ブログ引越ししました。(2011年12月5日) ≫ http://aisin.i-ra.jp/

2009年09月05日

認知症を電車にたとえれば

電車認知症を電車にたとえれば
                               長谷川和夫医師

私たちが毎日の暮らしを普通に続けるためには、認知機能が不可欠です。記憶、言語(言葉のやり取り)見当識(時間や場所について正しく認識すること)、計算、思考、注意力などを適正に働かせ、それに基づいて正しい判断をするのが認知機能です。


認知症を電車にたとえてみます。電車が正常に働くためには、第1に電車に備えられているコンピュータが正しく働くことです。要するに、人間では脳の神経細胞がその役目を果たしていることになります。


第2に、架線からポール(あるいはパンタグラフ)を通して送られてくるエネルギー、すなわち電気を必要とします。この部分が切れたり壊れたりすれば、停電となり電車は動きません。イラストの前輪は鬱病のないことを表現しています。電車電車 鬱病になると意欲と活力が低下します。そうすると注意力が足りなくなって、情報がしっかり入力されずに記憶力が低下し認知症状態に近くなります。




後輪は意識鮮明であることを表しています。意識がはっきりしていない状態、例えば、寝ぼけているときや深酒をしたときは判断力が損なわれます。高齢者では重要な身体病、、感染症、薬物などの影響により、軽度から中等度の意識障害が起こることがあります。これはせん妄といわれます。せん妄は認知症と間違うことがあります。



認知機能という電車が故障を起こして動かなくなった状態が認知症です。認知症には必ず疾病が原因にあります。その筆頭がアルツハイマー病です。(アルツハイマー型認知症とも言います)そのほかに、レビー小体病や前頭側頭型認知症(ピック病)、硬膜下血腫、脳腫瘍なども原因になります。



また、架線からポールを通して電気が来ない状態というのは、血液によって運ばれてくる酸素や栄養が途絶えてしまうと言うことです。これは脳血管障害による認知症です。



その他認知機能の電車が走っていくためには、常に整備され、関連したサービスが整っていることも大切です。例えば、レールが適切に管理され、ATS(自動列車停止装置)のようなものが作動し、駅員や整備士がきちんと電車を整備してくれるということが条件になります。その意味で、電車を正常な状態で動かすために周りの環境が重要であるのと同じように、認知症の人を介護する場合にも、生活している環境を整えることが大切になります。



認知症を電車にたとえれば


にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい
にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ






同じカテゴリー(認知症のケア・ポイント)の記事画像
医師の目・人の目 第43条 服薬拒否・要求には工夫
長谷川和夫先生の医学的知識パート3
長谷川和夫先生の医学的知識パート2
長谷川和夫先生の講演より 認知症について パート1
医師の目・人の目 第42条 薬で進行穏かに
医師の目・人の目 第41条 専門的診断を受け改善も
同じカテゴリー(認知症のケア・ポイント)の記事
 医師の目・人の目 第43条 服薬拒否・要求には工夫 (2011-12-03 11:26)
 長谷川和夫先生の医学的知識パート3 (2011-12-01 11:42)
 長谷川和夫先生の医学的知識パート2 (2011-11-30 14:53)
 長谷川和夫先生の講演より 認知症について パート1 (2011-11-25 19:27)
 医師の目・人の目 第42条 薬で進行穏かに (2011-11-07 20:31)
 医師の目・人の目 第41条 専門的診断を受け改善も (2011-10-23 07:00)

この記事へのコメント
ようやく免許の更新で認知症のチェックが行われるようですね・・・・
でも、その後のケアのほうが大切な気がします。
Posted by ネコダテブロ at 2009年09月05日 08:29
ネコダテプロさん

早期発見につながればいいですね

又、認知症を理解され対応されるとその人らしく

生き生きと暮らすことができます
Posted by 2人3脚2人3脚 at 2009年09月05日 22:30
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
認知症を電車にたとえれば
    コメント(2)