒中の中には、数十分程度で完全に症状が回復する一過性の発作もあり、さらに受診が遅れる場合があります。このような前触れ発作があると、48時間以内に5%が再発します。一時的な症状であっても、油断はできません。最近顔面の左右差、片腕の麻痺、言語障害の三つを評価することで、誰でも自信を持って脳卒中の判断ができることが分かってきました。私は「脳卒中『顔・腕・言葉』ですぐ受診」と覚えてもらうよう訴えています。
脳卒中と判断する場合
適切な方法で検査を行い、次の三つのうち一つでも当てはまれば、7割以上の確率で脳卒中と判断できます。その場合すぐに救急車を呼んでください。
①顔→→→「イー」と言おうとした時、口の片側しか上がらない。
②腕→→→両手の平を上向きにして、肘から先を上げるか、「前にならえ」姿勢をとる。目をつぶって5秒間待つと麻痺のある側が下がり、片麻痺があることが分かる。
③言葉→→→会話してろれつが回らない、意味不明の会話、言葉が出ない症状を見つける。
脳卒中を起こした本人がこれらを行なうのは難しいことが多いので、「様子がおかしい、脳卒中かな?」と思った時、周囲の人がチェックしてあげてください。脳卒中が疑われた場合、自分で運転して病院へ向かうことは絶対に避けましょう。望ましいのは、救急車を呼ぶことです。救急車を待つ間は、麻痺している側を上にして横向きに寝ます。
2人に一人が再発
脳卒中が起こる背景には動脈硬化がありそれを促進するのは、喫煙、運動不足、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった悪い生活習慣や生活習慣病などです。生活習慣との関連が強いことから、治療やリハビリが終えても、生活習慣を見直さない限り、再発の可能性は高いままです。最近の調査では、脳梗塞の場合、2人に1人が発症後10年以内に再発しています。また、10人に1人が1年以内に再発していることが分かってきました。
生活習慣病の治療には、薬物療法や、生活習慣などの改善が必要です。特に、脳出血の再発予防では、血圧のコントロールが大変重要になります。早期の発見・治療のための知識を広めるとともに、一度脳卒中になった人は、再発防止に力を注いでいきたいものです。
<ホーム長のつぶやき>
今私が一番心配なのが、自分の健康です。生活習慣病を改善しなくては。高LDL コレステロールが高く、血圧が軽度に高く、メタボです。運動不足は分かっていますが、いざ実行にうつせない。水着を買いプール用の帽子を購入しましたが、一回もプールにいけず。しかし今年こそは実行しよう。上記のお話はとっても参考になりました。顔・腕・言葉の異常ですぐ受診しましょう。

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(生活ワイド・聖マリアンナ医科大学・長谷川泰弘教授より)
脳の血管が詰まる、破れるなどの原因で起こる脳卒中。早期発見が重要ですが、症状を見逃して受診が遅れ、重症化を招くこともあります。脳卒中や受診のアドバイスについて、聞きました。
寒い時期には増加
脳卒中は脳血管障害とも言われ、脳の血管に何らかの問題が発生して障害を起こす病気です。「脳梗塞」(脳の血管が詰まる)、「脳出血」(脳内の血管が破裂する)、「くも膜下出血」(脳表面の血管にできた動脈瘤が破裂する)、の3つのタイプがあります。「脳梗塞」は心臓の中にできた血の固まり(不整脈等心臓の病気が原因)がはがれ、脳血管を詰めてしまう塞栓症と、高血圧、高LDLコレステロール血症や糖尿病などによる脳の血管による動脈硬化が原因となって引き起こされる「脳血栓症」に大きく分かれます。
「脳出血」は脳の内部の細い血管が、高血圧によって破れることが原因です。最近は、脳出血よりも脳梗塞の患者が増えており、脳卒中全体の7割を占めています。これは高血圧治療がいきわたってきたことと、高齢化に伴い、動脈硬化による病気を起こす世代が増えていることによると思われます。一方「くも膜下出血」は高血圧や喫煙・飲酒などの生活習慣に加え遺伝的要素が関与しています。寒い冬の時期は血圧が上昇しやすく、最も脳卒中の発生が増える季節ですので、特に注意が必要です。
「突然」の発症が特徴
では、脳卒中の場合、どのような症状が起きるのでしょうか。次のような症状が、「突然」起きた場合は、脳卒中の疑いがあります。何日か前からなんとなくおかしいという場合は脳卒中の可能性は低く、「昨日までなんともなかったのに、今朝、起きたら急に・・・」というように、突然に起こるのが脳卒中の特徴です。
■麻痺やしびれ
体の片側のみに麻痺やしびれがある
■めまい
まっすぐ歩けない、バランスが悪くなる。
■言葉の障害
言葉がうまく出ない、理解不能。ろれつが回らない。
■視野が欠ける
左右どちらの目で見ても、視野が半分ほどしかない。または、物が二重に見える
■頭痛
これまでに経験したことのないほど、激しい頭痛が起こる
「顔・腕・言葉」」ですぐ受診!
3つの検査で判断
脳卒中は、初期の症状が軽くても、次第に悪化することのある病気です。本来一刻も早く病院へ受診する必要があります。特に脳梗塞では、発症3時間以内に血栓溶解療法を受ければ、後遺症が極めて軽く済む可能性が高いのです。しかし、自信を持って脳卒中だと判断し、医療機関を緊急受診できる人は、多くないのが現状です。
また脳卒中の中には、数十分程度で完全に症状が回復する一過性の発作もあり、さらに受診が遅れる場合があります。このような前触れ発作があると、48時間以内に5%が再発します。一時的な症状であっても、油断はできません。最近顔面の左右差、片腕の麻痺、言語障害の三つを評価することで、誰でも自信を持って脳卒中の判断ができることが分かってきました。私は「脳卒中『顔・腕・言葉』ですぐ受診」と覚えてもらうよう訴えています。
脳卒中と判断する場合
適切な方法で検査を行い、次の三つのうち一つでも当てはまれば、7割以上の確率で脳卒中と判断できます。その場合すぐに救急車を呼んでください。
①顔→→→「イー」と言おうとした時、口の片側しか上がらない。
②腕→→→両手の平を上向きにして、肘から先を上げるか、「前にならえ」姿勢をとる。目をつぶって5秒間待つと麻痺のある側が下がり、片麻痺があることが分かる。
③言葉→→→会話してろれつが回らない、意味不明の会話、言葉が出ない症状を見つける。
脳卒中を起こした本人がこれらを行なうのは難しいことが多いので、「様子がおかしい、脳卒中かな?」と思った時、周囲の人がチェックしてあげてください。脳卒中が疑われた場合、自分で運転して病院へ向かうことは絶対に避けましょう。望ましいのは、救急車を呼ぶことです。救急車を待つ間は、麻痺している側を上にして横向きに寝ます。
2人に一人が再発
脳卒中が起こる背景には動脈硬化がありそれを促進するのは、喫煙、運動不足、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった悪い生活習慣や生活習慣病などです。生活習慣との関連が強いことから、治療やリハビリが終えても、生活習慣を見直さない限り、再発の可能性は高いままです。最近の調査では、脳梗塞の場合、2人に1人が発症後10年以内に再発しています。また、10人に1人が1年以内に再発していることが分かってきました。
生活習慣病の治療には、薬物療法や、生活習慣などの改善が必要です。特に、脳出血の再発予防では、血圧のコントロールが大変重要になります。早期の発見・治療のための知識を広めるとともに、一度脳卒中になった人は、再発防止に力を注いでいきたいものです。
<ホーム長のつぶやき>
今私が一番心配なのが、自分の健康です。生活習慣病を改善しなくては。高LDL コレステロールが高く、血圧が軽度に高く、メタボです。運動不足は分かっていますが、いざ実行にうつせない。水着を買いプール用の帽子を購入しましたが、一回もプールにいけず。しかし今年こそは実行しよう。上記のお話はとっても参考になりました。顔・腕・言葉の異常ですぐ受診しましょう。

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Posted by 2人3脚 at 10:55│Comments(0)
│医学講座