ブログ引越ししました。(2011年12月5日) ≫ http://aisin.i-ra.jp/
2011年07月06日
基本的人権を守るために「行動の自由」と「身体の安全」
基本的人権を守るために
認知症の人と家族の会 顧問 三宅貴夫医師(認知症の本より)
介護で守りたい
「行動の自由」と身体の安全」
認知症の人が入院したとき、周辺症状から点滴や管を抜いてしまうときがあって、その際やむを得ずミトンの手袋をつけることがありました。しかし、これは「物理的拘束」といって介護保険制度導入と同時に、介護施設では禁止となりました。同じように拘束とみなすものに、「車椅子に乗せてベルトで固定する」、「ベッドを柵で囲む」、「つなぎの服を着せる」、「部屋に閉じ込める」などがあります。そして「薬物による拘束」として抗精神病薬による鎮静が有ります。
認知症の人と介護者を守る
「高齢者逆体防止法」
「高齢者虐待防止法は」高齢者への虐待防止と保護に関する法律です。これは虐待した人を罰するのではなく、高齢者と介護者を保護する目的で作られました。虐待には「身体的虐待」、「無視または放置という虐待」、「心理的虐待」、「性的虐待」、「経済的虐待」があります。
介護者自身は虐待の自覚が乏しいことが多いのですが、無意識のうちに虐待にあたる行為をしているかもしれないことを認識しておく必要があります。虐待を予防するためにも、一人で介護を抱え込まず、周囲の人の理解を得て、介護サービスを積極的に利用し、必要があれば、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談しましょう。
いずれも、基本的人権である「行動の自由」を侵す行為である、という考えが基本となっています。その一方、私たち介護する者には、「身体の安全」を保障するつとめがあります。認知症の人を守るという観点から、身体拘束をゼロにすることは、難しいかもしれませんが、「行動の自由」を侵さないための介護者の努力は」、介護の質を高め、認知症の人の生活の質を高めることにつながります。
<ホーム長のつぶやき>
2人3脚では『身体拘束ゼロ宣言をし、ゼロを目指しています。毎月1回スタッフ会議で身体拘束、高齢者虐待防止委員から意見を聞き、話し合われます。「だめだめ」、「ちょっと待っててね」気づかずに発している言葉を振り返っています。『身体拘束は何故問題なのか』先日、施設内研修で発表されました。身体拘束を廃止していく第一歩は、ケアにあたるスタッフのみならず、施設、病院等の責任者、職員全体や利用者の家族が、身体拘束の弊害を正確に認識していかなければ身体拘束ゼロはめざせません。
「身体拘束ゼロ宣言」6つの基準
介護を受けているすべての人が人権を尊重され、人間としての尊厳を持ちながら、安心して穏やかにすごしていただけるよう、次の6つの基準に沿った取組みを行い、身体拘束をゼロを目指します。
①.身体拘束廃止をトップが決意し、責任を持って取り組んでいます。
②.「身体拘束廃止委員会」等を設置し、より良いケアに実現に向けた運営をしています。
③.身体拘束廃止について、職種を超え担当メンバー全員(チーム)で話し合うなどして、問題意識を共有しています。
④.利用者の家族に対して身体拘束廃止について協力関係を築いています。
⑤.事故が発生しないためにの工夫をしています。
⑥.最新の知識と技術を職員が学ぶ機会を設け、積極的に取り入れています。
身体拘束について家族の声
認知症の人と家族の会アンケート調査結果より
●アルツハイマーの夫について「点滴をはずしたら困るから両手を縛ってもいいでしょうか」と医師に言われ、そうしました。「かわいそうだ」と言ってナースの一人が自由にしたところ重ねて縛られていた両手をさすっている夫の姿を見て、思わず泣きました。
●私の父は、夫婦部屋に行ったにもかかわらず、4年前徘徊したばかりに別々にさせられ、何もない4人部屋で車椅子のベルトさせられた。家族が来て職員が「いいですよ」といわない限り、母の所へも連れていくことも出来ず、泣く泣く帰ったことがある。
●つなぎ服については、私も同じことをした経験があるので、介護のひとつの手段として選ばざるを得ないが、亡くなった今は窮屈だったろうと自責の念が残っています。入院当初家に帰りたがるため、入り口を施錠し、薬でおとなしくさせるなど病院に入れて病人をひどくさせたようで淋しく後悔したが入院を頼んだため、病院のやり方が不満でも致し方なかった。
●「治療のため」といいますが、そればかりとは思えません。病院の職員はそれが当然のごとく振る舞い、出来れば取りはずしてあげようという態度は見られません。また点滴なども取り外せない位置をもっと真剣に考えれば工夫できると思います。
●(身体拘束禁止は、)人権尊重等を考えれば、当然と思いますが、働く方々の意識を変えていかなければ、たとえ禁止令が出たとしても、なくなることはないと思います。

にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい

にほんブログ
認知症の人と家族の会 顧問 三宅貴夫医師(認知症の本より)
介護で守りたい
「行動の自由」と身体の安全」
認知症の人が入院したとき、周辺症状から点滴や管を抜いてしまうときがあって、その際やむを得ずミトンの手袋をつけることがありました。しかし、これは「物理的拘束」といって介護保険制度導入と同時に、介護施設では禁止となりました。同じように拘束とみなすものに、「車椅子に乗せてベルトで固定する」、「ベッドを柵で囲む」、「つなぎの服を着せる」、「部屋に閉じ込める」などがあります。そして「薬物による拘束」として抗精神病薬による鎮静が有ります。
認知症の人と介護者を守る
「高齢者逆体防止法」
「高齢者虐待防止法は」高齢者への虐待防止と保護に関する法律です。これは虐待した人を罰するのではなく、高齢者と介護者を保護する目的で作られました。虐待には「身体的虐待」、「無視または放置という虐待」、「心理的虐待」、「性的虐待」、「経済的虐待」があります。
介護者自身は虐待の自覚が乏しいことが多いのですが、無意識のうちに虐待にあたる行為をしているかもしれないことを認識しておく必要があります。虐待を予防するためにも、一人で介護を抱え込まず、周囲の人の理解を得て、介護サービスを積極的に利用し、必要があれば、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談しましょう。
いずれも、基本的人権である「行動の自由」を侵す行為である、という考えが基本となっています。その一方、私たち介護する者には、「身体の安全」を保障するつとめがあります。認知症の人を守るという観点から、身体拘束をゼロにすることは、難しいかもしれませんが、「行動の自由」を侵さないための介護者の努力は」、介護の質を高め、認知症の人の生活の質を高めることにつながります。
<ホーム長のつぶやき>
2人3脚では『身体拘束ゼロ宣言をし、ゼロを目指しています。毎月1回スタッフ会議で身体拘束、高齢者虐待防止委員から意見を聞き、話し合われます。「だめだめ」、「ちょっと待っててね」気づかずに発している言葉を振り返っています。『身体拘束は何故問題なのか』先日、施設内研修で発表されました。身体拘束を廃止していく第一歩は、ケアにあたるスタッフのみならず、施設、病院等の責任者、職員全体や利用者の家族が、身体拘束の弊害を正確に認識していかなければ身体拘束ゼロはめざせません。
「身体拘束ゼロ宣言」6つの基準
介護を受けているすべての人が人権を尊重され、人間としての尊厳を持ちながら、安心して穏やかにすごしていただけるよう、次の6つの基準に沿った取組みを行い、身体拘束をゼロを目指します。
①.身体拘束廃止をトップが決意し、責任を持って取り組んでいます。
②.「身体拘束廃止委員会」等を設置し、より良いケアに実現に向けた運営をしています。
③.身体拘束廃止について、職種を超え担当メンバー全員(チーム)で話し合うなどして、問題意識を共有しています。
④.利用者の家族に対して身体拘束廃止について協力関係を築いています。
⑤.事故が発生しないためにの工夫をしています。
⑥.最新の知識と技術を職員が学ぶ機会を設け、積極的に取り入れています。
身体拘束について家族の声
認知症の人と家族の会アンケート調査結果より
●アルツハイマーの夫について「点滴をはずしたら困るから両手を縛ってもいいでしょうか」と医師に言われ、そうしました。「かわいそうだ」と言ってナースの一人が自由にしたところ重ねて縛られていた両手をさすっている夫の姿を見て、思わず泣きました。
●私の父は、夫婦部屋に行ったにもかかわらず、4年前徘徊したばかりに別々にさせられ、何もない4人部屋で車椅子のベルトさせられた。家族が来て職員が「いいですよ」といわない限り、母の所へも連れていくことも出来ず、泣く泣く帰ったことがある。
●つなぎ服については、私も同じことをした経験があるので、介護のひとつの手段として選ばざるを得ないが、亡くなった今は窮屈だったろうと自責の念が残っています。入院当初家に帰りたがるため、入り口を施錠し、薬でおとなしくさせるなど病院に入れて病人をひどくさせたようで淋しく後悔したが入院を頼んだため、病院のやり方が不満でも致し方なかった。
●「治療のため」といいますが、そればかりとは思えません。病院の職員はそれが当然のごとく振る舞い、出来れば取りはずしてあげようという態度は見られません。また点滴なども取り外せない位置をもっと真剣に考えれば工夫できると思います。
●(身体拘束禁止は、)人権尊重等を考えれば、当然と思いますが、働く方々の意識を変えていかなければ、たとえ禁止令が出たとしても、なくなることはないと思います。

にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい

にほんブログ
Posted by 2人3脚 at 11:35│Comments(0)
│医学講座