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2010年05月19日

介護・・・孤立する家族 認知症長寿社会パート6

認知症長寿社会パート6 
                                 (信濃毎日新聞より)


介護・・・孤立する家族

「いっそ死にたい」「2人で泣くしかない」


悲劇防ぐ手立て急務


全国アンケート

認知症介護の実態について尋ねた本誌の1000人規模「全国家族アンケート」がまとまった。調査表に「いっそ死んでしまいたいと思った」などと書き込んでくる人も多く、先の見えない介護に追い詰められている様子が浮かびあがっている。認知症の本人と家族が書かれた困難な状況を直視し、どう支えるか。超高齢化社会の到来を前に、強力な社会資源が急がれる。




認知症は徘徊や妄想、暴言などを伴うことが多く、介護者の精神的な負担も大きい。本人と十分意思疎通し合うことで介護者が救われる、という場面も限られる。




▼意思疎通に悩み


アンケートでも、本人の心情について「あまり理解できていない」「ほとんど理解できていない」と答えた人が計25.3%いた。自殺や心中を考えた状況については「上手くコミュニケーションがとれなくなった時、心中を考えた」「先の見えない介護についていっそ死んで終止符を打ちたいと思った」「毎日(本人の)虚言の中にいると自分が自分でいられなくなる」「老後の夢も希望も消え、体力に限界を感じた」などと記している。




神奈川県60代男性は、介護している妻の命を絶とうとしたと打ち明けた。「何故そうなったのかなんて、まったく覚えていない」。でも妻の首を手でー。妻は抵抗せず、目に涙を一杯ためて、『私悪いことなんにもしていないよ』って。2人で泣くしかなかった。

「(本人を)殺したいと思う気持に疲れ果て、自分が死んだほうが楽になると思った」と書いた新潟県の40代女性もいる。多くは本人の生きる意思に気づいたり、残される家族のことを考え、何とか踏みとどまっていた。

一方で、アンケートの書類を見て、とてもうれしく感じた」「一晩かかって書いた。とつづる回答者も少なくなかった。胸のうちを明かせる人や場所が多くないことをうかがわせている。





▼どう寄り添うか


孤立しがちな家族の支援に行政も動きだしてはいる。国は08年に発表した「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」報告書の柱に「適切なケアの普及及び本人・家族支援」を盛り、コールセンター(電話相談)設置などを揚げた。自治体などでは市民が講習を受けて認知症を理解し、本人や家族を応援する「認知症サポーター」と、講習で講師を務める「キャラバンメイト」の養成に取り組んでおり、この5年で全国で計120万人{県内は2万人)に達した。ただ、家族や福祉関係者からは実効性を疑問視する指摘も出ている。




県は昨年8月コールセンターを開設、11月末までに述べ250件の相談を受けたが、ある相談員は「顔が見えないまま家族会などを紹介している。どこまで支援になっているか心配だ」と話す。サポーター養成講座を開いていない市町村も多い県内でサポーターやメイトがいるのは43市町村にとどまる(09年9月末現在、全国キャラバン・メイト連絡協議会調べ)。他のボランティア養成事業で支援を進める自治体もあるが、東信地方の担当者は「講座について知っているが、実施を検討したことがない」と明かす。本人や家族を具体的に支援しているサポーターもまだ多くはない。




警察庁によると、08年は全国で273人が介護・看病疲れで自殺した(県内は4人)。和歌山県では3日認知症の妻(73歳)の首を絞めて殺害したとして80歳の夫が逮捕された。悲劇を防ぐため、認知症の本人とともに家族にも寄り添う支援の広がりが欠かせない。




介護・・・孤立する家族 認知症長寿社会パート6







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