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2010年11月05日

死なないで!殺さないで!生きよう!メッセージ集

認知症の人と家族の会

死なないで!殺さないで!生きよう!メッセージ集




いま、介護でいちばんつらいあなたへ、思いとどまった介護者からの渾身のメッセージ集の中からお届けします。





変わる  何度も涙しながら自分を変える



包丁を取りに行ったことが
少なくとも3回はある
            
                          (埼玉県・男性・78歳)


妻が要介護3の頃のことである。夕方七時半には床につく。とにかくよく寝かせようと、昼間三時間の散歩もし努力した。が、夜中十二時半、二時半、四時半と二時間ごとに毎晩三回は起きる。我が家のトイレがわからなくなった妻を見かねて、やはり介護のため起きた。「どうせ治らない病だ」と思うと、つい”カッ”となって一階まで階段を降りていた。包丁を取りに向かった。妻を刺し自分も死のうと思っての行動だった。





そのとき、ふとドイツのフランクフルトを妻と歩い時のことが頭に浮かんだ。たまたま日曜日だったこともあり、教会をのぞくと、“祈る人々の姿”があった。.「そうだ、日本にもお寺がある」と思った。若い頃読んだ丹波文雄さんの「親鷲」と重なったからである。





すぐ電話帳で探すと、なんと住まいの近くに浄土真宗のお寺があった。子供の頃、祖母がにこにこ顔で「今日のご法話はよかった」と私に語りかけてくれたものだった。お寺にお参りしていると、ご住職さまのご法話が、身にしみた。最後に参拝した皆さんで「旅ゆくしんらん」を合唱した。涙が止まらなかった。





包丁を取りに一階まで降りたことが、少なくと三回はある。今、妻はターミナル・ケア段階にある。あの時よくもまあ思いとどまったと思うが、人間、心の余裕がなくなると“カッ”となるときがあるものだと思う。





妻の今の姿をみると、ホトケサマだなあと思う。もう施設での生活が三年にになるが、毎日、面会に行っては「まだまだ元気でいてくれよなあ」と思う昨今である。






<ホーム長のつぶやき>


人間誰しも心に余裕がなくなると、よからぬ事を考えてしまう。とくに認知症の人を介護していると普通の人の何十倍もの心の負担が重くのしかかる。我々職員でさえ、行動障害による精神運動興奮が活発になってくると、バーンアウトしそうになる。しかし認知症をしっかり理解しているとこのストレスもいくらか軽減してくる。




ご主人、いい介護をなさいました。そして殺さなくて、死ななくてよかった。神さまはいるのですね。日本には大勢の神さま、仏さまがいると聞きました。天災から守ってくれる神さま、仏さまがたくさんいるから日本は安泰でいられると聞いたことがあります。仏さまのようなお顔をされている奥様は幸せですね。毎日面会にいらっしゃられ、頭が下がります。これからもたくさんの愛情をそそいでほしいと思います。







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