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2010年07月06日
医師の目・人の目「知ってますか?認知症」 パート1
医師の目・人の目
「知ってますか?認知症」
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
第1 人ごとでない問題
「認知症(当時は『ぼけ』)は、今介護している私たちだけの問題ではないんです。これからたくさんの人たちが関わらざるを得ない大きな問題です」28年前私が社団法人「認知症の人と家族の会」に関わり始めたとき、一人の介護者が話した言葉を今でも思い出します。当時、認知症に対する社会的関心は極めて低く、デイサービス、ショートステイ、などの介護サービスはまったくなかった。
特別養護老人ホームでは認知症があると入所させてくれなかった。行政には認知症の相談窓口すらなかった。家族に認知症の人がいることを話したら、親戚から「身内の恥をさらした」といって非難された。今では認知症に関して使い勝手が悪いといわれながらも介護保険サービスが利用でき、「認知症を知り、地域をつくるキャンペーン」が全国的に展開されて、社会的関心が高まっている。
認知症高齢者は200万人に達し、要介護認定者の2人に1人、80歳以上の4人に1人が認知症になっているといわれている。認知症高齢者の一人暮らし世帯が増加し、認知症の人が認知症を介護する「認認介護」が現実として問題になるなど、認知症の問題が身近になってきたことを感じざるを得ない状態が出てきた。
自分自身が認知症になるかならないかは別としてても、家族も含めれば認知症は私たち一人一人の問題になってきているのは間違いない。それでも私たちは認知症を人ごととして見てはいないだろうか。「自分が自分でなくなる」という恐怖感、家族に大きな負担をかけるという遠慮、治療困難な進行性の病気である絶望感などが相まって、認知症を自分自身の問題として考えたくない気持を起こさせているのだろう。
認知症を正しく理解する、疑いが出てきたら早期診断・早期治療を受ける、介護負担を軽くするため介護サービスを積極的に利用する、専門職や介護体験者などと交流するなど、前向きに対応することにより、介護の混乱が軽くなり、、認知症の人との状態も落ち着くことは、私の経験からはっきり言える。
このシリーズでは、認知症の人の世界を理解することを中心として、認知症に関するさまざまな問題を幅広くとり上げていくつもりである。(川崎幸クリニック院長 杉山孝博)
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「知ってますか?認知症」
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
第1 人ごとでない問題
「認知症(当時は『ぼけ』)は、今介護している私たちだけの問題ではないんです。これからたくさんの人たちが関わらざるを得ない大きな問題です」28年前私が社団法人「認知症の人と家族の会」に関わり始めたとき、一人の介護者が話した言葉を今でも思い出します。当時、認知症に対する社会的関心は極めて低く、デイサービス、ショートステイ、などの介護サービスはまったくなかった。
特別養護老人ホームでは認知症があると入所させてくれなかった。行政には認知症の相談窓口すらなかった。家族に認知症の人がいることを話したら、親戚から「身内の恥をさらした」といって非難された。今では認知症に関して使い勝手が悪いといわれながらも介護保険サービスが利用でき、「認知症を知り、地域をつくるキャンペーン」が全国的に展開されて、社会的関心が高まっている。
認知症高齢者は200万人に達し、要介護認定者の2人に1人、80歳以上の4人に1人が認知症になっているといわれている。認知症高齢者の一人暮らし世帯が増加し、認知症の人が認知症を介護する「認認介護」が現実として問題になるなど、認知症の問題が身近になってきたことを感じざるを得ない状態が出てきた。
自分自身が認知症になるかならないかは別としてても、家族も含めれば認知症は私たち一人一人の問題になってきているのは間違いない。それでも私たちは認知症を人ごととして見てはいないだろうか。「自分が自分でなくなる」という恐怖感、家族に大きな負担をかけるという遠慮、治療困難な進行性の病気である絶望感などが相まって、認知症を自分自身の問題として考えたくない気持を起こさせているのだろう。
認知症を正しく理解する、疑いが出てきたら早期診断・早期治療を受ける、介護負担を軽くするため介護サービスを積極的に利用する、専門職や介護体験者などと交流するなど、前向きに対応することにより、介護の混乱が軽くなり、、認知症の人との状態も落ち着くことは、私の経験からはっきり言える。
このシリーズでは、認知症の人の世界を理解することを中心として、認知症に関するさまざまな問題を幅広くとり上げていくつもりである。(川崎幸クリニック院長 杉山孝博)
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Posted by 2人3脚 at 11:43│Comments(2)
│認知症のケア・ポイント
この記事へのコメント
2人3脚 さま
こんにちは、
デイサービス、ショートステイの
違いも余りよく分からないで最近まで生活を
しておりました。お友達が最近、隣町の
駅の近くに有る介護施設に就職
し違いを教えてくれました。
利用してくれれば良いけど中々
家族も理解をしてくれなく利用するのが
恥ずかしいからと家の中に閉じ込めておく
家族もあるそうです。
利用した方が家族も本人にも
良いと思いますが・・・
色々な考えの方がおりますので・・
こんにちは、
デイサービス、ショートステイの
違いも余りよく分からないで最近まで生活を
しておりました。お友達が最近、隣町の
駅の近くに有る介護施設に就職
し違いを教えてくれました。
利用してくれれば良いけど中々
家族も理解をしてくれなく利用するのが
恥ずかしいからと家の中に閉じ込めておく
家族もあるそうです。
利用した方が家族も本人にも
良いと思いますが・・・
色々な考えの方がおりますので・・
Posted by スズ at 2010年07月06日 16:39
スズ様
コメント有難うございます。
まだまだ介護保険の理解が進んでいません。
とくに小規模多機能型居宅介護は理解されている方が
少ないようです。早期診断がされ、早期にデイサービス
等利用されると病気が進行しなくてすむし、お金も
かかりません。是非理解して欲しいですね。
コメント有難うございます。
まだまだ介護保険の理解が進んでいません。
とくに小規模多機能型居宅介護は理解されている方が
少ないようです。早期診断がされ、早期にデイサービス
等利用されると病気が進行しなくてすむし、お金も
かかりません。是非理解して欲しいですね。
Posted by 2人3脚 石田 at 2010年07月06日 18:32