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2010年08月12日

家族の接し方10か条 第1条なじみの関係について

家族の接し方10か条
                                   (ぼけ予防協会より)

第1条 なじみの関係



顔なじみ 落ち着き与える 安心感




認知症というハンディキャップを持った高齢者に、認知症を一生の問題とし対応してゆくときには、その成果との援助や介護が大きな課題となります。これについては、日常生活の動作(食事、排泄、更衣、清潔、移動など)の介助は必須のものです。しかし、身近な人(家族、親戚、近くの知人等)との人間関係を主にした社会生活活動の援助も、少しでも人間らしく生きていく上で、欠かせない重要なものです。これらについて高齢者の生き方では、良く知り頼りになる“なじみの人”(普通は家族)とともに、安心した普通の生活が送れるようにすることが、基本的に重視されます。






中等度以上の認知症高齢者の場合には、常に身近にいて心が結びついている人は、他人でも昔から、知って分かっている人(身内、知人、世話になった人、、小学校の同級生)と勘違いして、全くそのつもりで、もっともらしい態度で頼りにして生きていったりします。






この際には、間違っていようが、親近感や同じ仲間という“なじみの心”で結ばれていて、高齢者に最も必要な安心・安住がもたらされていることが注目されます。これを特に施設入所の認知症高齢者で見ていると、その相手は名前は覚えてなくても顔は見知り覚えて、“顔なじみの関係”ができて一緒に暮らしていくと、入所の主な理由の問題行動や精神症状は自然に消えていったりします。






この“なじみの関係”の意義は、個々には安心安住の拠り所があり、一緒に生きいきと楽しげに暮らし、認知症高齢者の生きがいになっています。特になじみの関係に一番近く自然な姿は原則としていうまでもなく家族です。そこは高齢者が最も住みよく生きよい所で、これは在宅介護の基盤ともなっています。






この反対は、高齢者を冷たく不適切に扱うと、家は不安の場となり身内の人でも他人にされたり、忘れられていったりします。以上のことは、健常な高齢者にも全く同じようにいえることです。









<ホーム長のつぶやき>



A様は認知症が重度です。自宅にいて「帰る」と言って徘徊します。早朝目覚め、暗い中外に出ます。しばらく自宅の周りを歩きます。しかし最近は自宅に戻れなくなる時があります。また、毎朝早朝に自宅を出るため、家族は疲労が溜まり仕事にも影響が出てきました。




そんな折2人3脚を紹介されて小規模多機能型居宅介護をのお試しをご利用になられます。もちろんそこは始めてのところで落ち着く場所ではありません。落ち着きがなく、「帰る」と言い室内を歩きまわります。何回かお試しを利用されましたが、やはりいつも同じ行動で安心・安住の場でありませんでした。





丁度そんな時、グループホームに空きができました。即、小規模では支えていくことが難しいと判断し、グループホームの入居を提案し、入居されました。当初我々スタッフは一時も目が話せず、早朝外へ出られることを恐れていました。しかし我々の心配をよそにすぐに落ち着き2人3脚がなじみの場所となり、スタッフや他の利用者さんともなじみの関係が構築されました。





このようにすぐになじまれた理由は何だったのでしょうか。一番大きな理由は、そこがA様にとって安心・安住の場所だったことです。第二は環境が変わらず混乱が少なかったためでしょう。小規模多機能でしたら自宅から2人3脚と環境が変わることでますます混乱の世界に陥りBPSD(精神運動興奮)が活発化していたことでしょう。





第三の理由は寄り添える介護を徹底したためと思われます。A様の気持ちを理解しようと全スタッフが常に考え、不安の解消に努め、今できないことをさり気なく支援していることだと思います。A様らしく暮らしていけるように家族の支援を一杯受けながら支えています。




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この記事へのコメント
この家族の接し方10ヵ条も、昨年5月に out put して参考にしております。

2人3脚で『実際の経験から付け加えておいた方がいいかな?』と思ったことがあったら、いままでの『ボケ介護10ヵ条』同様、コメントを追加して下さい。

楽しみに復習しております。
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年08月12日 11:09
久保田稔様

お久しぶりです。上記の件了解いたしました。

腰のほうは大丈夫ですか?
Posted by 2人3脚 石田 at 2010年08月12日 16:12
ホーム長さんが認知症の人の介護にかける心の強さに敬服します。私のつぶやきに早速反応して『重度認知症のA様にこうしたら良い結果が得られました』という【つぶやき】は、今困っている介護者に『2人3脚に相談すれば良いヒントが得られるかもしれない』と希望を持たせるだけでも素晴らしいです。

いろんな場所から得た知識でやってみたが思うように改善しない…じゃァこの方法でやって見よう…こんな施設ではどうだろうか…施設を変えたら前にしてだめだったことが出来るかもしれない…

要はご利用者とその家族が一番望むことをその方々の身になって考えること、そして実験すること。本気ですね。この本気を持ち続けて下さい。
Posted by 久保田 稔 79歳 at 2010年08月13日 20:35
久保田稔様

コメント有難うございます。
我々の介護に対する思いが伝わってよかったです。


いつも有難いお言葉、感謝感謝です。m(^O^)m
Posted by 2人3脚2人3脚 at 2010年08月13日 22:07
 
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    コメント(4)