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2011年01月20日
2012年改正に向けての方向性・認知症の人と家族の会
2012年度改正に向けての方向性
2012年度の改正にあたって具体的に以下の6項目を提案します。
公益法人・認知症の人と家族の会
提言・要介護認定廃止 「家族の会の提言」をめぐって
1.要介護認定を廃止する。
まず認定から出発するのでなく、暮らしの中での介護の必要性から出発する制度にする。
介護保険制度の主人公は、税金、保険料、利用料を負担しているのは国民です。本来、制度の利用は利用者の介護の必要性から出発すべきであるにもかかわらず、要介護認定という関所を通らなければいけないことによって制度の主人公としての意識を著しく傷つけられています。ケアマネージャも認定の結果に縛られ自由な発想を奪われています。客観的な指標であるべき介護度も、2009年4月改定の結果、調査基準が恣意的に操作されていることが明らかになり、その権威を著しく失墜しました。
また利用者にとって不都合な点も目立ってきました。非該当になれば切実に必要だった1つのサービスも受けることができません。出される結果も、特に認知症に関しては正確さを欠くことが少なくありません。更新のたびにその結果に振り回されます。介護度が下がってしまえば同じサービスが続けて受けられなくなります。また、基準がかわれば、利用者の状態が、同じでも結論は変わってしまいます。限度額を超える利用については、制限するか、自己負担しなければなりません。
このように客観性を欠くだけでなく、不都合な点の多いシステムはなくしたほうがよいというのが結論です。その上、コンピューターシステムの維持管理や審査会のために、膨大な費用がかかります。その額は少なくとも2800億円ともいわれています。その費用を介護サービスの充実のために振り分けることもできます。
2.介護サービスの決定は、保険者を加えた新たなサービス担当者会議の合議に委ねる。
要介護認定をなくした場合でも、介護保険の適用が必要であるか否かを、誰かが、何らかの形で判断する必要があります。そのための新たなシステムとして、利用者、家族、ケアマネージャー、事業者、主治医の従来のメンバーに保険者を加えた、新たなサービス担当者会議の合議によって、サービスが必要かどうか、必要だとすれば、どのサービスが、どのような内容と頻度で必要かを決定する方式を提案しています。
その決定を持って介護保険制度を適用するか否か(保険事故が発生したか否か)の判断とします。まだサービスは必要ないという結論に至ることもあるでしょうが、少なくとも利用者、家族はその決定の場に参加することができます。また、制度の運用面において措置から契約に変わったと言われながら、サービスの具体的な内容が厚生労働省のQ&Aや市町村のルールなどによって、措置の時代以上に制約される傾向にあります。
サービスの具体的内容も新たなサービス担当者会議で決めて行くことも含んだ提案です。関係者が利用者本人とその生活状況を確認して判断することで、利用者の必要性から出発する利用者主体の制度にすることができます。要介護認定廃止に伴い限度額もなくなりますので、合議の結果必要と認められたサービスは全て1割負担で受けられることになります。
3.介護サービス情報公表制度は廃止する。
形式的な情報が多く、しかも使いにくい公開の仕方で役に立っていません。一方で、調査に関わる費用は事業者にとっては大きな負担となっています。この財源も介護サービスの充実に振り向けることができます。
4.介護サービス利用の自己負担割合は1割を堅持する。
利用料の2割への引き上げの意見もありますが、現行の1割であるべきです。低所得者への減免措置の充実はいうまでもありません。
5.財源の内、公費負担率を6割に引き上げる。
利用者負担意外の公費負担(国、自治体の負担)割合を、5割から6割に引き上げることによって介護サービスの改善を図ることができます。
6.介護サービス利用者に、作業報酬を支払うことを認める。
認知症新時代を反映したまったく新しい提案です。認知症の初期の人が、一方で利用料を払ってサービスを利用しながら、その中で行なった労働に対する対価を受け取るという、これまでには想定されていなかった新しい事態が生まれています。すでに自主的に実施されている例もありますが、これを公的に認めていこうという先進的な提案です。
<ホーム長のつぶやき>
昨日静岡市においてNHKの取材がありました。静岡県とのタウンミーティング時に藤枝市の認知症の人と家族の会藤枝分会ほっと会の提案を、県(介護保険長寿政策室予防課)が取り上げてくださり実現しました。認知症の人と家族の会・静岡県支部のご本人、家族、介護スタッフが参加して介護中という札を下げて男性介護者さんが奥様を女性トイレで介助しました。また、デイサービスの女性管理者さんが車椅子の方を男性トイレで介護中の札を下げながら介助しました。まだ介護中の札は決まっていませんが、家族の会は3点に絞っています。本日18時10分と20時45分にその時の様子が放映されました。いま、介護に苦しんでおられる切実な希望であると思います。こうした取り組みが静岡県から全国に広がって欲しいと思います。障害を持っている方も認知症の方にも利用でき、用途は多彩にあると思いました。
上記の提案は私たちの希望でもあります。1、2は切実に私も同じ意見です。実際に介護保険事業をしていますが、要介護度の調査基準に疑問をもちます。その判定結果に悩まされています。認知症をしっかりみてくれる認定調査員とそうでない調査員の差が激しいのです。家族の会が上げた提案が少しでも介護保険制度改正に活かされたらと思います。

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2012年度の改正にあたって具体的に以下の6項目を提案します。
公益法人・認知症の人と家族の会
提言・要介護認定廃止 「家族の会の提言」をめぐって
1.要介護認定を廃止する。
まず認定から出発するのでなく、暮らしの中での介護の必要性から出発する制度にする。
介護保険制度の主人公は、税金、保険料、利用料を負担しているのは国民です。本来、制度の利用は利用者の介護の必要性から出発すべきであるにもかかわらず、要介護認定という関所を通らなければいけないことによって制度の主人公としての意識を著しく傷つけられています。ケアマネージャも認定の結果に縛られ自由な発想を奪われています。客観的な指標であるべき介護度も、2009年4月改定の結果、調査基準が恣意的に操作されていることが明らかになり、その権威を著しく失墜しました。
また利用者にとって不都合な点も目立ってきました。非該当になれば切実に必要だった1つのサービスも受けることができません。出される結果も、特に認知症に関しては正確さを欠くことが少なくありません。更新のたびにその結果に振り回されます。介護度が下がってしまえば同じサービスが続けて受けられなくなります。また、基準がかわれば、利用者の状態が、同じでも結論は変わってしまいます。限度額を超える利用については、制限するか、自己負担しなければなりません。
このように客観性を欠くだけでなく、不都合な点の多いシステムはなくしたほうがよいというのが結論です。その上、コンピューターシステムの維持管理や審査会のために、膨大な費用がかかります。その額は少なくとも2800億円ともいわれています。その費用を介護サービスの充実のために振り分けることもできます。
2.介護サービスの決定は、保険者を加えた新たなサービス担当者会議の合議に委ねる。
要介護認定をなくした場合でも、介護保険の適用が必要であるか否かを、誰かが、何らかの形で判断する必要があります。そのための新たなシステムとして、利用者、家族、ケアマネージャー、事業者、主治医の従来のメンバーに保険者を加えた、新たなサービス担当者会議の合議によって、サービスが必要かどうか、必要だとすれば、どのサービスが、どのような内容と頻度で必要かを決定する方式を提案しています。
その決定を持って介護保険制度を適用するか否か(保険事故が発生したか否か)の判断とします。まだサービスは必要ないという結論に至ることもあるでしょうが、少なくとも利用者、家族はその決定の場に参加することができます。また、制度の運用面において措置から契約に変わったと言われながら、サービスの具体的な内容が厚生労働省のQ&Aや市町村のルールなどによって、措置の時代以上に制約される傾向にあります。
サービスの具体的内容も新たなサービス担当者会議で決めて行くことも含んだ提案です。関係者が利用者本人とその生活状況を確認して判断することで、利用者の必要性から出発する利用者主体の制度にすることができます。要介護認定廃止に伴い限度額もなくなりますので、合議の結果必要と認められたサービスは全て1割負担で受けられることになります。
3.介護サービス情報公表制度は廃止する。
形式的な情報が多く、しかも使いにくい公開の仕方で役に立っていません。一方で、調査に関わる費用は事業者にとっては大きな負担となっています。この財源も介護サービスの充実に振り向けることができます。
4.介護サービス利用の自己負担割合は1割を堅持する。
利用料の2割への引き上げの意見もありますが、現行の1割であるべきです。低所得者への減免措置の充実はいうまでもありません。
5.財源の内、公費負担率を6割に引き上げる。
利用者負担意外の公費負担(国、自治体の負担)割合を、5割から6割に引き上げることによって介護サービスの改善を図ることができます。
6.介護サービス利用者に、作業報酬を支払うことを認める。
認知症新時代を反映したまったく新しい提案です。認知症の初期の人が、一方で利用料を払ってサービスを利用しながら、その中で行なった労働に対する対価を受け取るという、これまでには想定されていなかった新しい事態が生まれています。すでに自主的に実施されている例もありますが、これを公的に認めていこうという先進的な提案です。
<ホーム長のつぶやき>
昨日静岡市においてNHKの取材がありました。静岡県とのタウンミーティング時に藤枝市の認知症の人と家族の会藤枝分会ほっと会の提案を、県(介護保険長寿政策室予防課)が取り上げてくださり実現しました。認知症の人と家族の会・静岡県支部のご本人、家族、介護スタッフが参加して介護中という札を下げて男性介護者さんが奥様を女性トイレで介助しました。また、デイサービスの女性管理者さんが車椅子の方を男性トイレで介護中の札を下げながら介助しました。まだ介護中の札は決まっていませんが、家族の会は3点に絞っています。本日18時10分と20時45分にその時の様子が放映されました。いま、介護に苦しんでおられる切実な希望であると思います。こうした取り組みが静岡県から全国に広がって欲しいと思います。障害を持っている方も認知症の方にも利用でき、用途は多彩にあると思いました。
上記の提案は私たちの希望でもあります。1、2は切実に私も同じ意見です。実際に介護保険事業をしていますが、要介護度の調査基準に疑問をもちます。その判定結果に悩まされています。認知症をしっかりみてくれる認定調査員とそうでない調査員の差が激しいのです。家族の会が上げた提案が少しでも介護保険制度改正に活かされたらと思います。

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Posted by 2人3脚 at 07:00│Comments(2)
│石田 ホーム長のひとり言
この記事へのコメント
こんにちわ。
ほっと会が提案した「介護マーク」が現実のものとなって、とてもうれしく思っています。
藤枝分会「ほっと会」という小さな家族会の提案に、県が耳を傾けてくださったというところにも、大きな意味があると思います。
「ああ、自分たちの声を聞いてくれたんだ。」ということが今後の介護の励みにもなります。
個人で伝えたら愚痴や文句になってしまうことも、小さくても、家族会という形をとることによってしっかりとした要望として、今回のように、大きく発展することがあるのですね。
介護のためにやむなく仕事や習い事などを辞めた方もいます。
けれど家族会を通して、介護者の思いを伝え、少しでも世の中が良くなれば、それは介護をしながらも、ちょっとだけ社会参加をしたことになりますよね。
石田さんのさりげない言葉のおかげで、「ほっと会」という家族会を立ち上げた私です。あらためてありがとうございました。
見守っていてくださいね。 ではまた。 西山美紀子
ほっと会が提案した「介護マーク」が現実のものとなって、とてもうれしく思っています。
藤枝分会「ほっと会」という小さな家族会の提案に、県が耳を傾けてくださったというところにも、大きな意味があると思います。
「ああ、自分たちの声を聞いてくれたんだ。」ということが今後の介護の励みにもなります。
個人で伝えたら愚痴や文句になってしまうことも、小さくても、家族会という形をとることによってしっかりとした要望として、今回のように、大きく発展することがあるのですね。
介護のためにやむなく仕事や習い事などを辞めた方もいます。
けれど家族会を通して、介護者の思いを伝え、少しでも世の中が良くなれば、それは介護をしながらも、ちょっとだけ社会参加をしたことになりますよね。
石田さんのさりげない言葉のおかげで、「ほっと会」という家族会を立ち上げた私です。あらためてありがとうございました。
見守っていてくださいね。 ではまた。 西山美紀子
Posted by ほっと会 西山美紀子 at 2011年02月16日 18:20
ほっと会・西山美紀子様
願いが叶ってよかったですね。この介護マークが
大きなうねりとなり、日本中に広がっていくことを願っています。
今日は焼津市の介護保険課主催の介護家族の講座に参加
してきました。焼津分会・めぐみの会の山中さんの願いが叶い、介護家族の方々とのグループワークが実現しました。山中さんはホットしていることでしょう。
あさひテレビが取材来ており夕方(18::20)の「とびっきりしずおか」で放映していました。介護家族の方々のお悩みはどこに行っても同じです。
これからも「家族の会」としての役割を発揮してください。
ほっと会のご活躍を願っています。またお会いしましょう。
願いが叶ってよかったですね。この介護マークが
大きなうねりとなり、日本中に広がっていくことを願っています。
今日は焼津市の介護保険課主催の介護家族の講座に参加
してきました。焼津分会・めぐみの会の山中さんの願いが叶い、介護家族の方々とのグループワークが実現しました。山中さんはホットしていることでしょう。
あさひテレビが取材来ており夕方(18::20)の「とびっきりしずおか」で放映していました。介護家族の方々のお悩みはどこに行っても同じです。
これからも「家族の会」としての役割を発揮してください。
ほっと会のご活躍を願っています。またお会いしましょう。
Posted by 2人3脚 at 2011年02月16日 20:06