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2011年08月05日
医師の目・人の目 第39条 脳の病変が原因で最多
医師の目・人の目
「知ってますか?認知症」 パート39
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
脳の病変が原因で最多
今回から認知症の原因について考えてみたい。認知症の原因には、脳そのものの病変による一次的要因と脳以外の身体的、精神的ストレスによる、二次的要因がある。まず一次的要因には、脳萎縮性変化(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)、血管性変化、(血管性認知症)、内分泌・代謝性・中毒性疾患(甲状腺機能低下症、アルコール性認知症など)、感染性疾患(クロイツフェルト・ヤコブ病、脳梅毒による進行麻痺)、手術による効果が期待できる正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍といった疾患がある。このように認知症を起こす原因はたくさんある。
早期診断早期治療により、症状が改善する場合があるので、できるだけ早く専門医に診てもらうことが必要だ。二次的要因には、環境の変化や人間関係、不安、抑うつ、混乱、身体的苦痛などがある。入院や転居といった環境の変化で認知症が出現することが骨折や貧血などからだの変化により、認知症がひどくなることがよくある。配偶者の死や定年退職がきっかけで認知症が始まった例も少なくない。二次的要因をみつけて適切な対策をとるのが、実は最も重要で有効な方法である。
主な一次的要因について説明しよう。アルツハイマー病あるいはアルツハイマー型認知症では、大脳の神経細胞と「老人斑」と呼ばれる変化が見られるのが特徴だ。原因は不明だがベーターアミロイドというタンパク質の老廃物が多量蓄積し、神経細胞や神経のネットワークが破壊されることが分かっている。頭部CTなどの検査をすると、中年期以降に大脳、特に記憶中枢のある側頭葉の海馬という部分に萎縮が認められる。物忘れから始まって徐々に進行する。運動神経は侵されないので初期には体はよく動く。進行は穏かになることはあっても、次第に大脳機能が喪失して寝たきりになっていく。
40代後半から65歳未満に発症した場合をアルツハイマー病、65歳以降に発病した場合をアルツハイマー型認知症と呼ぶ。認知症の原因として最も多い。初期の段階であれば記憶力を改善する「塩酸ドネベジル」(商品名アリセプト)など使われるようになったが、脳の萎縮そのものを治すものではない。認知症が進行すれば、数年で薬の効果は期待できなくなる。
<ホーム長のつぶやき>
身体的疾患で認知症が出現することを今までの看護経験から体験している。例えば癌の末期や脳に腫瘍ができていて気がつかないでいる。また、甲状腺機能低下症やうつ病が長く続き認知症を併発したり、アルコールの飲みすぎでおかずを食べず、ビタミン不足からアルコール性の認知症になった方もおられた。環境要因として、一番多いのが親族が亡くなられたことによる喪失間から認知症になってしまった例や骨折前は認知症がなかったのに、入院したら認知症になってしまったケースを多く体験した。

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「知ってますか?認知症」 パート39
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川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
脳の病変が原因で最多
今回から認知症の原因について考えてみたい。認知症の原因には、脳そのものの病変による一次的要因と脳以外の身体的、精神的ストレスによる、二次的要因がある。まず一次的要因には、脳萎縮性変化(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)、血管性変化、(血管性認知症)、内分泌・代謝性・中毒性疾患(甲状腺機能低下症、アルコール性認知症など)、感染性疾患(クロイツフェルト・ヤコブ病、脳梅毒による進行麻痺)、手術による効果が期待できる正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍といった疾患がある。このように認知症を起こす原因はたくさんある。
早期診断早期治療により、症状が改善する場合があるので、できるだけ早く専門医に診てもらうことが必要だ。二次的要因には、環境の変化や人間関係、不安、抑うつ、混乱、身体的苦痛などがある。入院や転居といった環境の変化で認知症が出現することが骨折や貧血などからだの変化により、認知症がひどくなることがよくある。配偶者の死や定年退職がきっかけで認知症が始まった例も少なくない。二次的要因をみつけて適切な対策をとるのが、実は最も重要で有効な方法である。
主な一次的要因について説明しよう。アルツハイマー病あるいはアルツハイマー型認知症では、大脳の神経細胞と「老人斑」と呼ばれる変化が見られるのが特徴だ。原因は不明だがベーターアミロイドというタンパク質の老廃物が多量蓄積し、神経細胞や神経のネットワークが破壊されることが分かっている。頭部CTなどの検査をすると、中年期以降に大脳、特に記憶中枢のある側頭葉の海馬という部分に萎縮が認められる。物忘れから始まって徐々に進行する。運動神経は侵されないので初期には体はよく動く。進行は穏かになることはあっても、次第に大脳機能が喪失して寝たきりになっていく。
40代後半から65歳未満に発症した場合をアルツハイマー病、65歳以降に発病した場合をアルツハイマー型認知症と呼ぶ。認知症の原因として最も多い。初期の段階であれば記憶力を改善する「塩酸ドネベジル」(商品名アリセプト)など使われるようになったが、脳の萎縮そのものを治すものではない。認知症が進行すれば、数年で薬の効果は期待できなくなる。
<ホーム長のつぶやき>
身体的疾患で認知症が出現することを今までの看護経験から体験している。例えば癌の末期や脳に腫瘍ができていて気がつかないでいる。また、甲状腺機能低下症やうつ病が長く続き認知症を併発したり、アルコールの飲みすぎでおかずを食べず、ビタミン不足からアルコール性の認知症になった方もおられた。環境要因として、一番多いのが親族が亡くなられたことによる喪失間から認知症になってしまった例や骨折前は認知症がなかったのに、入院したら認知症になってしまったケースを多く体験した。
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Posted by 2人3脚 at 13:38│Comments(0)
│認知症のケア・ポイント