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2011年01月22日

冬に多い“究極の生活習慣病”心筋梗塞・狭心症危険因子は

冬に多い“究極の生活習慣病”
心筋梗塞・狭心症

        生活ワイド・榊原記念病院の伊東春樹副院長





高脂血症、肥満などが危険因子






心臓にかかわる様々な病気を心臓病と呼び、がんに次いで日本人の死因の第2位を占めています。その原因でもっとも多いのが、虚血性心疾患(冠動脈疾患)という病名で総称される、心筋梗塞や狭心症です。





血管がせまくなる、ふさがる


心筋梗塞や狭心症の多くは心臓に張りめぐらされた冠動脈の硬化によっておこります。重大な危険因子には高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などが挙げられますが、さらにその背景には、食生活や、運動不足など、日常生活のよくない習慣があります。





虚血性心疾患は究極の生活習慣病と呼ぶこともできるのです。また、発症が冬に多いのです。血管の内皮(内膜)が弱くなり傷つくと、コレステロールなどが内皮の下に入り込み、プラーク(粥状の固まり)を作り、血管がふさがっていきます。血管がどの程度ふさがっているかを狭窄率と呼びますが、狭窄率が75%を越えると、狭心症の症状が出ると言われています





狭心症は血液の通り道が狭くなり、一時的に血流が低下する状態です。薬を飲んだり、安静にすることで、血流量が回復すると発作はおさまります。プラークの表面には内膜がありますが、その膜が破れてプラークが血管内に露出すると、血小板などが集まり、血栓(血液の固まり)を作ります。さらに赤血球もついて大きくなり、数時間から数日で完全に冠動脈をふさいでしまうことがあります。これが心筋梗塞です。心筋梗塞では、詰まった先の心筋が壊死します。その間に、不整脈や心不全、ショックを引き起こし、生命を失うことがあります。





痛みの範囲と感じ方


「胸が締め付けられるように、痛くて苦しい」症状が数分間続く場合、狭心症の可能性があります。ただし、痛みの範囲や感じ方は人によって異なります。「心臓が左よりだから痛みも左側」と考えがちですが、そうとは限りません。多くは胸の中央に症状が出ます。また、みぞおちや左腕、首や奥歯などが痛むことがあります。発作が起きた時は次のことに気をつけてください。





【初めての発作のとき】


①.安全な場所へ移動
・階段の途中であれば手すりにつかまって様子を見る。
・トイレにいた場合、トイレから出て楽な姿勢をとる。
・横になったりしゃがむむと心臓に負担がかかるので、椅子などに座る(血圧が下がったり、意識がない場合は別)


②.衣服を緩め楽な姿勢をとる
・寒ければ毛布などを掛ける


③.10分以上痛みが続くときは救急車を呼ぶ





【何度目かの発作で、医師から薬を処方されているとき】


①.硝酸薬(ニトログリセリン)舌下へ含むか、スプレーする


②.5分経っても効果がない時は、もう一度試す


③.それでも治まらなければ、救急車を呼ぶ





こらえられない胸痛



胸を締め付けられるような痛み」が続く場合は、心筋梗塞の可能性があります。みぞおち、左の奥歯・あご、腕、手、背中が痛むことがあります。次のような症状が10分以上続いたら、救急車を呼びます。




・こらえられない激しい胸痛

・顔が真っ白で、冷や汗がでる

・嘔吐、脈の乱れ、失神、ショック状態






救急車が来るまでは、安全な場所で、楽にして待ちます。狭心症の人は、硝酸薬を服用しましょう。逆に、胸の痛みと、同時に、次のことが当てはまる場合、心臓から来る痛みではない可能性が高いといえます。



・咳や大きな息をする、体位を変える、痛む部位を押すなどのことをすると、痛みが強くなる

・ピンポイントで痛みの部位を指すことができる

・チクっとする痛みがある





薬物療法と手術療法



動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まっている場合には、狭窄部分を広げる治療や手術を行ないます。薬物療法では、硝酸薬で血管を広げ、血栓溶解薬を使って血流を再開させます。手術には、冠動脈造影検査の後、バルーン(風船)療法で血管を広げたり、広げた部分を、ステントという金属製の網状の筒で補強するものなどがあります。(経皮血管形成術)






手術は左の冠動脈の根元に狭窄がある時、狭窄が多い時などに有効です。慢性の虚血性心疾患の場合、経皮血管形成術をすべきかどうか医師によく相談してください。1ヵ所に狭窄を起こした人は程度は軽くても、約8割以上の確立で、他の部位にも狭窄を起こしています。生活習慣そのものを見直さない限り、再発の可能性が高いままです。





虚血性心疾患による死亡率をフィンランドでは8割減、米国では半減させることに成功しました。その大きな要因は、高血圧や高脂血症の治療、食事や禁煙、運動でした。一度虚血性心疾患になっても死亡率を下げることができます。しかし日本では、心臓リハビリテーション受けられる病院が少ないうえ、保険診療では5ヶ月までしか受けられません。この点は今後の課題です。心臓リハビリテーションを推進する民間非営利団体(NPO)もありますので、必要な人は調べてもよいでしょう。心筋梗塞や狭心症の危険性は誰にでもあります。再発を防ぎたい人はもちろん、1度もなったことのない人も偏った食事や運動不足に気をつけ、予防に努めたいものです。







<ホーム長のつぶやき>

生活ワイドの記事を2回にわたってブログアップしてみました。この冬はとても寒く心筋梗塞も起こしやすいですね。昨年の12月は2人3脚の町内、境の公民館にて蘇生の訓練を指導させていただきました。心臓が止まってしまってから5分以内でしたらAEDも効果があります。救急車が来るまで蘇生しながら待ったり、AEDを2人3脚に手分けして取りにいくなど、如何にして町内、隣近所で連携していくかで生死が決まります。さらに心肺停止した後、自発呼吸が再開した後の後遺症(脳へのダメージ)を減らすことができます。とてもいい勉強になりました。






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Posted by 2人3脚 at 09:35│Comments(0)医学講座
 
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