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2009年10月11日

家族介護者の心理 パート2

家族介護者の心理 パート2
         ( 認知症の人と家族の会 東京都支部 笹森貞子氏の一部より)

ステップ 2 拒絶期

介護者はせっかく気づき上げた我が家の生活リズムを守ろうと必死ですが、信じられないような老人の言動に振り回されストレスで一杯のことでしょう。介護者が嫁の場合は、結婚して嫁いでいる実の娘や親戚から好意とはいえ、色々な助言をされ混乱するのがこの時期なのです。なかには介護方法を学べとばかりに分厚い図書を送ってきたり、介護の支援もせず口だけ出す人もいます。それがまた、介護者の負担になりさらにストレスが溜まります。大変な思いの日々を送っている介護者にとってはどんなに理論的的に正しくても断定的に言われると感謝よりむしろ反感を覚えるものです。



介護者は孤立無援のような気持ちで介護を抱え込み被害者意識が強まり、介護に対して 否定的になってしまう場合があります。この時期は介護する家族、介護される老人にとって、とても辛い時期です。介護する家族は被害者意識が強く、逃げ腰となり、老人の辛さまで気づくゆとりがありません。このような時期はとくに介護者にとっては心の支えになる支援者が必要です。身内も介護に対する意見をいうより、介護者を支えるときです。介護支援ができなくても、ちょっとした言葉の気づかいが大きな支えになるときもあるのです。



この時期専門職の方には、介護者の辛い立場を十分受け止めていただき、共感受容していただきたいものです。「あなたの味方です」「どうぞ私に向かって愚痴をいっぱいはきだしてください」という気持ちで受け止めましょう。





ステップ 3 居直り期

「混乱」「拒絶」と通ってきた介護者自身、、多くのことを経験します。介護の現場に反発して逃げ出そうと考えたり、反省したりそれ以外の人間関係に悩んだり、色々な意味で介護の現実を知ってきました。経験から貴重なことを学び、認知症老人に対する理解も進み、それなりの対応の仕方も身につけました。そして1日1日が過ぎていきます。



介護者は「あんなに辛い思いをしながら介護を乗り切ってきた。これからも色々な場面で悩み奮闘するだろうが、あのときの苦しみを思えば今やっている介護は楽なものだこれからも頑張ってやるしかない!」「自然流でやれるだけやろう」というような心境になります。まさに居直りの境地です。



このように前向きな気持ちになり、周囲を見回して経験者の話を聞いたり、多くの人の協力を得ようという気持ちになります。
近所の人に認知症である身内の話を堂々と話すことができるようになり、協力をを依頼できるようになります。




介護者は複雑な悩み、迷いを抱えながらも結局ここまで到達したのです。介護を逃げずにここまで頑張ってきたという事実が、介護者の今後の介護の支えになるでしょう。常にプラス思考でくよくよせず、常に前向きな気持ちを持ち続けていこうという気持ちになります。




専門職の方には「ここまでよく頑張りましたね」「これからは自分の時間を持ちながら、自分にご褒美を上げる気持ちで休息の時間を持ちましょう」と伝えてほしいものです。専門職の評価は介護者の大きな心の支えになりますし、大きな力になります。


家族介護者の心理 パート2







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この記事へのコメント
 記事を拝見してると、実家の事が手に取る様にわかります。

皆、それぞれの立場で「もの」を言い、「妥協点」を探っています。

でも、最後はやはり「自分という存在を与えてくれた大事なひと」です。

なんだ・かんだと言っては、面倒をみに静岡まで行ってます。
Posted by うさはなみに at 2009年10月11日 21:55
うさはなみに様

是非よき理解者になってください

又くいのない介護を!
Posted by 2人3脚 at 2009年10月11日 22:28
 
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    コメント(2)