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2011年05月01日

医師の目・人の目認知症 第33条心理的ハードル越えて

医師の目・人の目

「知ってますか?認知症」 パート33

        公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
        神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
        川崎幸(さいわい)病院  杉山孝博

共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。





心理的ハードル越えて


「母がデイサービスに行っている間、さみしがっていないかしら、家に帰りたいと言っているのではないかしらと、いつも気になって気持ちが落ち着きません」「初めてショートステイを利用したとき、親戚から『老人ホームに預けるなんて、あなたはお世話する気があるの』と激しく非難されました。それ以来、どんなに疲れていてもショートステイを利用しませんでした」





介護保険などの介護サービスが充実しても、それを利用することへのためらい、気兼ね、遠慮といった「心理的ハードル」が高ければ、せっかくの制度も利用されない。心理的ハードルの高さは、社会的理解度だけでなく、個人の性格・経験・考え方、第三者によるアドバイスの有無によっても変化する。川崎市ホームヘルプサービスが制度化されて間もない頃、ある介護者は「ヘルパーさんが来る日は朝早く起きて家の中を掃除するのでかえって大変です」と話した。





笑い話のようだが、私が実際に何例も経験したことである。当時は他人が家に入ってくる場合、玄関か居間までであって、台所や寝室に入りこむことに心理的抵抗感を感じたのだ。ところが20年後の今日、在宅介護サービスの中で訪問介護は最もよく利用されるサービスになった。介護保険制度になってからは特に、訪問介護を積極的に利用し、介護の負担を軽減して気持ちの余裕を得ようとする家族が多くなってきた。






親戚の目や世間体を気にし始めると心理的ハードルが一気に高まる。「他人は他人、自分は自分だ」「いずれ皆私たちと同じ経験をするのだ」と割り切ると楽になる。知識を豊かにすること、人々とのつながりもつこと、過去にこだわらず現在を認めることも心理的ハードル下げるのに有効だ。一度サービスを使って楽になる経験をすることは、次の利用を後押ししてくれる。同じ悩みを持つ家族の会に参加して気が楽になり、介護サービスを利用する気持ちになった人もあれば、ケアーマネジャーから紹介された介護用品を使いながら介護の負担を軽くした人もいる。





そうしたさまざまな体験を通して、介護者は心理的ハードルを乗り越えながら、上手な介護を続けていくのである。保健師や医師、サービス提供するスタッフが利用を勧めることによっても、心理的ハードルを低くできる。サービスの量と質を充実させることは大事だが、利用しやすい環境づくりに配慮しなければ、本当の援助にはならない。







<ホーム長のつぶやき>


まだまだ、介護保険サービスを利用せず在宅介護している方がおります。家族の会に入会し、つどいなどに参加すると今まで体験してきた介護家族の思いを聴くことができます。そして自然と介護の方法を学んでいきます。さらに、頑張らない介護が認知症本人にとっても良い結果が出ることが分かってきます。是非皆さん介護方法を学んで楽な介護をしましょう。また、認知症コールセンターも多いに利用しましょう。疑問に思ったら是非お電話ください。富士市フィランセにおいて面談や電話相談に2名のボランティアスタッフで対応

TEL 0545-64-9042 毎週 火・木・土(10:00~15:00)










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