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2011年09月15日

認知症を理解するための8大法則 1原則 第8法則・原則

認知症をよく理解するための
8大法則 1原則 
                    
                        (認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)



第8法則 衰弱の進行に関する法則




「認知症の老化の速度は非常に速く、認知症のない人の約3倍のスピードで進行する」という特徴をいいます。認知症高齢者グループと正常高齢者グループのそれぞれ1年ごとの死亡率を5年間追跡した調査結果(聖マリアンナ医科大学長谷川和夫前理事長ら調査)、認知症高齢者の4年後の死亡率は83.2%で、正常高齢者グループの28.4%と比べると3倍になっていました。したがって何年何十年にわたって介護し続けなければならないのかと思い悩んでいる家族に対して、私は、次のように説明することにしています。






「同じ年齢の正常な人と比べると、認知症の人の場合、老化が3倍のスピードで進むと考えてください。例えば、2年たてば6歳年をとったと同じ状態になりますから、6割位の人は認知症が出てから6~7年以内に死亡しています。見てあげられる期間は短いのです。」






介護に関する原則




「認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを、感じさせないようにする」。これが「介護に関する原則」です。私は認知症の人を介護する介護者に対して、「本人の感情や言動をまず受け入れて、それに合うシナリオを考え演じられる名優になってください。それが本人にとっても、あなたにとっても一番よい方法です。そして名優は時には悪役を演じなければなりませんよ」と話すことにしています。






認知症の人の世話をすることはときに大変辛く苦労が多いものです。介護者は家族の間で、あるいは経済的にも、また、社会に対しても、いろいろな問題を背負い込むものです。そんな場合も自分自身も俳優であると発想することは、心の負担をほんの少しでも軽くすることにもなるはずです。






とにかく認知症の人が、自分は周囲から認められているのだ、ここは安心して住めるところだ、と感じられるように日ごろから対応することが、一番楽で上手な介護になるのです。「感情残像の法則」のところでも述べましたように一旦抱いた感情に関しては残像のように長い間残るので、認知症の人に良い感情をもってもらうことが介護のポイントになるのです。








「ホーム長のつぶやき>



今回で8大法則・1原則が終了となります。皆さんいかがでしたか。介護が終わった方は納得されたことでしょう。それと同時に反省されているのではないでしょうか。今介護中の方。遅くはありません。これから起こりうる不可思議な言動は意味があるのです。自分から発せられないSOSをいち早くシグナルから感じ取ってあげなければいけません。





今回の第8の衰弱進行の法則。以前は長谷川和夫先生の講演でも伺ったことがありました。一般の方に比べて進行が3倍のスピードで早く死に至ります。特に若年性の方は人によって違いますが意外と進行が速くあっという間に寝たきりの状態になってしまった人を病院勤務時代経験しました。それはどうしてでしょう。先にも述べましたが、認知症が重度になってしまうと自分から苦しさを訴えられません。周りの人が異変にいち早く気づかなければ手遅れになることがあります。だから病気のことや高齢者の疾患について学んでほしいのです。





認知症の方が、大腿骨頚部骨折をしてしまうと男性の方が女性より4倍のスピードで死に至るそうです。経験からもその通りです。女性は危篤の場面から復活する場面が多いのですが、男性はあっという間に合併症の肺炎を併発し亡くなられます。ですので常日頃からリスクを頭に入れながら、転倒を起こさないように介護するように努めましょう。





私は常日頃から、職員にはいつも“快”の状態でいられるように関わりましょう、と言っています。演技者、俳優になってください。だますことは良くないと、叱ったりけなしたりしてはいけません。その反動が介護者自身に振りかかってきます。ごてごてに回らないためにも、常に笑顔で接し、いい気分でいられる方がずっと介護が楽になります。真剣に聞く耳を持ち、認知症という病気を理解しながら関わってくると、自然と相手は介護者を認めてくれるようになります。この人は息子や娘、妻、夫だとは理解していなくても、自分を良く知ってくれており優しく頼りになる人と思ってくれます。





海馬の横にある扁桃体という箇所が感情を司っています。病気が進行しても扁桃体まで侵されるのに時間がかかり、侵されずに残されている確立が高いのだそうです。よって感情はとても豊かで観察力は鋭いです。嫌なイメージを受けるとずっと覚えています。また、楽しいこと、この人は私に対して優しくしてくれ頼りになる人、五感が磨かれるように関わると認知症の方の五感は人一倍働き、心地よい音楽、素晴らしい景色、良い香りが残るようになります。認知症の方を理解する努力をしましょう。もし自分が認知症になったら、どんな介護受けたいでしょうか。いま、これからの高齢者について真剣に考えてみませんか。85歳以上の方は四人に一人が認知症になる時代です。







認知症を理解するための8大法則 1原則 第8法則・原則




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この記事へのコメント
『以前読んだな?』 と思って file を開いたら、2010年7月に出ていて  print out していました。その時 『介護は大変でも 6~7年頑張れば…』 と自分に言い聞かせて努力しましたが、100日前に家内を見送って 『ああ頑張ったんだ』と納得し、読んでおいて良かったと改めて思いました。

今介護付き有料老人ホームに居ますが、3年前に誘われて麻雀仲間になったグループの1人が去年から認知症の初期症状になり、ルールを忘れたり、ゲーム進行に文句をつけたり、仲間としては困った存在になりつつあります。

2人3脚のお蔭でいろんな認知症のことを学んでいましたので、時に明るく、時に俳優を演じ、時に聞こえぬ振りをして何とか場をもたせて来ましたが、自己主張が強くて仲間と口論になることが増えたので、私がその争いを引き受けて場をなだめるようにしたところ、私を唯一の味方と思ってか仲裁を受けて静かにするようになりました。

この人は家族もなく、他に趣味もないので私が抜けるわけにもいかないので、「そう永いことではないんだから」 とメンバーを壊さない事にしています。
Posted by 久保田 稔 at 2011年09月24日 09:28
久保田稔様

おはようございます。

過去記事を改めて学ぶことも大切とアップしています。昨年と今年では

私の中でのとらえ方も進歩してきました。

上記の対応good です。皆さんが理解を示し今できることをやればいい。特にボーダーにいる方は皆さんの努力で進行が違ってきます。光景を思い浮かべると、目頭が熱くなります。がんばって強い見方になってあげてください。また、早めにアリセプトの服用をお勧めます。マージャンは脳のトレーニングにいいですね。
Posted by 2人3脚 at 2011年09月24日 09:42
 
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